アヤコは小劇団に所属し、演劇の勉強をしながらフリーターとして働いていた。ある日、舞台のオーディションを受けるが。落ちてしまう。アヤコが親友のミキと一緒にお酒を飲んで憂鬱な気持ちを発散していると、アヤコの恋人の辰夫が現れる。
映画『ウルフなシッシー』の作品情報
- タイトル
- ウルフなシッシー
- 原題
- 不明
- 製作年
- 2017年
- 日本公開日
- 2018年9月15日(土)
- 上映時間
- 79分
- ジャンル
- コメディ
ヒューマンドラマ - 監督
- 大野大輔
- 脚本
- 大野大輔
- 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 根矢涼香
大野大輔
真柳美苗
中村だいぞう
本村壮平
小池首領
田中一平
椎名綾子 - 製作国
- 日本
- 配給
- 楽しい時代、モクカ
映画『ウルフなシッシー』の作品概要
『さいなら、BAD SAMURAI』(16)で「カナザワ映画祭・新人監督賞」を受賞した大野大輔が、監督・脚本を担当し、ヒロインの恋人役を熱演している。ヒロインを演じたのは、短編映画や舞台で活躍中の根矢涼香である。本作品は「第18回TAMA NEW WAVE コンペティション・グランプリ・ベスト女優賞・ベスト男優賞」を受賞しており、高い評価を受けている。物語に登場するのは、破局寸前のカップルである。お酒を飲みながら喧嘩をし合う、2人のどうしようもない日常を楽しんで欲しい。
映画『ウルフなシッシー』の予告動画
映画『ウルフなシッシー』の登場人物(キャスト)
- アヤコ(根矢涼香)
- フリーター。小劇団に所属し女優を目指しているが、うまくいっていない。
- 辰夫(大野大輔)
- アヤコの恋人。AV監督。空気が読めない。
映画『ウルフなシッシー』のあらすじ(ネタバレなし)
アヤコは小劇団に所属し、演劇の勉強をしながらフリーターとして働いていた。ある日、舞台のオーディションを受けるが、落選してしまう。憂鬱な気持ちになったアヤコは、親友のミキを呼び、バーで一緒にお酒を飲んで発散することにした。ミキは婚約が決まり、幸せそうだった。そんな2人の元に、アヤコの恋人の辰夫が現れる。
辰夫の職業はAV監督だった。部屋は機材・片づけていないゴミ・衣服などが溢れ、身の置き場所がなかった。アヤコと辰夫の関係はうまくいっておらず、喧嘩をして何となく仲直りしての繰り返しだった。アヤコと辰夫はミキの前でも口論になってしまい、最悪な雰囲気に陥る。お互い消化できないほど不満が溜まっていた。ミキが帰っていった後も、アヤコ達の口論は激しさを増していった。
映画『ウルフなシッシー』の感想・評価
破局寸前の恋人
映画のカップルと言えば、恋人になる前の2人や、愛し合う2人、すれ違いながらもお互い思い合っている2人など、愛が溢れたカップルについて描かれているのが普通だと思う。しかし、この映画に登場するカップルは、破局寸前のカップルである。しかも、「80分ノンストップ泥酔エンタテインメント」という名前がつく通り、お酒に酔いながら口論するカップルが登場する。
夢や希望について語っているのではなく、ごく普通のごくありふれたカップルを描いているからこそ、この映画はおもしろいと思う。若いカップルにはまだ理解できない部分も多いかもしれないが、大人のカップルであればこの2人に大いに共感できるのではないだろうか。登場人物達の明け透けな姿を、時には笑いながら時には呆れながら楽しんで欲しいと思う。
大野大輔
大野大輔は本作品で監督・脚本と共に、ヒロインの恋人役を熱演している。そして、ヒロイン役の根矢涼香と共に、「第18回TAMA NEW WAVE コンペティション・グランプリ・ベスト女優賞・ベスト男優賞」を受賞する快挙を成し遂げる。大野のちょっと気が抜けている、ダメ男の演技にぜひ注目して欲しい。
大野大輔は『さいなら、BAD SAMURAI』(16)で「カナザワ映画祭・新人監督賞」を受賞している。『さいなら、BAD SAMURAI』の映画でも監督・脚本を担当しているほか、俳優として出演している。この映画は大野の自伝的作品になっており、映画監督として上手くいっていない男の姿が描かれていて、大野ならではの言葉で言い表せないような独特な空気感が味わえる作品になっている。
根矢涼香
ヒロインであり主演を演じた根矢涼香は、主に短編映画や舞台で活躍している女優である。しかし、短編映画と言えども、侮ることはできない。「MKE映画祭オリジナル脚本賞」を受賞した『夏~解釈その1~』(14)や「福井映画祭11th短編部門・観客賞グランプリ」を受賞した『ロープウェイ』(16)など、短編映画の中でも素晴らしい作品に数多く出演しており、確かな実績と経験を積んできた人物である。それが、本作品での女優賞受賞へと繋がっている。
根矢は現在23歳で、これから有名になる可能性を大いに秘めた人物である。平成30年度の茨城県東茨城郡茨城町プロモーションムービーへの主演も決定しており、今から彼女の存在を知っておいても損はないと思う。
映画『ウルフなシッシー』の公開前に見ておきたい映画
さいなら、BAD SAMURAI
大野大輔が監督・脚本・主演を務める。大野は初めて撮った自主制作映画『BAD SAMURAI』のせいで、110万円の借金を抱えることになる。『さいなら、BAD SAMURAI』(16)はその出来事を元に作られた自伝映画となっている。大野監督自身の苦悩に満ち溢れた時代にスポットが当てられているため、とても人間味溢れる映画になっている。
自称・映像作家のフリーターの男は、100万近くの費用を使い自主制作映画を制作した。だが、出来た映画は、子供には見せられないようなアダルトシーン満載の最悪な映画だった。その映画で観客を集めることができるわけもなく、借金は膨れる一方だった。男の中には他人への妬みや嫉妬心や逆恨みの気持ちで一杯だった。男の将来は一体どうなってしまうのだろうか。
詳細 さいなら、BAD SAMURAI
いま、会いにゆきます
ヒューマンドラマ作品。市川拓司原作の小説『いま、会いにゆきます』を元に作られている。2005年には女優のミムラと俳優の成宮寛貴が出演し、TBSでドラマが放送された。映画版ではミムラの役を竹内結子が、成宮寛貴の役を中村獅童が熱演している。日本で一代ブームを巻き起こした『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)と製作委員会が同じ。
秋穂巧は愛する妻を亡くし、まだ幼い我が子(佑司)と生活していた。そんなある日、亡くなった妻の澪が記憶を失くした状態で現れる。それは、雨がもたらした6週間の奇蹟だった。巧は2人の馴れ初めや思い出話を、澪に話して聞かせた。3人は幸せな時間を過ごすが、雨が止んでしまえば澪が消えてしまうことは分かっていた。3人は残された時間、どんな風に過ごすのだろうか。
詳細 いま、会いにゆきます
人生スイッチ
(ブラック)コメディ映画。「暴力と復讐」をテーマにした6つの短編映画が収録されている。ダミアン・ジフロンが監督・脚本を務めている。プロデュースを担当したのは、カンヌ国際映画祭の審査委員長を務めたことがあるペドロ・アルモドバル。ペドロは主にスペインで、映画監督やプロデューサーとして活躍している人物である。
人生には決して押してはいけない「スイッチ」がある。もし、押してしまえば、あなたの人生は最悪の結末に向かうだろう。この映画は6つの短編映画で構成されている、アンソロジー映画である。登場人物達は人生の「スイッチ」を押し間違えてしまい、止まらない不運の連鎖を経験することになる。最悪な人生の先をぜひ見て欲しい。
詳細 人生スイッチ
映画『ウルフなシッシー』の評判・口コミ・レビュー
『ウルフなシッシー』初日観てきました!ただただ痴話喧嘩が続くばかりなのに可笑しくて、愛おしくて。声を出して笑ってました。
正直戸惑いながら観始めたのに、気づけばじわりじわりと侵食されてましたね。
新宿K’sシネマで2週間の上映です。ぜひに!#ウルフなシッシー pic.twitter.com/5OuR5wHF1R— 石橋夕帆 (@chan_pon11) 2018年9月15日
「ウルフなシッシー」低いテンションで繰り広げられる男女のケンカ。俺だけの脳内世界を作ってしまった男が臆面もなくその世界を女たちにぶつけていってる。 pic.twitter.com/dfKIxYG74g
— JUNY (@junycsu35) 2018年9月15日
「ウルフなシッシー」新宿ケイズシネマで鑑賞。
演劇要素のあるシチュエーションコメディのセリフ劇として楽しめました。
主演された根矢涼香さんのやさぐれ感は半端なく面白かったです。#ウルフなシッシー pic.twitter.com/QqVnC51GCs
— じゅん坊 (@junbou830) 2018年9月15日
『ウルフなシッシー』
映画監督の夢に破れたAV監督と、売れない舞台女優。同棲する2人の痴話喧嘩を、ユーモアを交えて描く。特に何かを得られる訳ではないけれど、こういう映画があっても良いと思える小品。 pic.twitter.com/MlRVF1hKKB— lp (@lp_eiga) 2018年9月15日
[ウルフなシッシー]
すごく面白かった!
究極の痴話喧嘩の会話劇〜
痴話喧嘩だけど、深読みすると色々考えさせる〜
広くみても人生の道は一本だけ
響いた…二週間限定上映〜興味ある人是非k’sシネマへ!#ウルフなシッシー pic.twitter.com/neS1Exw6R7
— Tetsu (@55tetsu6) 2018年9月15日
映画『ウルフなシッシー』のまとめ
主人公のアヤコは人生の成功者とは言い難く、苦労をしている人物である。女優になるという夢はあるが全然成功しておらず、フリーターとして働き生計を立てている。しかも、恋人との関係もうまくいっておらず、会えば文句が出てくるような関係である。こんな風に、主人公のアヤコが特別な人ではないからこそ、この映画はきっと共感しやすい物語になっているのだと思う。登場人物達の立場に立ち、笑ったり怒ったりしながら見て欲しい映画である。
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