イム・テサンは歌手のユナと付き合い再婚を考えていた。だが、そのユナが何者かに殺されてしまう。逮捕されたのは愛娘だった。テサンは娘の無実を証明するため、事件の調査を開始した。
映画『沈黙、愛』の作品情報
- タイトル
- 沈黙、愛
- 原題
- Heart Blackened
- 製作年
- 2017年
- 日本公開日
- 2018年7月28日(土)
- 上映時間
- 125分
- ジャンル
- サスペンス
- 監督
- チョン・ジウ
- 脚本
- チョン・ジウ
- 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- チェ・ミンシク
パク・シネ
リュ・ジュンヨル
イ・ハニ
イ・スンギョン - 製作国
- 韓国
- 配給
- ツイン
映画『沈黙、愛』の作品概要
恋人が殺され、逮捕されたのは娘だった。そんな殺人事件に翻弄された父の姿を描く、クライムサスペンス映画。監督・脚本を務めたチョン・ジウは、デビュー作の『ハッピーエンド』(99)で賞を受賞した素晴らしい経歴の持ち主である。また、殺人事件に翻弄される主人公役を務めるのは、『ハッピーエンド』で監督とタッグを組んだチェ・ミンシク。主人公の恋人を殺したのは誰なのかというサスペンス要素と、容疑者として逮捕された娘を助けたいという父の深い愛情が描かれている作品になっている。
映画『沈黙、愛』の予告動画
映画『沈黙、愛』の登場人物(キャスト)
- イム・テサン(チェ・ミンシク)
- ゲーム会社の代表でもあり、投資を行うブローカーでもある。ユナとの再婚を考えていた。娘の無実を証明するため、奔走する。
- ミラ(イ・スギョン)
- テサンの娘。ユナ殺害の容疑で逮捕されてしまう。
- ユナ(イ・ハニ)
- テサンの恋人。人気歌手。何者かに殺され死亡する。
映画『沈黙、愛』のあらすじ(ネタバレなし)
イム・テサンは歌手のユナと付き合うようになり、再婚を考えていた。だが、その愛するユナが殺されてしまう。容疑者として逮捕されたのは、テサンの娘のミラだった。テサンは拘置所入れられた娘に会いに行き、ユナとの間で何があったのか尋ねた。ミラは自分を疑っているのかと、父に怒りをぶつけた。
テサンは娘に必ず無実を証明し、拘置所から出すことを約束した。娘の無実を信じており、殺人犯に仕立てあげられただけだと思っていた。テサンは事件の調査をする中で、ユナのファンであるするキム・ドンミョンが、事件現場の監視カメラの映像を見たと証言していることを知る。果たして、娘は犯人なのだろうか?テサンは娘の人生を守るため、必死に調査を進めた。
映画『沈黙、愛』の感想・評価
父が子に抱く深い愛情
父の恋人が何者かに殺されてしまい、容疑者として娘が逮捕されてしまう。愛する人が亡くなった悲しみに暮れる間も無く、事件に奔走するようになる父の苦悩する姿が描かれている。事件の日に何があったのか困惑する気持ちを抱えつつ、父として最愛の娘が人を殺すはずがないと信じている。裁判が行われたときに、娘のミラが泣きながら「何も覚えていない」と証言する場面が印象的である。父はそれでもひた向きに娘の無実を信じている。きっと他人なら、嘘を吐いているのではないかと疑ってしまうのではないだろうか。事件の犯人とは誰なのかというサスペンス要素がありながらも、父が娘に対して抱く深い愛情が感じられる作品である。ぜひ、テサンの父としての深い愛情を感じながら見て欲しい。
チョン・ジウ監督
映画『ハッピーエンド』(99)で監督デビューを果たし、この作品でも脚本を担当している。監督デュー作品ながら、「第20回映画評論家協会賞・新人監督賞」など数々の賞を受賞しており、監督として有望な人であることは明白である。
『モダンボーイ』(08)や『ウンギョ 青い蜜』(12)など、登場人物達の心理や行動が二転三転するため、最後まで目が離せない内容になっているのがチョン・ジウ監督の特徴だと思う。今作品でも検察側と弁護側で意見が食い違ったり、容疑者として逮捕された娘の記憶があいまいであったり、物語が二転三転することが予想される。最後まで目が離せない展開になっているのではないかと、期待が高まる内容になっている。
チェ・ミンシク主演
主演のチェ・ミンシクは元々舞台俳優として活躍していた人物である。高校生の頃から演劇を始めており、長い演劇生活で確かな演技力を身に着けている。チョン・ジウが監督を務めた『ハッピーエンド』(99)にも参加しており、「第38回アジア太平洋映画祭・主演男優賞」を受賞している。今作品もチョン・ジウ×チェ・ミンシクがタッグを組んでいるため、面白い作品に仕上がっていると思われる。そして、『鳴粱』(14)では「第51回大鐘賞映画祭・主演男優賞」を受賞しており、演技力にますます磨きがかかっている。そんなチェ・ミンシクが、愛する人が殺された悲しみを抱えつつ、容疑者として逮捕された娘を守ろうと必死に戦う父親という難しい役をどんな風に表現しているのか、ぜひ注目しながら見て欲しい。
映画『沈黙、愛』の公開前に見ておきたい映画
LUCY ルーシー
スカーレット・ヨハンソン×リュック・ベッソン監督が初めてタッグを組んだ作品で、チェ・ミンシクも新種の麻薬を売買しているマフィアのボスとして出演している。SFアクション映画で、麻薬によって脳が100%使用可能状態になった女性の姿が描かれている。
台湾に留学中のルーシーは、付き合ったばかりの恋人からアタッシュケースを運んで欲しいと頼まれる。危険な臭いがしたので断るが、恋人は手錠を使って無理矢理ルーシーにアタッシュケースを預けた。ルーシーは仕方なくアタッシュケースを運ぶことになるが、届け先の相手は人殺しも厭わないマフィアだった。ルーシーはそのマフィアに気絶させられ、お腹に麻薬が入った袋を入れられてしまう。
詳細 LUCY ルーシー
ストックホルムでワルツを
スウェーデンのジャズシンガーとして絶大な人気を誇る、モニカ・ゼタールンドの半生を描いた作品。ジャズシンガーとして成功しようと奮闘する娘と、その夢を反対する父の姿が描かれている。
1960年。モニカは田舎町からストックホルムのバーに通う、シングルマザーのジャズシンガーだった。新聞で「実力不足」と非難されても、大スターになる夢を諦められなかった。歌だけでは生活が成り立たないため、電話交換手として働いていた。モニカは夢を反対する父を振り切り、娘を残してニューヨークの街に旅立った。上手くいかないことも、父に認められないことも、娘と会えないことも悲しかった。モニカはそんな悲しみを乗り越え、少しずつ夢に近づいていった。
詳細 ストックホルムでワルツを
完全なる報復
クライムサスペンス映画。復讐に燃えるクライド・シェルトンの役を、ジェラルド・バトラーが演じている。彼はこの作品の制作にも携わっており、『オペラ座の怪人』(04)のファントム役で一躍有名になった人物である。また、クライド一家の強盗事件を担当した検事は、ジェイミー・フォックスが演じている。彼は『Ray レイ』(04)で主人公のレイ・チャールズを演じ、「第77回アカデミー賞・主演男優賞」に輝いた実力者である。
クライド・シェルトン一家が暮らす家に強盗が現れ、妻と娘が惨殺されてしまう。クライドは重傷を負いながらも一命を取り留めた。犯人は逮捕されるが、確たる証拠が残っていなかった。そこで、検事のニックは犯人の1人と司法取引を行うことにした。その結果、犯人の1人は死刑が確定し、もう1人の罪は減刑された。それから10年後、この事件に関わった人達が、次々と殺されていく事件が起きる。
詳細 完全なる報復
ハッピーエンド
チョン・ジウ監督×チェ・ミンシクがタッグを組んだ作品。チョン・ジウはこの作品で監督デビューを果たした。元彼と不倫する妻、会社をリストラされ妻の稼ぎに頼りきりの夫。そんな3人が織りなす人間模様が描かれている作品。妻を演じたチョン・ドヨンの大胆なベッドシーンでも話題を集めた作品である。
ソ・ミンギ(チェ・ミンシク)は銀行に勤めていたがクビになり、妻の稼ぎに頼って生活を送っていた。やることといえば、生まれたばかりの娘の面倒を見るぐらいだった。妻のチェ・ボラ(チョン・ドヨン)はそんな夫の姿に嫌気がさしており、元恋人のキム・イルボム(チュ・ジンモ)との不倫関係を楽しんだ。また、イルボムの方は、真剣にボラと寄りを戻したいと考えるようになっていた。この3人のハッピーエンドの行方とは?
詳細 ハッピーエンド
映画『沈黙、愛』の評判・口コミ・レビュー
『沈黙、愛』ミステリアスな前半から後半に捻りを加え、どう着地するか構えてたら思いのほか情に訴えてくる。更に構えてたら、少ししかない会長チェ・ミンシクと根津甚八似の部下チョ・ハンチョルの描写に涙を誘われる。そこ!もっと!観たかった!リュ・ジュンヨルは嫌な役だけど酷いかわいい(どっち pic.twitter.com/XnKNmmhOa7
— Zzzin} (@zzztot) 2018年8月1日
『沈黙、愛 』観てきました🙌
“映画全編に仕掛けられた罠。予想だにしない結末にあなたは黙っていられない-”
全くその通りでした。。
邦題についた「愛」の意味がわかり、予想外のラストに泣きました😿
ネタバレになるので詳しく言えませんが、2時間では惜しいくらいの映画でした😭👏 pic.twitter.com/0eeZMHUJhF— ❁じゅん❁ (@sarang_1205) 2018年7月31日
「沈黙、愛」鑑賞。大企業会長の若い婚約者が死亡し、会長の娘が逮捕される。権力・財力を駆使して娘を救おうとする会長。父娘の愛憎劇?と思ったら、権力に靡く者と抗う者が闘う法廷劇へ。これが面白い。ここから更にもうひと捻りある。最後の捻りは賛否あるだろう。
— 竹田康一郎 (@tahtaunwa) 2018年7月30日
【沈黙、愛】観客の心を巧みにリードしていくプロットに感服。一頻り山場を迎えた後のもう一展開には韓国映画らしい家族のドラマが盛られ、映像演出での心情表現も相まって大いに揺さぶられた。チェ・ミンシクは哀愁すら漂う納得の嵌り役。 #映画 https://t.co/gJbcP6nOPu
— いち麦 (@ichiwheat) 2018年7月29日
映画『沈黙、愛』のまとめ
愛する恋人が殺されてしまったことだけでも悲しいのに、愛する娘が容疑者として逮捕されてしまう父の苦しみは想像を絶すると思う。傍聴席に座って泣く娘を見るときは、きっと身が引き裂かれるほど辛い思いをしただろう。娘の無実を証明するために事件を調査するということは、真犯人にも近づいているということである。登場人物達の心理を想像しながら、誰が犯人なのか予想しながら見て欲しい。娘は無実なのか、それとも殺人犯なのか。
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