第1作目1998年『TAXi』からおよそ20年、リュック・ベッソン監督の代表作である新感覚カー・アクションの第5作品目が満を持してスクリーンに登場。主演して監督・脚本のフランク・ガスタンビドと、コメディアンのマリク・ベンタルハが最高スピードで駆け回る。
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の作品情報
- タイトル
- TAXi ダイヤモンド・ミッション
- 原題
- Taxi 5
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2019年1月18日(金)
- 上映時間
- 103分
- ジャンル
- アクション
コメディ - 監督
- フランク・ガスタンビド
- 脚本
- リュック・ベッソン
- 製作
- リュック・ベッソン
ミッシェル・ペタン
ロラン・ペタン - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- フランク・ガスタンビド
マリク・ベンタルハ
ベルナール・ファルシー
サブリナ・ウアザニ
エドゥアルド・モントート
ムッシュ・プルベ
アヌアル・トゥバリ
リオネル・ラジェ - 製作国
- フランス
- 配給
- アスミック・エース
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の作品概要
劇場公開されたフランスで2週連続1位を獲得し大ヒットとなった、テレビシリーズでもおなじみの『TAXi』シリーズの映画第5作品目。今回もリュック・ベッソンはプロデューサーとして、新たな監督となり主演も担当しているフランク・ガスタンビドと共に脚本も手掛ける。キャストも刷新し、主人公の警察官シルヴァロ・マン(フランク・ガスタンビド)の相棒である不運のタクシー運転・エディ・マクルーには、フランスコメディのマリク・ベンタルハが挑む。
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の予告動画
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の登場人物(キャスト)
- シルヴァロ・マン(フランク・ガスタンビド)
- パリ警察No.1の検挙率とドライビングテクニックを併せ持つ、スピード狂警察官。将来の夢は特殊部隊への異動。
- エディ・マクルー(マリク・ベンタルハ)
- マルセイユの街を熟視しているタクシードライバー。少し間が抜けている。前作までの主人公ダニエル・モラレースの甥。
- ジベール市長(ベルナール・ファルシー)
- 『TAXi』シリーズの人気キャラクターで、元は警察署長。現在は、警察署長からマルセイユ市長へ昇格した。
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』のあらすじ(ネタバレなし)
フランスはパリ、ここで警察官をしながら町の平和と市民の安全を守っているシルヴァロ・マン。パリ警察ではNo.1の検挙率を持つマロの特技は、最高のドライビングテクニック。しかし、それが災いして警察官でありながらもスピード狂と言われ、ついつい違反ばかりしてしまう。
そんなマロは、いつか警察官から特殊部隊への異動を夢見ていたが、ある日あろうことか地方都市のマルセイユへ異動となった。異動と言うよりはもはや左遷である。うんざりしながらもマルセイユで心機一転警察官として働くマロ。この町では現在、高級車を乗り回す宝石強盗団に何度も襲われ、そのたびに警察官は強盗団を取り逃がしていた。
マロは強盗団を一網打尽にすべく、計画を立てる。高級車の速度に対抗できる車を手に入れるべく、同じタクシー運転手であるダニエル・モラレースの甥である間抜けなタクシードライバー・エディ・マクルーを無理に連れ出し、2人は中東へ向かう。
その頃、宝石強盗犯は次の計画を企てる。それは、世界最大と謳われるダイヤモンド“カシオペア”を盗み出す計画であった。警察官とタクシードライバーの凸凹コンビが、頭脳派強盗団からダイヤモンドを守るため、伝説と言われているタクシーを乗って駆け巡る。
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の感想・評価
高級車の街中カーチェイス
『TAXi』シリーズの歴代の主人公であるタクシードライバー・ダニエル・モラレースが乗っていた愛車のプジョー・407はもちろんのこと、今回の映画にはランボルギーニやフェラーリなどの高級車が目白押しである。そして、それを乗り回すのは正義の警察官やタクシードライバーではなく、宝石強盗たちなのだ。強盗団は、奪った宝石を元手に高級車を乗り回していた。
アメリカ映画のカーチェイスでは、こうした高級車が登場することも珍しくはないが、事件現場はフランスのマルセイユ。フランス最大の港町であるマルセイユは、町の中に運河が流れ、美しい景色が並ぶ優雅な町である。その町で高級車がカーチェイスする様は、ハリウッド映画では見られない、まさにフランス映画の醍醐味。
予告動画でもマルセイユの美しく輝く青い海の様子が描かれており、ハリウッド映画とは違った魅力で、映画を楽しむことができる。撮影時は大掛かりな道路交通の停止状態が敷かれたようだが、マルセイユの代名詞でもある『TAXi』の撮影とあり、マルセイユの街の人たちの溢れんばかりの愛情が盛り込まれ、完成できたとのこと。
007も顔負けのスーパーカー・プジョー・407
『TAXi』シリーズに欠かせない乗り物と言えば、その名の通りタクシーである。日本のタクシーは、これまでほとんどトヨタのクラウンであったが、最近ではコンパクトカーやワゴンなど多種多様となり、日本人の生活により寄り添う形になり、プラスアルファで観光客に対しても柔軟に対応できるようになってきている。
フランスで乗られているタクシーは、さすがヨーロッパのトップ観光国フランスなだけあり、見かけるタクシーの数もさることながらその車種も多様である。もちろん、映画に登場するプジョー407もフランスでは一般的なタクシー車種の1つ。
その馴染み深い車種が、映画『007』や『バットマン』なども顔負けのスーパーカーぶりを発揮するので、この映画は面白くて見逃せないのだ。車好きには目が離せない映画でもあるが、メカニック好きも唸らせるわくわく感はこの映画ならではである。
既に『TAXi』シリーズを網羅している人なら想像に難くないと思うが、ボタン1つで普通のタクシーからスーパーカーに様変わりする様子は、いつ見ても「おお!」と感動を覚える。今回は、前作のスーパーカーから更にチューンアップされているとのことで、伝説のタクシーの快進撃はまだまだ止まりそうにない。
日本語吹き替え版に、お笑い芸人「千鳥」登場
テレビでも連日出演している人気芸人「千鳥」が、今作『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の日本語吹き替え版に、実写映画吹き替え初挑戦する。大悟とノブが演じるのは、宝石強盗団の兄弟。今作出てくる敵役は、「頭脳派」を売りにしているものの、この強盗兄弟はどこか「間抜け」な一面が多い。
その様子を、2人はさすがお笑い芸人と言ってしまうような、吹き替え版初挑戦とは思えない程コミカルに演じている。また、「初挑戦」に臆することなく、普段通り彼らの特徴でもある岡山弁丸出しで声優をこなしている。なぜかフランス映画なのに、岡山弁丸出しのキャラクターが登場しているのだ。そのあまりにも強烈な吹替模様は、映画ニュースで“クセがすご過ぎる”とまで報じられた。
更にその様子がウケ、映画の宣伝隊長にまで就任している。今回の千鳥のキャスティングについて配給会社も、「千鳥のアフレコは独特で、楽しさに溢れている感じがぴったりだ」と絶賛している。千鳥の芸人以外の芸が花開いた瞬間とも言える。洋画の日本語吹き替え版は人によって好き嫌いが出て、機会がなければなかなか見ないと言う人もいるだろう。しかし、今回の千鳥演じる敵役は、普段日本語吹き替え版を見ない人にもお勧めしたい。
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の公開前に見ておきたい映画
TAXi
フランス映画界に「新しい波」をもたらし、カルト的な人気を誇る映画監督がリュック・ベッソン氏である。日本人に良く知られている監督映画は、1990年公開の『ニキータ』や、1999年の『ジャンヌ・ダルク』ではないだろうか。
実は、リュック・ベッソン氏は初代『TAXi』からずっと作品に関わってきているが、監督をしたことはない。全て製作と脚本のみを担当しているのだ。にもかかわらず、『TAXi』=リュック・ベッソン氏という方程式が完成しているのは、彼の人気ぶりのなせる業でもある。
もちろん、映画自体が面白いのでリュック・ベッソン氏が監督であろうが製作・脚本であろうがお勧めしたい作品であることに違いはない。ピザ屋で働くスピード狂が、念願のタクシードライバーになり、警察官とひと悶着したことで事件に巻き込まれていく。
そんな単純な話だが、カー・アクションにコメディ要素が加わっているおかげで常に見どころがやってくる。シリーズの原点ともなった第1作品目は、まだ『TAXi』の世界を知らない人はもちろん、既にファンの人も原点回帰と思い鑑賞して欲しい。
詳細 TAXi
フィフス・エレメント
幼少期から異彩を放ち、豊かな才能に溢れ類まれな独創性に長けるベッソン氏の手掛ける作品は、常にヒットを飛ばし観客を楽しませてくれる。そんなベッソン氏は、暇つぶしに小説を書いていたが、映画『フィフス・エレメント』は、その小説の世界観が主な設定となっている。
主演をブルース・ウィリスが務め、ヒロイン役には、日本だけでなく世界中で多くのファンを魅了するバイオレンス・ホラー映画『バイオハザード』の主演で人気な、ミラ・ジョヴォヴィッチが抜擢される。当時、モデルとして活躍していたミラの、初映画出演作品であり、ミラ・ジョヴォヴィッチの処女作として名高い映画である。
この映画がなぜお勧めしたい映画なのかと言うと、主演のブルース・ウィリスの職業もタクシードライバーなのである。映画内でタクシーを運転する場面はほとんどないものの、戦闘能力に長けた優秀な軍人だったブルース・ウィリスが、仕事を辞め転職した先がタクシードライバーとは、リュック・ベッソン氏の作品を知っている者ならそれこそギャグなのでは?と思ってしまう。
ちなみに、『フィフス・エレメント』も『TAXi』と同じく1997年に公開された映画なので、無関係ではないのではと勘ぐってしまうのも無理はない。張りぼてと着ぐるみを駆使し、宇宙空間を航行しながら地球外生命体と戦う内容は、その当時の技術力としてはとても面白く見応えのある作品に仕上がっている。
詳細 フィフス・エレメント
トランスポーター
リュック・ベッソン氏の手掛けた作品で、カー・アクション映画と言えば忘れてはならないのが、ジェイソン・ステイサム主演で送る『トランスポーター』シリーズである。こちらもリュック・ベッソン氏は製作・脚本を手掛け、続く2・3作品目も製作・脚本で作品に携わっている。
『トランスポーター』は2002年に公開され、その後『TAXi』と同じく、テレビシリーズとなり2012年に放送されるほどの人気作品でもある。主人公フランク・マーティンは、タクシードライバーではなく運び屋を生業としており、黒塗りのBMWがあらゆる場所を猛スピードで駆け巡る。
この映画の魅力は、なんと言っても主演のジェイソン・ステイサムのカッコ良さである。鍛え抜かれた筋肉に、体にぴったりのオーダースーツ、鋭い眼差しで厳格なルールの元依頼された“ブツ”を的確に運ぶ仕事の正確さ。そして、自身に課している3つのルールを徹底して仕事に臨む様もファンから絶賛される要素の1つである。
こちらの映画では、カー・アクションに加えてジェイソン・ステイサムのバトルシーンも多分に含まれているので、コメディアクションに更なるスパイスを投じたいと思ったら見るべき映画である。
詳細 トランスポーター
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』の評判・口コミ・レビュー
#TAXi ダイヤモンドミッション観賞。アランとジベール(今回は)署長(じゃない)以外は全員新顔な10年振りの新作はコンビの立ち位置は逆転も公道をぶっ飛ばす爽快感は1作目にも近く健在で安心。しかしマルセイユ警察の面々は、キャラ立てとは言え作り過ぎ感もあり賛否別れそう。 #映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/tmxisurrwG
— 裏庭 (@uraniwa1010) 2019年1月18日
「TAXI ダイヤモンド・ミッション」。リブートかと思ったら正当な続編。確か「2」までしか観てなかったが、キャストも一新され問題なし。コロコロコミックのような下ネタ含めプログラム・ピクチャーの王道の出来で気楽に楽しめたし結構笑えた。今回吹替で観たが、よりお気楽感が上がっておススメ。 pic.twitter.com/1Du8tUCXV2
— NAO10 (@nao10_0407) 2019年1月20日
待望の新作、TAXiダイヤモンドミッション観てきた🤩TAXi4では走行シーン少なめだったプジョー407が今回ではメインなのが嬉しかった✨個人的ツボな車😚チェイスシーンは演出も相まってかなり見応えありで、キャスト一新でも満足な一本でした🤣#TAXiダイヤモンド・ミッション #taxi #車映画 pic.twitter.com/BAFUU3gk6L
— shingo.naka666 (@SNaka666) 2019年1月19日
TAXi ダイヤモンドミッション見てきました
いやーあんまし評判良くなかったのとキャスト一新で不安だったけど全然要らない心配だった!!!
相変わらずのTAXiシリーズで本当に面白かった!!
色んな毒をナチュラルに混ぜた過激かつしょーもないギャグにかっこいいプジョー、言うことなしです pic.twitter.com/kxtPdJejyp— むがつlost butterfly (@KingalterG) 2019年1月19日
『TAXi ダイヤモンド・ミッション』
全仏公道最速伝説が、まさかの大復活。顔馴染みの雁首も揃えて、再び「ヨーロピアン・カーアクション」がギアを上げる。
しかしダニエル&エミリアン程の魅力は、本作の主演二人からは感じなかった。その為、雑な完成度に目を瞑れず。もっと上手く出来なかったのか? pic.twitter.com/mneNwfHphr— レオナ (@ClockworkReona) 2019年1月18日
映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』のまとめ
『TAXi』シリーズ初出演を果たすガスタンビドとベンタルハは、フランスで人気の俳優とコメディアンであると同時に、『TAXi』シリーズの大ファンでもある。2人が続編に携わったきかっけは、今話題のSNS・Instagramでベッソン氏へメッセージを送ったことから。そして、ベッソン氏に『TAXi』シリーズへの愛と、次回作への意気込みをプレゼンしたとのこと。そうして2人は自らの力でチャンスを作り、公開まで漕ぎ付けた。その熱意だけで、映画への期待値は最高潮に達する。
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