第一次世界大戦中の1917年4月6日。ドイツ軍は撤退したように見せかけ、連合国をヒンデンブルク線まで誘導して攻撃しようとしていた。航空偵察を行っていたイギリス軍は、その事実に気づく。イギリス軍は仲間を救うために、最前線まで伝令を派遣した。
映画『1917 命をかけた伝令』の作品情報
- タイトル
- 1917 命をかけた伝令
- 原題
- 1917
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2020年2月14日(金)
- 上映時間
- 119分
- ジャンル
- アクション
サスペンス
戦争 - 監督
- サム・メンデス
- 脚本
- サム・メンデス
クリスティ・ウィルソン=ケアンズ - 製作
- サム・メンデス
ピッパ・ハリス
ジェイン=アン・テングレン
カラム・マクドゥガル
ブライアン・オリバー - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- ジョージ・マッケイ
ディーン=チャールズ・チャップマン
マーク・ストロング
アンドリュー・スコット
クレア・デュバーク
リチャード・マッデン
コリン・ファース
ベネディクト・カンバーバッチ - 製作国
- イギリス・アメリカ合作
- 配給
- 東宝東和
映画『1917 命をかけた伝令』の作品概要
映画『007 スカイフォール』(12)を手掛けたことで有名なサム・メンデス監督作品。第一次世界大戦の「ある一日」にスポットが当てられており、最前線にいる仲間の兵士1600人を救うために奮闘する伝令役の若い二人の兵士の姿が描かれている。若手俳優のジョージ・マッケイ×ディーン=チャールズ・チャップマンが伝令役の兵士を演じ、ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース、マーク・ストロングなど実力派俳優が脇を固めた。
映画『1917 命をかけた伝令』の予告動画
映画『1917 命をかけた伝令』の登場人物(キャスト)
- ウィリアム・スコフィールド上等兵(ジョージ・マッケイ)
- イギリス軍に所属する若き兵士。トム・ブレイクと共に伝令を任され、仲間を救うために最前線に急ぐ。
- トム・ブレイク上等兵(ディーン=チャールズ・チャップマン)
- イギリス軍に所属する若き兵士。兄のジョセフ・ブレイク中尉も軍に所属しており、最前線で戦っている。
映画『1917 命をかけた伝令』のあらすじ(ネタバレなし)
第一次世界大戦中の1917年4月6日。ドイツ軍はフランス北部の西部戦線から後退を始めた。航空偵察を行っていたイギリスは、それがドイツ軍の罠だと気づく。ドイツ軍は連合国をヒンデンブルク線まで誘導し、攻撃しようとしていた。
イギリス軍は進撃中のデヴォンシャー連隊にその事実を伝えようとした。しかし、野外電話回線が切断されていて伝えることができなかった。そこで、エリンモア将軍は2人の兵士、スコフィールドとブレイクに伝令を頼むことにした。もし伝令が失敗すれば、最前線にいる1600人の味方は攻撃され全員命を落とすことになる。その最前線には、ブレイクの兄の姿もあった。
最前線に行くには、様々な困難と危険を乗り越えなければならなかった。果たして、スコフィールドとブレイクはタイムリミットまでに、伝令を伝えることができるのだろうか。
映画『1917 命をかけた伝令』の感想・評価
臨場感溢れるワンシーン・ワンカット撮影
本作はワンシーン・ワンカットで撮影されている。ワンシーン・ワンカットは一つのシーンを一つのカットのみで表現する方法である。全編がひとつながりのような映像になっており、実際に現場にいるかのように感じられる。この技法を使うことで緊張感や臨場感が増すため、長年映画業界で用いられてきた。日本では「長回し」と言われており、三谷幸喜監督や相米慎二監督が多用している。
ワンシーン・ワンカットで撮影されているため、観客達は実際に兵士達の傍にいるような感覚を得られる。兵士達の焦りや緊迫感など、他の戦争映画では感じることができないリアルな彼らの息遣いを感じることができる。伝令を任されたスコフィールドとブレイクの緊張の一日を体感して欲しい。
第一次世界大戦中の「ある一日」
本作はサム・メンデス監督の祖父であるアルフレッド・メンデスの実体験から着想を得て制作されている。第一次世界大戦はフランス、イギリス、イギリス、アメリカを始めとした連合国軍とドイツを始めとした中央同盟国が繰り広げた大戦である。サム・メンデス監督は若き二人の兵士を中心に、その大戦の「ある一日」を描き出した。
ドイツ軍が後退に見せかけて攻撃を加えようとしていることを知り、イギリス軍のエリンモア将軍は最前線に伝令を派遣することにした。その伝令役に選ばれたのが、二人の若き兵士スコフィールドとブレイクだった。最前線に行くまでの道はとても険しく、仕掛け爆弾などの罠や川などの自然を乗り越えて行かなければいけなかった。しかも、タイムリミットまであと僅かしかなく、スコフィールド達は仲間を救うために走り続けることになった。
これからの活躍が期待される若手俳優
伝令役の一人ウィリアム・スコフィールド上等兵を演じたのは、イギリス出身の俳優ジョージ・マッケイ。映画『パレードへようこそ』(14)や映画『はじまりへの旅』(16)などの話題作に出演しており、これからの活躍が期待される若手俳優である。
もう一人の伝令役トム・ブレイク上等兵を演じたのは、ミステリー・スリラー映画『リピーテッド』(14)で映画デビューを果たしたディーン=チャールズ・チャップマン。人気テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズに出演し、一躍有名になった。
その他に、人気テレビドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』シリーズで主演を務めたベネディクト・カンバーバッチや映画『シングルマン』(09)で主人公のジョージ・ファルコナーを演じたコリン・ファースなど、日本でも人気の俳優が多数出演している。
映画『1917 命をかけた伝令』の公開前に見ておきたい映画
007 スカイフォール
サム・メンデスの代表作。大人気スパイア・クション映画『007』シリーズの23作目で、誕生50周年を記念して制作された。MI6のエージェント、ジェームズ・ボンドの活躍を描いた物語で、本作では上司Mに恨みを持つ元スパイとの戦いが描かれている。「第66回英国アカデミー賞・英国作品賞」を受賞するなど、シリーズの中でも特に評価が高い。
MI6(英国秘密情報部)の諜報員であるジェームズ・ボンドは新人諜報員・イヴと任務に当たり、奪われたパソコンのハードドライブを回収するために犯人を追跡した。ジェームズ・ボンドは犯人のパトリスと列車の上で戦闘になった。イヴはパトリスを狙撃しようとするが、誤ってジェームズ・ボンドを撃ってしまう。パトリスには逃げられ、列車から落ちたジェームズ・ボンドの安否は分からなくなった。
詳細 007 スカイフォール
パレードへようこそ
ジョージ・マッケイの代表作。炭坑労働者を支援しようと奮闘したLGSM(「炭鉱夫支援同性愛者の会」)の活躍を描いた物語。実際に1980年代のイギリスで起きた出来事を元に制作されている。ジョージ・マッケイはLGSM創設メンバーの一人であるジョー・”ブロムリー”・クーパーを演じた。
1984年イギリス・サッチャー政権下。炭鉱閉鎖の危機が訪れた。ストライキが長引いているせいで、炭鉱夫とその家族は生活に困窮していた。バスが壊れ、ガスも止められた。彼らを救うために立ち上がったのは、LGSM(「炭鉱夫支援同性愛者の会」)だった。支援を受けた炭坑町のウェールズの町民達は、ゲイに偏見を持っていた。彼らに対して冷たい態度を取るが、LGSMは支援をやめようとはしなかった。時が経つにつれて町民達の態度は軟化し、歩み寄るようになった。そんな彼らに、更なる危機が訪れようとしていた。
詳細 パレードへようこそ
ハクソー・リッジ
戦争を題材にした作品。人気俳優のメル・ギブソンが監督を務めた。第二次世界大戦の沖縄戦で衛生兵として活躍したデズモンド・T・ドスの実体験を元に制作されている。デズモンドを演じたのは、映画『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでスパイダーマンを演じたことでも有名なアンドリュー・ガーフィールド。
第二次世界大戦末期。ハクソー・リッジの戦いで、戦場の常識を覆す一人の男がいた。その男の名はデズモンド・T・ドス。デズモンドは幼い頃に弟のハルを殴打して負傷させたことがあった。その出来事は、デズモンドに大きな影響を与えた。デズモンドは軍隊に入隊するが、人を殺める武器を持つことを拒んだ。そして、衛生兵として戦地に行くことになる。
詳細 ハクソー・リッジ
映画『1917 命をかけた伝令』の評判・口コミ・レビュー
『1917 命をかけた伝令』超長回しの連続なのに、ダラッとせずキメの画が飛び出しまくる驚愕の映像に目が釘付けの2時間。ド派手な戦闘シーンは少ないけど、下手こけば即死する緊迫感が凄まじく、一瞬も気が抜けない。主人公の背中を追い続ける作りが臨場感を煽る煽る。凄い、これがアカデミーパワー!! pic.twitter.com/KPGYU0jSX8
— 人間食べ食べカエル (@TABECHAUYO) 2020年2月15日
『1917 命をかけた伝令』
戦場の疑似体験。これは”映画鑑賞”なんてレベルじゃない。驚異的な長回しと異次元の音響。緩急、抑揚、間を重視した場面転換の巧みさに鳥肌が立つ。
光と影を強烈に意識させるシーンの数々、その神秘的な映像表現はため息が出るほど美しかった。マジで全方位隙がない傑作。 pic.twitter.com/s4LQXuQvpY
— なまたまご (@Ace_r_kaede) 2020年2月15日
『1917 命をかけた伝令』を観た。
ほぼ全編ワンカットって撮っているんじゃないかってぐらいすごかっか。これは巨大スクリーンでしか味わえないとても贅沢な作品でした。戦場で鳴り響く爆音や銃声、最後まで休み無しの命懸けのリアル伝言ゲーム。これは間違いなくIMAX必見です。 pic.twitter.com/iKxwj1FCaQ— 映画大好きラジーさん (@555godzilla) 2020年2月14日
『1917命をかけた伝令』
(IMAX)
ワンカット映像の体感型映画。
主人公との一心同体感。
没入感が凄く、進行方向が気になりすぎてスクリーンの端ばかり見てしまう。
手ぶらで地獄に放り出された感覚になり、恐怖で2時間肩に力が入る。
こんなに疲労感のある映画は観た事がない。#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/gnooYbu1yk— 川崎 将 (@pjCSfd7O6mPDMNa) 2020年2月14日
『1917 命をかけた伝令』
めちゃくちゃ面白かった。ストーリーは勿論の事、塹壕から顔を出す瞬間や主人公達が道を進むにつれて転がってる死体が英軍兵士からどんどん敵である独軍兵士になっていく演出も凄く良かったです。良い意味で2時間ずっと泥臭い作品。リチャード・マッデンもカッコ良かった…。 pic.twitter.com/1ilKlFTSSS— くたぽでぃ (@Warmachinesaiko) 2020年2月15日
『1917 命をかけた伝令』S.メンデス監督の祖父が語った話が元になっているらしいが、誰かが淀みなく語っているかのような映画話法だと思った。登場人物が移動するたびに生々しく立ち現れる、兵士が蠢く果てしない塹壕、冥界のような戦禍、影の如き敵の襲撃、鉄槌のような爆撃。神の視点なき戦争映画。 pic.twitter.com/qC2kau4wTU
— Kamala (@GumiKamala) 2020年2月14日
映画『1917 命をかけた伝令』のまとめ
「第92回アカデミー賞・最優秀作品賞」にノミネートされた他、「第77回ゴールデングローブ賞・作品賞(ドラマ部門)」や「第77回ゴールデングローブ賞・監督賞」を受賞するなど、高い評価を受けている作品である。ワンシーン・ワンカットで撮られた映像はリアリティに溢れ、爆撃の怖さや狙撃される恐怖などをそのまま体感することができる。アカデミー賞を受賞した経験を持つスタッフが集結しており、細部までこだわりを持って制作されている。
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