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映画『聖☆おにいさん(実写)』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

月間モーニングで人気連載中の宗教コメディ漫画『聖☆おにいさん』が、この度松山ケンイチと染谷将太をキャストに迎え、実写映画化が決定。立川市の安いアパートに、奇跡の子イエスと、目覚めた人ブッダが、バカンスを兼ねてのんびり暮らす様を、ギャグタッチで上映。

映画『聖☆おにいさん(実写)』の作品情報

聖☆おにいさん(実写)

タイトル
聖☆おにいさん
原題
なし
製作年
2018年
日本公開日
2018年10月12日(水)
上映時間
不明
ジャンル
コメディ
監督
福田雄一
脚本
福田雄一
製作
不明
製作総指揮
山田孝之
キャスト
松山ケンイチ
染谷将太
山野海
佐藤二朗
製作国
日本
配給
S・D・P

映画『聖☆おにいさん(実写)』の作品概要

奇跡の子・イエスと目覚めた人・ブッダ。世界の迷える子羊たちを導いてきたキリスト教と仏教の神が、東京の立川の安い6畳一間でルームシェアをしながら下界でのバカンスを楽しむ。月間モーニングで連載が始まって以降、テレビアニメ化・アニメ映画化するほどの人気漫画。人気俳優の松山ケンイチがイエスを演じ、染谷将太がブッダを演じる。深夜ドラマ『勇者ヨシヒコ』でコンビを組んだ福田雄一と俳優・山田孝之が監督・脚本・製作総指揮をそれぞれ担当する。

映画『聖☆おにいさん(実写)』の予告動画

映画『聖☆おにいさん(実写)』の登場人物(キャスト)

聖イエス(松山ケンイチ)
キリスト教の神、イエス・キリスト。ロン毛で茨の冠をかぶっている。女子高生からジョニー・デップに似ていると噂され、モテキを予感している。
聖ブッダ(染谷将太)
仏教徒の神、ブッダ。イエスから東京の立川にバカンスへ行こうと誘われ、やって来る。家事・家計を担い、慎ましやかに生活する。
松田さん / 大家(山野海)
イエスとブッダが暮らすアパートの大家さん。最初は外国人のイエスとブッダがアパートに入ることに難色を示していたが、現在は2人と仲良くしている。たまに孫が遊びに来る。

映画『聖☆おにいさん(実写)』のあらすじ(ネタバレなし)

世紀末を終え、新しい年を迎えた21世紀に、世界三大宗教の神・イエス・キリストとブッダは、東京都立川市へバカンスをしにやって来ていた。6畳一間の1Kを2人でルームシェアしながら、下界の人々の暮らしぶりをその身で堪能する。

日本に来ているので、アパートの大家さんである松田さんには苗字を「聖」と名乗り、2人はスーパーのタイムセールを気にしながら食材を手に入れたり、イエスは町を歩く女子高校生からジョニー・デップに似ていると噂され、世紀末も終えたところでモテキを予感したりと忙しい。

決して広いとは言えない6畳一間に、ゴキブリが出没すると、2人はどうにかしてゴキブリを退治しようとする。世界の三大宗教の神様は、殺生を禁じているため、どうにかして黒くうごめく生物を部屋から追い出そうと奮闘する。

映画『聖☆おにいさん(実写)』の感想・評価

異色の宗教漫画が、実写ドラマ化

イギリスの大英博物館にも、英語解説付きで展示された実績を残す、中村光の人気宗教コメディ漫画『聖☆おにいさん』。2006年に講談社『モーニング・ツー』で連載が始まると、2009年には手塚治虫文学賞を受賞する。

その後、漫画に付属するOVAが収録されると、2013年には劇場アニメとして映画化する。森山未來と星野源がそれぞれキャストとして配役されると、瞬く間に話題となり初登場9位を記録、最終興行収入は3億と推定される。

世界三大宗教であるキリスト教の祖と、仏教の祖が世紀末を終え日本は東京の立川にバカンスにやって来るという破天荒な設定が、世代を超えて愛され現在も人気は衰えぬまま連載は続く。

毎週放送のアニメ化してほしいとの声も上がる中、実写ドラマ化によって選ばれたキャストの松山ケンイチと染谷将太に、注目が集まる。

無宗教国ならではの設定

公の場で、政治と宗教の話をしてはいけないと、昔から言われてきた通り日本でも無宗教国家ではあるものの、日常会話で宗教の話が出てくることはない。しかし、基本的に日本では、誰がどんな宗教を信仰していようが、憲法によって個人の自由が認められており、誰からもそれを咎められることもない。

ではあるが、この漫画が出版されるときにはさすがに「怒られるのでは?」と多くの人から懸念されていたようだ。しかし、現代においては宗教をネタにしたコメディ漫画でさえ、若い人を中品に多くの人たちに受け入れられている。

日本では、「こういうのも良いかもね、面白いね」と話題になり、内容が史実に基づいていなくても史実通りであってもあまり問題にされず、「こういうもの」と割り切って楽しまれている。宗教パロディ漫画が、これだけ話題に上り人気が出たのは、日本ならではの文化とも言える。

多才で高い演技力を持つ二大俳優

松山ケンイチと言えば、『デスノート』での天才探偵L役や、『デトロイト・メタル・シティ』でメタル界のカリスマ帝王、ヨハネ・クラウザーⅡ世に、『ノルウェイの森』で人の愛を探し続ける男性など、あらゆる役をこなしている。

その役どころには、全く一貫性がなく、これだけ多種多様な役を演じる俳優は珍しい。シリアスもコメディも、サスペンスやヒューマンドラマに至るまで、多くの顔を持つ松山ケンイチが出演する映画は、安心して見られる映画でもある。

今作では神の子・イエスを演じ、予告動画で見られる松山ケンイチ演じるイエスは、まさに漫画から飛び出してきたイエスそのもの。どこかのほほんとしていて、少しだけ自意識過剰で、愛溢れる神の子を熱演する。

イエスの相方として登場する仏教の祖であり、目覚めた人ブッダは、実に50本以上の映画に出演している染谷将太が演じる。主演も多く、ラブストーリーやホラー、コメディにヒューマンドラマと、染谷将太もあらゆる役どころをこなす。若く才能あふれる2人の俳優が、全世界で知らない人などいないくらいに有名なイエス・キリストと、ブッダ(シッダールタ)を演じ切る。

映画『聖☆おにいさん(実写)』の公開前に見ておきたい映画

映画『聖☆おにいさん(実写)』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『聖☆おにいさん(実写)』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

聖☆おにいさん(アニメ)

2013年公開の、『聖☆おにいさん』の劇場アニメ映画。キャストに森山未來と星野源を迎え、初登場9位を記録するヒット作となる。

「神も仏も、ここにいる。」をキャッチコピーに、漫画を忠実に再現した作品は、ファンからも高い評価を得ている。聖人が東京の立川にバカンスをしに現れ、遊園地に行ったりプールに行ったり、クリスマスを楽しんだり。

イエスとブッダは、自らの素性を隠して普通の人間として生活をしているが、ところどころで語られる「神話」のような出来事は、その解釈に微笑まざるを得ない。そして、その「神話」が登場キャラクターによって大きく歪んで受け取られている様子も、観ている側には面白おかしく、他の映画と同じく「コメディ」として観ることができる。

イエス・キリストもブッダも、ほのぼのとした性格で温かみと愛に溢れ、どこか人間味にも溢れ、大家さんには腰が低く、小学生と張り合い、女子高生の噂にドキドキする。宗教がこんなにも面白いと思える作品で、これ以上のものはないのではなかろうかと評判である。

詳細 聖☆おにいさん(アニメ)

デスノート

松山ケンイチの出世作とも言われた、2006年公開の映画。元々はジャンプコミックスで連載されていた『DEATH NOTE』が原作。主人公・夜神月は、名前を書くだけで人を殺してしまう不思議な力を持つノート、「デスノート」を拾う。そして、そのノートを駆使して新世界の神になろうと暗躍する。

松山ケンイチ演じるLは、主人公・月が名乗る、神にも等しい存在「キラ」を、犯罪者として断定し、捕まえるべくアメリカから派遣される天才探偵。社交性には欠くが、発想は誰よりも飛躍しており、天才的だと称される。

猫背でぼさぼさの髪の毛、目の下にクマもあり痩せた姿の男性で、椅子の座り方は常に膝を抱え込むような姿勢をしている。更に、ぼそぼそとしゃべる様は一見して天才とは思えない程の人物。松山ケンイチは、この奇妙な青年を漫画から抜け出したかのような容姿のまま見事に演じ切っている。

彼の名を世に知らしめた名作、そしてストーリーも犯罪者キラとそれを追う探偵Lの心理サスペンスとなっている。更にファンタジー要素として「死神」なる存在まで現れ、キラとLと死神の三つ巴の心理頭脳戦・天才同士の戦いが詰め込まれた作品である。

詳細 デスノート

パンドラの匣

日本を代表する文学者、太宰治の長編小説を実写映画化した作品。染谷将太の、初主演作品として、2009年に映画化される。小説は1940年昭和15年に、太宰治の読者であった木村庄助の病床日記を基にして執筆される。

主人公の青年ひばりは、「健康道場」の名がついた結核療養所に、結核と闘うために入所し、そこから親友に宛てて手紙をしたためる物語。

映画には、染谷将太の他に仲里依紗や窪塚洋介、ふかわりょうなどが出演し、太宰治の独特で詩的な表現を見事に再現していると、太宰ファンからはお墨付きを受けている。原作にはない要素も盛り込まれており、俳優女優それぞれの演技力が際立つ作品に仕上がっているので、観ていてもその不思議な世界観に知らず知らずのうちに引き込まれている。

染谷将太の安定した演技力が、安定したものとして評価されるようになったのも、この作品からだと言える。

活字で読む太宰治と、映像として観る太宰治は、それぞれがとても魅力的で心地の良いものである。演じる役者にしたらその世界観を壊さないために幾何かの緊張のようなものもあるだろうが、全体的にしっかりまとまった作品となっているので、染谷将太の演技にも存分に集中できる。

詳細 パンドラの匣

映画『聖☆おにいさん(実写)』の評判・口コミ・レビュー

映画『聖☆おにいさん(実写)』のまとめ

漫画やアニメが、実写ドラマ化・実写映画化するとなった場合、日本では割と悲観的に捉えられることが多い。それは、役者のクオリティがコスプレのようであったり、ストーリーが原作を遥かに超えて、あらぬ方向へ行ってしまったり、技術力の面で作品の世界観が再現しきれていなかったりと、挙げたらキリがない。しかし、『聖☆おにいさん』に関して言えば、個性的な登場キャラクターを厳選すれば、これほど完成度が期待できる主人公の配役はないのではないかと言える。演技力に定評のある2人が演じる「ネ申」とは、どのようなものか、期待が高まるばかりである。

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