ニコライ2世はマリインスキー・バレエ団の舞台を観賞した。そこで活躍している世界的プリマ、マチルダ・クシェシンスカヤに心を奪われる。2人は愛し合うようになるが、ニコライ2世には婚約者がいた。
映画『マチルダ 禁断の恋』の作品情報
- タイトル
- マチルダ 禁断の恋
- 原題
- Mathilde
- 製作年
- 2017年
- 日本公開日
- 2018年12月8日(土)
- 上映時間
- 108分
- ジャンル
- ラブストーリー
- 監督
- アレクセイ・ウチーチェリ
- 脚本
- アレクセイ・ウチーチェリ
- 製作
- アレクセイ・ウチーチェリ
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- ラース・アイディンガー
ミハリナ・オルシャンスカ
ダニーラ・コズロフスキー
ルイーゼ・ボルフラム
トーマス・オスターマイアー
インゲボルガ・ダプクナイテ - 製作国
- ロシア
- 配給
- シンカ
映画『マチルダ 禁断の恋』の作品概要
実在した人物、最後のロシア皇帝ニコライ2世とマチルダ・クシェシンスカヤの禁断の愛を描いた作品。ペルミ・オペラ・バレエ団の首席振付師、アレクセイ・ミロシニチェンコが監修を行っており、作品内のバレエの場面が美しく表現されている。歴史的な建造物とユニークなセットを使い、撮影が行われている。ニコライ2世とマチルダの切ない恋の行方が気になるのはもちろんのこと、絵画のような幻想的な背景に目を奪われる作品である。
映画『マチルダ 禁断の恋』の予告動画
映画『マチルダ 禁断の恋』の登場人物(キャスト)
- ニコライ2世(ラース・アイディンガー)
- ロシア皇帝の次期継承者。アリックスと婚約関係にある。マチルダの美しさに目を奪われ、恋に落ちる。
- マチルダ・クシェシンスカヤ(ミハリナ・オルシャンスカ)
- マリインスキー・バレエ団に所属するバレリーナ。美貌と実力を兼ね備えた人物。
- ボロンツォフ(ダニーラ・コズロフスキー)
- マチルダに一方的に思いを寄せている。
- アリックス(ルイーゼ・ボルフラム)
- ヘンセン大公女。ニコライ2世の婚約者。マチルダの存在に激しく嫉妬する。
映画『マチルダ 禁断の恋』のあらすじ(ネタバレなし)
ロシア皇帝の次期継承者、ニコライ2世。彼はマリインスキー・バレエ団の舞台を観賞した。そこで、世界的なプリマとして活躍するマチルダ・クシェシンスカヤに目を奪われる。ニコライ2世は一度だけの関係としてマチルダをベッドの上に誘った。だが、マチルダはニコライ2世に、自分のことをきっと忘れられなくなると告げた。マチルダは男達を狂わす美しい女性だった。
ニコライ2世には婚約者がいたが、彼自身はマチルダにすっかり心を奪われていた。しかし、母から婚約者であるアリックスと結婚することを強要される。アリックス自身もニコライ2世と結婚することを望んでおり、マチルダに彼を明け渡す気はなかった。マチルダとニコライ2世はお互い思い合っていながらも、引き裂かれることになる。
映画『マチルダ 禁断の恋』の感想・評価
実話を元にした物語
ロシア皇帝ニコライ2世は実在の人物で、バレリーナのマチルダ・クシェシンスカヤと愛人関係にあった。だが、実際のニコライ2世は映画版とは違い、アリックスとの結婚を望んでおり日記に彼女と結婚するのが夢だと綴るほどだった。ニコライ2世はアリックスと結婚した後、5人の子供を設けている。
マチルダは皇帝アレクサンドル3世と皇后のお膳立てで、ニコライ2世の愛人になる。2人の関係は約2年間続いた。しかし、ニコライ2世の父が亡くなったことと、アリックスとニコライ2世が結婚したことで2人の関係に終止符が打たれることになる。その時、彼女がニコライ2世に対してどんな思いを抱いていたのかは定かではないが、世間からの悪評や醜聞に苦しめられるようになる。
マリインスキー・バレエ団
マチルダが所属していたマリインスキー・バレエ団は、1740年代に設立された由緒あるバレエ団である。世界5大バレエ団の1つで、その中でも最高峰だと言われている。ロシアのサンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場を拠点としている。「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」、「白鳥の湖」はこのバレエ団から生まれ、現在でも多くのバレリーナが踊っている。
マチルダはバレエ団の中でも一二を争うほど人気が高く、実力を兼ね備えた人物だった。彼女はロシアで初めて「プリマ・バレリーナ・アッソルータ」になった。「プリマ・バレリーナ・アッソルータ」とはバレリーナの最高位の称号で、この肩書が贈られるのは非常に珍しいことである。
豪華な衣装と素晴らしい舞台
19世紀のファッションが再現されており、王家の宝飾品には美しいダイヤモンドがふんだんに使われている。衣装デザインを担当したのは、ナジェージダ・ワシリョーワである。ナジェージダは「ニカ賞(ロシア版アカデミー賞)、デザイン賞」や「ゴールデン・イーグル賞、デザイン賞」を受賞した経歴を持つ。
エカテリーナ宮殿やマリインスキー劇場など、現存する建物が撮影で使われている。エカテリーナ宮殿は政界文化遺産に登録されている場所で、ロシア国民にとっても大切な場所である。
登場人物達の心情やストーリーも気になるところだが、豪華な衣装と美しい建物はそれだけで見応えがある。1度目はストーリーを、2度目は衣装や細部までじっくり見たくなるような映画である。
映画『マチルダ 禁断の恋』の公開前に見ておきたい映画
ゆれる人魚
ミハリナ・オルシャンスカの代表作。ポーランドの女性監督、アグニェシュカ・スモチンスカの長編映画デビュー作品。1980年代のポーランドが物語の舞台になっており、肉食人魚姉妹の人生が描かれている。ミハリナは人魚の1人であるゴールデンを演じている。ジャンルはコメディ×ホラー×ミュージカル。
シルバーとゴールデンの姉妹は、ワルシャワのナイトクラブを訪れた。彼女達はそこで歌手として雇ってもらった。実は、彼女達は人魚の姉妹だった。妹のシルバーは人間の男性に恋をした。だが、姉のゴールデンは人間を食べていた。シルバーは愛する人の傍にいるため、人間になりたいと願うようになる。それは、人間への恋が叶わなければ海の泡になる、危険な行為だった。
詳細 ゆれる人魚
ブルーム・オブ・イエスタディ
ラース・アイディンガーの代表作。「ホロコースト」をユーモアを交えて描いた作品。「ホロコースト」とは、ナチス・ドイツがユダヤ人などに対して行った大虐殺のことである。クリス・クラウス監督は未来の若者達のために、過去を嘆くのではなく未来に希望を見出すような作品を作ろうという思いを込めて映画を制作している。
トトはナチスの戦犯を祖父に持ち、「ホロコースト」の研究に人生を捧げていた。ある日、ナチスの犠牲者を祖母に持つザジが研修生としてやって来る。加害者と被害者、立場の違う「ホロコースト」研究者が出会った。2人は「アウシュヴィッツ会議」を欠席すると言い出したホロコースト生還者の女性を説得するため、奔走することになる。
ノッティングヒルの恋人
ラブストーリー映画。ジュリア・ロバーツ×ヒュー・グラントが共演した作品で、1999年に公開からされから現在まで高い支持を集め続けている人気作。ロジャー・ミッシェルが監督を、リチャード・カーティスが脚本を務めている。リチャードはテレビシリーズの『Mr.ビーン』や映画『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)の脚本を担当した人物である。
バツイチのウィリアム・タッカーは、ノッティング・ヒルで書店を営んでいた。店は赤字続きで、生活するのも大変だった。ある日、その店に美しい女性がやって来る。その女性はハリウッド女優のアナ・スコットだった。ウィリアムとアナはひょんなことから親しくなり、ウィリアムは妹の誕生日会にアナを誘った。
詳細 ノッティングヒルの恋人
映画『マチルダ 禁断の恋』の評判・口コミ・レビュー
『マチルダ 禁断の恋』(https://t.co/55It8xT4pC)を観ました。
若きニコライ2世とバレリーナ、マチルダのロマンスです。
とにかく美しい! 戴冠式からバレエの舞台へ繋がる最初の10分で夢中になりました。
圧巻のバレエシーンと炎、水、スローモーションを多用した画面に恋できる映画でした。 pic.twitter.com/C1GblzHK7p— シトウ (@katsuji_dokubou) 2018年12月9日
#映画『マチルダ 禁断の恋』鑑賞。間断ない映像的な見せ場と、その合間には衣装やセットの絢爛豪華さに陶酔してしまうシーンの数々。CGなどによるごまかしのない、これほど本格的な映画はめったに観られるものではないと思います。(続く #マチルダ禁断の恋
— 山尾 保 (@tw_yamao) 2018年12月9日
『マチルダ 禁断の恋の恋』婚約者のいる次期皇帝と、宮廷に仕える花形バレエ団のトップアイドルとの情熱的な不倫劇を、ドラマチックで大胆な逢瀬描写と滑らかで絶妙にスリリングな語り口で描いた本作は、不倫劇特有の薄暗さや背徳感とは無縁で、清々しい程に艶やかに燃え上がる恋情で満ち満ちている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月9日
『マチルダ 禁断の恋』を初日舞台挨拶付上映にて鑑賞。映画は実話ながら、数奇な展開が面白く、映像の美しさ、官能的なマチルダの魅力、ロシア帝国時代の皇室の内情など、非常に楽しく見れました。ラストがあっけなく終わるのが少し残念。
評価:★★★★☆4.3 pic.twitter.com/k9X31r5XND
— JOKER (@JOKER_0501) 2018年12月9日
「マチルダ 禁断の恋」鑑賞。
素晴らしい👏まずは主演のミハリーナ・オルシャンスカに拍手を贈りたい。素晴らしい演技でした。淡々と進んでいくストーリー、1800年代のロシアの時代背景、文句なしのバレエ、全てにおいて美しい作品でした。これが実話だと思うと鳥肌が立ちます。エンディング完璧。 pic.twitter.com/z4YQ2jA3NF— しんのすけ (@ogt_tm) 2018年12月8日
映画『マチルダ 禁断の恋』のまとめ
ヒロインを演じたミハリナ・オルシャンスカがとても美しく、ニコライ2世を虜にしたマチルダの役にピッタリと合っている。ミハリナの視線の鋭さが印象的で、バレエ団の中でトップを走っているという自負が感じられる。さらに、ニコライ2世の戴冠式には多くのエキストラが参加しており、迫力がある場面になっている。光の入り具合が絶妙で、厳かな空気が伝わってくる。どのシーンも本当に美しく、細部までこだわって映画が制作されたのが分かる作品である。
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