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映画『ちはやふる 下の句』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ちはやふる 下の句』の概要:美人なのに、”残念な美人”と称されてしまう綾瀬千早。そんな彼女が夢中になっているのは、”競技かるた”だった。高校生の少年少女が全身全霊をかけて青春に打ち込む感動の青春ストーリー。

映画『ちはやふる 下の句』の作品情報

ちはやふる 下の句

製作年:2016年
上映時間:102分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:小泉徳宏
キャスト:広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音 etc

映画『ちはやふる 下の句』の登場人物(キャスト)

綾瀬千早(広瀬すず)
クイーンを目指すカルタ馬鹿。美人ではあるが、他者からは残念な美人と称されている。
真島太一(野村周平)
千早の幼なじみで、瑞沢高校カルタ部の部長。
綿谷新(真剣佑)
千早がカルタを始めるキッカケとなった人物。相当な実力者。
若宮詩暢(松岡茉優)
圧倒的強さを誇る現クイーン。千早の憧れと絶望の対象の人物。

映画『ちはやふる 下の句』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ちはやふる 下の句』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ちはやふる 下の句』のあらすじ【起】

太一と千早にとって、非常に影響力の強い人物、それが綿谷新です。しかし、彼らの目標である新が、前作で自分はもうカルタをしないと宣言したのです。心からカルタを愛しているはずの新を心配して、二人は新の住む福井まで向かいました。そこで二人は、新にカルタを教えてくれていた祖父が亡くなった事を知ったのです。千早はそんな新に、「待ってる」と真っ直ぐ告げました。

新が戻ってこようと思う程に自分は強くならなければいけない、と千早は決意に燃えます。そんな千早の目標は、クイーン、若宮詩暢を打ち倒す事です。しかし、圧倒的なまでの詩暢の強さに、千早は徐々に迷走してしまいます。新の為に勝たなければという考えに、千早は余裕がなくなっていました。

太一は、そんな千早を支えたいと思うもののB級の自分ではそれも叶いません。そこで、太一は新に頭を下げ、どうすればA級に上がれるかというアドバイスをもらう事にしました。そんな太一に、新は試合の流れが悪くなった時の話をします。自分が劣勢の時、その流れに押し流されるのではなく、一度そのイメージを断ち切る事が大切だというのです。

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映画『ちはやふる 下の句』のあらすじ【承】

一方、その後すぐ新は祖父の法事が控えていました。そして何と、その場に若宮詩暢が現れたのです。今までその圧倒的な強さの為一人でカルタをし続けて来た詩暢にとって、唯一勝てない相手がこの新なのでした。そんな新がカルタをやめるという事が、詩暢はどうしても納得がいかなかったのです。

詩暢は新にカルタを取ろうと提案し、二人は向かい合って座ります。しかし、その新は詩暢の知っている新ではありませんでした。今の新とではカルタをしてもつまらない、と詩暢は立ち上がります。「詩暢ちゃんは何の為にカルタをするのか」と問う新に対して、「自分のため」と答え詩暢は立ち去っていきました。

その頃千早は、北央学園という強豪のエース、須藤と戦っていました。しかし、未だに葛藤している千早は須藤に大差で負けを喫してしまいます。そんな千早に対して須藤は、「なめてんのか」と一喝します。自分一人でカルタをやってるじゃない、お前ら瑞沢高校は東京の代表だろう、そんな須藤の言葉に千早は我に帰ります。千早は須藤に礼を言い、再び決意を固めるのでした。

映画『ちはやふる 下の句』のあらすじ【転】

そして、それぞれがそれぞれの思いを抱いたまま、全国大会の日がやって来ます。その会場には、全員が前を向いた瑞沢高校の姿がありました。それぞれが健闘し、瑞沢高校は順調に勝ち進みますが、途中で千早が倒れてしまうと言うアクシンデントが起こりました。結果瑞沢高校は敗北を喫してしまいますが、全力で立ち向かえたメンバーは全員が晴れやかな顔をしています。

そして翌日、個人戦が行われる事となりました。そしてその場には、千早や太一、詩暢に後押しされ再びカルタの世界に戻って来た新の姿がありました。クイーンである詩暢も勿論会場に来ています。しかし、昨日の団体戦の様子を見た詩暢は、あまりのレベルの低さに落胆し、試合を棄権し帰ろうとしていました。そんな詩暢に、新は「団体戦も悪くないものだ」と伝えます。

今までずっと一人でカルタを取って来た詩暢にとって、団体戦で仲良しこよしカルタをやっているプレイヤーは総じて甘ちゃんなのです。新の一言に燃えた詩暢は、本当のカルタを甘ちゃん達に教えてやる、と畳に上がるのでした。

映画『ちはやふる 下の句』の結末・ラスト(ネタバレ)

そして、とうとう個人戦で千早と詩暢が対峙する時がやってきました。千早は自分の全力を全て注いで詩暢にぶつかります。個人戦ではランク毎に会場が異なっているため、瑞沢高校のメンバーはバラバラに散らばっています。しかし、その心は一つでした。千早は「ひとりじゃない」と呟きます。

瑞沢高校は一心に、勝利を収めるためもがいていました。詩暢も、そんな千早の勢いを肌で感じていました。今まで自分一人の世界で他者に脅かされる事なく勝利を収めてきた詩暢は、初めて対戦相手として千早を意識したのです。千早は健闘しますが、結果は17枚差という大敗を喫してしまいました。千早は詩暢に対して、「またかるたしようね」と声をかけます。普段であれば軽く流す詩暢でしたが、詩暢の中で既に千早は他のプレイヤーとは違う立ち位置になっていました。「いつや」と言う詩暢に対して、千早は「クイーン戦で」と答えるのでした。

一方、新もその大会を通して自らの気持ちに蹴りをつけ、カルタに正式に復帰すると言う決意を千早に告げるのでした。

映画『ちはやふる 下の句』の感想・評価・レビュー

競技かるたの真剣勝負の世界を描いているが、ただ熱いだけではなく笑いもバランスよく織り込まれている。実力派若手俳優が集結している点でも満足度が高く、メンバー同士のやり取りがいちいち心に響く。特に本作以降、大活躍の松岡茉優が抜群にうまかった。

ちはやふる 上の句』に引き続き、主題歌にはPerfumeを起用している。かるたという日本の伝統文化に、近未来的な音色のPerfumeをぶつけるのは意外だったが、聴いてみるとこれ以外は考えられない。『ちはやふる 結び』も含め、近年まれに見る完成度の高い青春映画の傑作。(女性 40代)


誰でも一度はお遊びでやったことがあるカルタですが、競技になるとまたそれも面白いことを教えてくれた作品でした。個人戦はひとりだけどひとりじゃない。チームを組むことでの成長や、励まし合う魅力もしっかり伝わって来て、観終わった後の満足感も高かったです。
映像はほんの少しの時間しかありませんでしたが、肉まん君が「一足先にミンチにされた」時の、ゆるキャラの隣で放心状態になっている場面が好きです。(女性 40代)


映像化に伴った脚本の改変がハマっている作品だと思う。
原作の物語はまだまだ続き、約2時間という映画では序盤の方しか描くことができない。そのため、映像化するにあたってはエピソードの組み替えが非常に大切であるが、今作のシリーズではそれが上手い印象を受けた。
それぞれの登場人物の裏側やエピソードを丁寧に描いていて、原作を知らない人でも楽しめる作品に仕上がっている。胸を張って面白いと勧められる映画だった。
下の句から出てくるキャラクターでは松岡美優がダントツで素晴らしい。若宮の強さや美しさをしっかりと表現できていた。(男性 20代)


個の強さを信じる詩暢と、仲間がいることで強くなれると知っている千早を対照的に描くことで観客が必然的に推しを作ることが出来て、とても面白いやり方だなと感じました。
明るくて天真爛漫で喜怒哀楽の激しい千早とは対照的に、詩暢は冷静沈着でクール、群れることを嫌っている印象でした。そんな性格も考え方も正反対の2人が競技かるたを通して心を通わせ、対戦相手としてしっかり意識していく姿は言葉が出なくなるほど圧倒的で2人の空気感に呑まれてしまいました。(女性 30代)

関連作品

次作 ちはやふる 結び
前作 ちはやふる 上の句

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    劇場版は「上の句」からかなり原作と違うところがあった。何よりも、原作でははじめの方にあった新のストーリーを、映画ではこの後編に持ってきている。原作でもこの全国大会で本当に「かるたが好き」だと気づき、祖父がいるからではなく自分のためにかるたをやろうと決心するのは同じだが、そこに至るまでが結構長くて、映画ではそれが「下の句」にギュッと凝縮されている。
    「上の句」が、太一のように「かるたの神様に見放された」、机くんのようにかるたの才能はないけどそれでも努力する人たちのストーリーだとすると、「下の句」はかるたの才能を持った人たちが「自分はなんのためにかるたをやるのか」を考え、もがくストーリーになっている。
    このストーリー構成の入れ替えが、劇場版では前後編に分かれているぶん、よく機能していると感じた。

  2. 匿名 より:

    「下の句」でいよいよ登場したクイーン・若宮詩暢。彼女の存在を意識するようになって、今まで「みんなで楽しくかるたをする」ことだけを考えていた千早がはじめて上を目指すことを考え始める。
    今の千早では到底勝つことができないほど実力に差はあるけれど、これ以降ライバルになり、そして友達になっていく大事な人物である。
    満を持しての登場で、その存在感がものすごい。松岡茉優が演じているのだが、もう若宮詩暢そのもの。クイーンとしての圧倒的なオーラがあり、熱血バカの千早とは対照的に冷ややかでかるたの取り方も静か。
    「上の句」では千早の得意札「ちはやぶる」の歌にも象徴され、千早本人のテーマカラーでもあろう赤が鮮やかだったのが、「下の句」ではほとんど目立たない。千早が影の存在になってしまった印象である。意識してみると随所に千早と詩暢の対比が見られるので、注目してみると面白い。

  3. 匿名 より:

    今回は劇場版二部作の後編ではあったが、原作でいえばまだまだ序盤。「上の句」はかるた部を作って、太一の葛藤や机くんの成長など、さわやかな青春ものという感じでおさまりが良かった。かるたを知らない人にもかるたの面白さを知ってもらえる導入部だった。「下の句」はそこからやっと物語が動き出し始めるストーリーでしかないので、物足りなさを感じる。映画続編制作は決定しているので、今後どこまで描かれるのか注目したい。