主演、アンソニー・ホプキンスで送るスリラー映画『ブレイン・ゲーム』。2015年にアメリカで上映され、2018年10月ついに日本上映決定。超能力者のジョン(アンソニー・ホプキンス)に依頼するのは、殺人事件の犯人逮捕。超能力を駆使しての捜査が有名なアメリカで、ジョンはこれまでに体験したことのない犯人と対峙することに。
映画『ブレイン・ゲーム』の作品情報
- タイトル
- ブレイン・ゲーム
- 原題
- Solace
- 製作年
- 2015年
- 日本公開日
- 2018年10月6日(土)
- 上映時間
- 101分
- ジャンル
- サスペンス
- 監督
- アルフォンソ・ポヤート
- 脚本
- ショーン・ベイリー
テッド・グリフィン - 製作
- ボー・フリン
トーマス・アウグスバーガー
トリップ・ビンソン
マシアス・エムケ - 製作総指揮
- ショーン・ベイリー
ジェイコブ・ペチェニック
ガード・シェパーズ
アンソニー・ホプキンス - キャスト
- アンソニー・ホプキンス
コリン・ファレル
ジェフリー・ディーン・モーガン
アビー・コーニッシュ - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ポニーキャニオン
映画『ブレイン・ゲーム』の作品概要
慰めという意味を持つ『Solace(邦題:ブレイン・ゲーム)』。娘を亡くした超能力者の老人ジョンが、FBIからの捜査協力依頼で殺人事件の犯人を暴くためにその頭脳を駆使するのは、彼への慰めになるのか。『羊たちの沈黙』でアカデミー主演男優賞を獲得したイギリスの名優アンソニー・ホプキンスが、自身をも上回る能力を持つ超能力者に裁きの鉄槌を下す。ジョンと敵対するのは、ハリー・ポッターシリーズのスピンオフ作品『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』でも出演しているコリン・ファレルが務める。
映画『ブレイン・ゲーム』の予告動画
映画『ブレイン・ゲーム』の登場人物(キャスト)
- ジョン・クランシー博士(アンソニー・ホプキンス)
- 超能力を携える医師。元はFBIで働いていたが、今は現役を退いている。娘を亡くして以来、あまり人との接触を持たない。
- チャールズ・アンブローズ(コリン・ファレル)
- 連続殺人事件の犯人で、優れた予知能力を持つジョンの超能力を凌駕する。
- ジョー・メリーウェザー捜査官(ジェフリー・ディーン・モーガン)
- FBIの捜査官で、連続殺人事件の捜査を担当するが、行き詰まり元同僚のジョンに助けを求める。
- キャサリン・コウルズ捜査官(アビー・コーニッシュ)
- ジョーの相棒捜査官。ジョーが全面的にジョン博士を信頼しているのとは対照的に、超能力に懐疑的。
映画『ブレイン・ゲーム』のあらすじ(ネタバレなし)
不可解な連続殺人事件がFBI捜査官の頭を悩ませる。町に蔓延る「悪」の存在、しかしその僅かな片鱗さえ掴めないでいる。FBI捜査官のジョー・メリーウェザーは、相棒のキャサリン捜査官の返事も待たず、とある人物に捜査の協力を依頼する。
現れたのは、白髪の初老の男性。元FBI捜査官であったジョン・クランシー博士は、殺人現場に訪れ、超能力で犯人を探る。容疑者として浮上してきた男は、ジョン博士と同じく予知能力を携えた超能力者であることが判明、2人の頭脳戦が幕を上げる。
超能力は犯人である男の方が上だとジョン博士は言う。どちらが先に相手を見つけ、この追いかけっこに終止符を打つのか。未来を先に呼んだ方が勝ちの、デスマッチ。敵を出し抜き、仲間を欺き、超能力者VS超能力者の戦いは、思わぬ展開を迎える。
映画『ブレイン・ゲーム』の感想・評価
超能力者VS超能力者
捜査協力するジョン・クランシー博士は予知能力を携えているが、彼が追う犯人チャールズ・アンブローズもまた、類稀な予知能力の持ち主。その力は、ジョン博士よりも強く鮮明で、より正確に未来を予見する。
FBI捜査官のジョー・メリーウェザーからすれば、ジョン博士の現場投入は言わば最後の砦。にもかかわらず、ジョン博士をも凌ぐ力を持つ犯人が現れたとあり、事件は更なる修羅場を迎えることになる。
クランシー博士とアンブローズ、未来のヴィジョンをより鮮明に見、そしてより正確に読み解いた方が相手を出し抜く結果となる。深く深く、殺人鬼の脳に潜り未来を予見する。自らの力を上回る相手に、クランシー博士の立ち回りが映画の結末を左右する。
振り回されながらも使命を全うするFBI
自分たちの行動が筒抜け状態の相手に立ち向かうには、相手を凌ぐ発想の奇抜さを持たなければ勝てない。それはアニメの世界で言えば、ルパン三世などはその代表と言え、常に警察やICPOを出し抜き、その発想は実にユニークで視聴者に驚きと興奮を与えてくれる。
だが、それはあくまでもフィクション、ファンタジーであるからこそ楽しめるのであって、実際にそんな犯罪者がいたら警察はもとよりFBIの捜査も難航し、更に被害に遭う一般市民は恐怖のどん底に落とされるだろう。
FBIは、必ずこの事件を解決しなければならない。そして、捜査協力を買って出たクランシー博士も、同じくその使命を負う。犯罪者が何者であろうと、その犯罪者の思考を深く理解し、犯罪者を上回り正義を見せつけなければならないのだ。
超能力者と現実主義者
ジョン・クランシー博士を召喚するにあたり、FBI捜査官のジョー・メリーウェザーは全面的な信頼を寄せているが、その相棒キャサリン・コウルズ捜査官は、初対面早々にクランシー博士の超能力を否定する。
しかし、博士も博士でそんな批判は何のそのというように飄々としている。キャサリンからしたらクランシー博士は、目に見えない力にかこつけて適当なことを言う怪しい老人でしかないが、人間嫌いなクランシー博士にすれば娘ほどの年齢差のキャサリン捜査官に何を言われても動じることはないだろう。
その証拠に、クランシー博士は現場に着くや否や犯人の痕跡を挙げていく。オカルトなどに頼って捜査していると、日本では批評の対象となりえるが、自由の国アメリカだからこそともいえる。難しい事件に直面し、信用ならない相手と組まなければ犯人を追い詰められない現状が、キャサリン捜査官に困惑を与えるが、最終的にクランシー博士とキャサリン捜査官が和解するのかどうかも気になるところだ。
映画『ブレイン・ゲーム』の公開前に見ておきたい映画
羊たちの沈黙
1991年劇場公開以降、その映画の名を知らない人に出会ったことがない程有名になったサイコ・サスペンスホラー映画の代名詞。この映画以降、「サイコパス」などの言葉が日本でも頻繁に使われるようになった印象を受ける。
主演・ジョディ・フォスター演じる優秀なFBI訓練生クラリス・スターリングは、連続誘拐殺人事件の捜査スタッフとして任命される。クラリスは、アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクター博士に事件について見解を聞こうと面談する。優秀な精神科医であるはずのレクター博士は、異常犯罪者として収監されている。医者という立場からは想像もつかないやり方で、レクター博士は患者を次々と死に追いやり、投獄されていた。
アンソニー・ホプキンスと言えば、不気味に笑うレクター博士のイメージが定着した決定作。人を陥れる巧みな話術に、異常者特有の雰囲気を醸し出す絶対的な演技力は、約30年経った今でも色あせることはない。何なら『羊たちの沈黙』を視聴後『ハンニバル』『レッド・アイ』も続けて見て欲しい。
詳細 羊たちの沈黙
マイティ・ソー
アメリカの人気コミック「マーベル」シリーズ『マイティ・ソー』の実写映画。2011年に公開上映され、世界興行収入4億ドルの大ヒットとなったヒーロー作品。後に『マイティ・ソー ダーク・ワールド』『マイティ・ソー バトルロイヤル』と続く。更に、マーベルコミックのヒーローが集うアベンジャーズにも登場するほどの人気ぶり。
北欧神話に登場する神々をモチーフとしたヒーロー作品で、当時駆け出しの俳優だったクリス・ヘムズワース演じる主人公ソーの父親役、オーディンを演じたのがアンソニー・ホプキンスだ。
全知全能の神オーディンは、寿命を優に1000年を超え人々から尊敬され強い忠誠心を集めるが、息子のソーとロキの2人とは関係がうまくいかない。物語の終盤では、ロキを失うがソーが精神的に大きく成長したことに父親としての喜びを露わにする。
サイコ・スリラー映画で異常者を演じていたアンソニー・ホプキンスが、人々から崇められる神を演じるのは、あまりにも対照的であり、同時に畏怖される存在感がレクター博士を彷彿とさせる。こちらも多くのシリーズが出ているので、興味のある人はぜひすべての鑑賞をお勧めする。
詳細 マイティ・ソー
トータル・リコール
アーノルド・シュワルツェネッガー主演で、1990年に上映されたフィリップ・K・ディック原作のSF作品。その映画を、更に原作寄りに映像化されたものが、2012年にコリン・ファレル主演で映画化。
戦争を経て荒廃化した世界で、コリン・ファレル演じる主人公クエイドは、工場労働者として貧しいながらも美しい妻と一緒に生活する。だが、変わることのない日常に僅かな退屈を感じたとき、クエイドは“リコール社”と出会い、真実の記憶を手にする。
妻と対立する立場となり、自分が何者なのか真実を追い求めて町中を奔走し、迫りくる敵と戦う。いじられ書き換えられた自分の記憶と、自分の周りにいる人たちの言葉を頼りに、クエイドは本当の自分を取り戻す。誰を信じて誰の言葉に耳を傾ければ良いのか、一瞬のすきも許さない一触即発の戦いに、目が離せなくなる。
詳細 トータル・リコール
映画『ブレイン・ゲーム』の評判・口コミ・レビュー
「ブレイン・ゲーム」
超能力者のアンソニー・ホプキンスに見える少し先の映像がどれも不穏で、どうなるの?!とどきどき。今さらながらに未見の「羊たちの沈黙」を観たくなってしまったよね。おじいちゃんホプキンスの追跡、カークラッシュなど応援せざるをえない… https://t.co/uY983KvS0H— しろちさ (@shirochisa) 2018年10月8日
『ブレイン・ゲーム』@新宿武蔵野館。アンソニー・ホプキンス主演のサイコ・スリラーと言えば観客が”あのキャラクター”のイメージに引っ張られることも織込み済み。『トゥー・ラビッツ』の監督だけに、過剰なギミック満載のストーリーテリングで否応なしに翻弄する。情報を仕入れずに観て正解だった。
— とおる (@furutoh) 2018年10月8日
「ブレイン・ゲーム」アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレル競演のスリラー。FBI捜査官から連続殺人事件の捜査に協力を求められた、人並み外れた予知能力を持つ博士が、その容疑者が自分以上の能力を持っていることに気づき、さあどうなってゆくのか。#kuriman #jolf #radiko #cinema #映画
— くり万太郎 (@kuriman1242) 2018年10月7日
映画館での今年86本目の映画として『ブレイン・ゲーム』鑑賞。『セブン』っぽく始まり、徐々に超能力先読みバトルの比重が大きくなります。出演者A級、物語B級のサスペンスものですが、映像がカッコよく展開もなかなかの面白さ。観終わった後には意外に重いものを渡されたような気分になる映画でした。 pic.twitter.com/fyjPRxBlcQ
— tetu (@tetutetu1962) 2018年10月7日
『ブレイン・ゲーム』
エグゼクティブプロデューサーはアンソニー・ホプキンズ。たぶん原作に掘れて演じたかったんだろうな。カット映像に好き嫌いはあると思うけれど主な登場人物の四人の人物設定がしっかりしていて最後まで楽しめた。しかしコリン・ファレルは、何故にこういう役が多いのかなぁー💨— 猫 (@ryoukitekineko) 2018年10月7日
『ブレイン・ゲーム』あの「セブン」の続編になる筈だった脚本で製作されたミステリー。深遠な闇へ堕ちていくが如く、心が侵蝕される様なシナリオ。虚実、過去と未来が入り乱れる卓越した映像表現。A.ホプキンスは世界一、博士の称号が似合うわ。 https://t.co/BBk6FqykQi
— Monsieur おむすび (@Pooh_kuru_san) 2018年10月7日
映画『ブレイン・ゲーム』のまとめ
サスペンス界の帝王アンソニー・ホプキンスが、新たな心理頭脳戦に挑み、猟奇殺人事件の全貌を暴く。ハンニバル・レクター博士で一躍有名になり、その実力はハリウッドでも折り紙付きな名優が繰り広げる頭脳戦だけあって、ストーリーにも注目が集まる。本作の制作陣には、脚本にショーン・ベイリー、テッド・グリフィンなどのベテランから、監督のアフォンソ・ポイアルチは、若く才能に溢れるブラジル人の秀才。確かな実力者たちで製作される映画に、期待以外の感想は持ちえない。
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