映画『テルマ』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし) | MIHOシネマ

「テルマ」のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

第90回アカデミー賞、第75回ゴールデングローブ賞の外国語映画賞ノルウェー作品代表に選ばれた、驚愕の北欧ホラー映画が誕生。監督は、生まれながらの天才と称される北欧を代表とする名監督・ヨアキム・トリアー。少女が初めての“恋”を体験するとき、彼女に隠されていた“力”が目覚めだす。美しい少女は、大学へ入学し1人暮らしを始め、刺激的な毎日を送る。しかし、少女には決して明かされてはならない“秘密”が隠されていた。

テルマの作品情報

テルマ

タイトル
テルマ
原題
Thelma
製作年
2017年
日本公開日
2018年10月20日(土)
上映時間
116分
ジャンル
ヒューマンドラマ
ホラー
監督
ヨアキム・トリアー
脚本
エスキル・フォクト
ヨアキム・トリアー
製作
トマス・ロブサム
製作総指揮
シグベ・エンドレセン
ヨアキム・トリアー
エスキル・フォクト
キャスト
エイリ・ハーボー
カヤ・ウィルキンス
ヘンリク・ラファエルソン
エレン・ドリト・ピーターセン
製作国
ノルウェー
フランス
デンマーク
スウェーデン
配給
ギャガ・プラス

テルマの作品概要

デンマークの映画界に多大な貢献をしたラース・フォン・トリアーの甥である、デンマークを誇る映画監督・ヨアキム・トリアーが、監督・脚本を務める今作は、アカデミー賞やゴールデングローブ賞を始めとして、数々の賞の受賞に輝く。少女から大人の女性へと成長を遂げるとき、その一瞬の儚い時間を切り取った美しくも儚く、そして恐ろしい物語。自らの中に秘められた“願い”が目を覚ましたとき、テルマは自身と向き合わなければならなくなる。テルマ役には、ノルウェー出身の注目の若手女優、エイリ・ハーボーが務め、美しい北欧の自然と調和するような繊細な役をこなす。

テルマの予告動画

テルマの登場人物(キャスト)

テルマ(エイリ・ハーボー)
ノルウェーの人里離れた小さな田舎町で暮らす少女。大学への入学を機に、親元を離れて1人暮らしを始める。
アンニャ(カヤ・ウィルキンス)
テルマの同級生。初めての1人暮らしで、不安に駆られ発作によって病院に運ばれるテルマを心配し、親身になる。
トロン(ヘンリク・ラファエルソン)
テルマの父親。テルマが幼い頃、ノルウェーの雪深い森に狩りに行くが、そこでテルマに銃口を向けて殺害しようとしていた。
ウンニ(エレン・ドリト・ピーターセン)
テルマの母親。テルマに対してかなり過保護。車いすで生活をしている。

テルマのあらすじ(ネタバレなし)

少女テルマは、信仰心の強い厳格な家庭で大切に育てられた。しかし、テルマにはなぜか幼い頃の記憶が無かった。美しく純粋な大人の女性へと成長したテルマは、大学入学を機に親元を離れ、1人暮らしを始めることに。

これまで人里離れた田舎町で暮らしていたテルマにとって、町で1人暮らす生活は何もかもが新鮮で、新しい生活にドキドキしていた。テルマの両親は、1人娘の町での生活を心配して毎日電話を寄越しうんざりする面もあるが、母親が車いす生活のためテルマは素直に電話を受けていた。

しかしある日、テルマの生活に異変が起きる。構内で勉強をしていると突然発作に襲われ、救急車で病院に運ばれることに。不安に駆られていると、同級生のアンニャがテルマを気遣い、2人は次第に仲良くなっていく。

アンニャはテルマから見てとても大人に見え、テルマはお酒やたばこなどの悪いことも覚えていく。だが、アンニャとの関係が微妙に変化し始めた時、テルマの身の回りに不可解な出来事が起き始めた。

テルマの感想・評価

美しい北欧の自然の中に秘められた恐怖

北欧と言えば、視界いっぱいに広がる雄大な自然を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。予告映像からも、ノルウェーの深く美しい森の映像美に目を奪われる。しとしとと降る白く冷たい雪は、まるで宝石のようにも見える。

広大な湖に張る氷の下には、なにかとてつもなく恐ろしいものが潜んでいるかのような、凍える寒さと恐怖が融合している。寒さで体が震えているのか、恐怖で震えているのか、勘違いしそうだ。北欧の特徴的な昼間の曇天もまた、この作品のポイントとなるのではないだろうか。まるで主人公テルマの気持ちを現しているかのようにも見える。

美しい自然に、美しい少女、その中に潜む静かな恐怖。この対照的な要素は、北欧ノルウェーだからこそ成り得たと言えるだろう。

テルマの頭部に繋がれる装置の謎は

突然テルマを襲う発作。彼女は救急車で病院に運ばれるも、その原因は不明。テルマを言いようのない不安が襲う。彼女の身に起きる不可解な出来事は治まることなく続き、不気味な自然現象を解明するため、テルマは検査入院することに。

テルマの頭部に繋がれる不自然な装置。テルマはいったい何を検査され、何を調べられなければならないのか。テルマの記憶の奥底に隠されている扉が開かれるとき、テルマは何を思い出すのか。テルマを待ち受けているものとは。

新しい生活をしに町へ繰り出し、青春を謳歌し、学業に恋に様々体験に胸躍らせていたはずなのに、どうしてこうなってしまったのか。大人の階段を上る少女に襲い掛かる、その先に待ち受ける想像もできない“知らない自分”を知るとき、彼女の運命は動き出す。

ヨーロッパで期待される若手女優と、今作が映画デビューとなる期待の新人の運命の傑作

テルマが言いようのない不安を抱え、1人苦しみ悩んでいるときに声を掛けてくれた同級生のアンニャ。スタイルがよく、ラフな格好でもおしゃれに見えてしまうアンニャは、気立ても良く、悪いことも知っていて一緒にいるととても安らぐ存在。そんなアンニャに、1人ぼっちのテルマが心惹かれてしまうのも無理はない。

これまで“恋”の一つも経験したことのないテルマには、衝撃の体験だったに違いない。それを“恋”と呼んでしまっていいものか。気にはなっているけれど、それは友達としてなのか、本当に恋心を抱いてしまっているのか。異性を好きになっても様々なことを思案して、相手の一挙手一投足に一喜一憂するというのに、好きになってしまった相手が同性ならば、なおさら気持ちを持て余してしまう。それは、テルマだけでなく誰しもが同じように体験することだろう。

アンニャへの気持ちをどう伝えればいいのか。どのように折り合いを付ければいいのか。ただでさえ頭がいっぱいになってしまって、パンクしてしまうだろうに、あろうことかテルマが“恋”を覚えたことでテルマだけでなくアンニャにまで危機が迫ってしまう。

2人の恋の行方がどこに落ち着くのか、全く予想もつかない。

テルマの公開前に見ておきたい映画

映画『テルマ』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。『テルマ』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

キング・オブ・トロール 勇者と山の巨神

2017年に製作され、2018年8月に劇場公開された北欧ノルウェーに古くから語り継がれる森の妖精トロールをテーマにしたファンタジーアドベンチャー映画。ノルウェーでは、記録的な大ヒットを記録し、北欧出身の俳優たちが19世紀半ばのノルウェーを舞台に熱演する。

エイリ・ハーボーは、王宮に住む王女キリステンを演じ、悪賢いシグール王子と不本意な政略結婚をさせられそうになっていた。キリステン王女は王宮を抜け出し、運命の人と出会うが、魔王と名高いトロールに連れ去られてしまう。国中が王女を奪還すべく、トロールの元へ向かう。

伝説と謳われた魔王に立ち向かう青年と、美しき王女の物語。キリステン王女役を演じたエイリ・ハーボーは、美しい微笑みとキリっとした眉尻が特徴的。印象的な大きな瞳で気高く演じている様は、どこか人を引き付ける魅力を持つ。

詳細 キング・オブ・トロール 勇者と山の巨神

母の残像

ノルウェーを代表する映画監督・ヨアキム・トリアー監督作品が、2015年日本で初公開される。第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、喝さいを浴びた殊勝な一作。ヨアキム・トリアーは、ラース・フォン・トリアーを叔父に持つ、北欧の新たな鬼才として注目を集めている。

この映画は、1人の女性を交通事故で亡くした家族の物語。世間から称賛されていた著名な戦争写真家だった母イザベルは、深夜遅くトラックとの衝突事故により命を落とす。突然の出来事に、現実を受け入れられない遺された家族。3年後の母の回顧展を機に、3人は徐々にイザベルへの思いを口にする。

母は、妻は、どんな人間だっただろうか。3人が思いの丈を言葉にするとき、知られざる彼女の一面が明らかになる。イザベルの死には事故とも自殺とも説明がつかない不可解な点があり、当時幼かった弟には詳しく真相を明かされていなかった。「イザベル」と言う人物が3人の中で共有されたとき、家族は本来の姿を取り戻そうとしていた。

家族の死とは、現実として受け入れ難く、乗り越えなくてはならないことが多分にある。残された男3人は、イザベルと言う女性で繋がっていた。世界にたった一つしかない4人家族の繊細な心の動きを、ヨアキム・トリアーが豊かな映画的表現によって感動と見終わった後の余韻をもたらしてくれる。

詳細 母の残像

キャリー

少女に秘められた謎の力。それが、極限状態によって抑圧されていた力が外に解放される。1976年に公開され、その異様さが話題となった。1999年には続編が製作され、2013年に『キャリー(リメイク版)』が公開される。

2013年のポスターには、主演クロエ・グレース・モッツの血にまみれた姿が前面に映し出されており「最も恐ろしく、切ない青春」と記載されている。76年のオリジナル版の完成度が高く、主人公キャリーを演じていた当時の主演シシー・スペイセクの圧倒的な存在感に、リメイク版の公開は懸念されているところもあったが、高評価を得ている。

狂信的な宗教家の母親や、自分を笑いものにする学校の学友たち。一生のうちの大切な青春時代を過ごすことになるハイスクールで起きる、少女の悲惨な学校生活。いじめに耐え、ハイスクールを卒業する際のプロムに、どうにかして参加できるようになるキャリーだが、それが悲劇を引き起こす。

母と娘のあまりにも切ない関係を描き、ぶつかり合い、殺し合うことになってしまってもそれでも愛し合う親子。エンディングはあまりにも切なく、あまりにも辛いが、“母と娘”の深い絆に感動を覚えてしまう。

詳細 キャリー

テルマの評判・口コミ・レビュー

テルマのまとめ

日本で公開される洋画のほとんどは、アメリカで製作されている作品。だが最近では、ヨーロッパはもちろんのこと、北欧の作品も公開されるようになってきている。これまで未公開だった作品の中にも北欧を代表する傑作もあるので、せっかくなら日本で未公開の北欧作品もどんどん広まって欲しい。世界には、様々な才能を持つ人たちがとても多く存在していて、アメリカ映画では味わえない楽しみも多く発見でき、今までとは違った味わいの映画を堪能できるだろう。

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