誕生日の前日、アカネは叔母のチィが営む骨董屋を訪れた。すると、地下から大錬金術師のヒポクラテスが現れた。アカネはピポクラテスと弟子のピポから、「ワンダーランド」を救って欲しいと頼まれる。
映画『バースデー・ワンダーランド』の作品情報
- タイトル
- バースデー・ワンダーランド
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年4月26日(金)
- 上映時間
- 115分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
アドベンチャー
アニメ - 監督
- 原恵一
- 脚本
- 丸尾みほ
- 製作
- 山本真
藤田浩幸
岩上敦宏
池田宏之
森田圭
森下勝司
竹枝義典
本多史典
長南佳志 - 製作総指揮
- 種田義彦
- キャスト
- 松岡茉優
杏
麻生久美子
東山奈央
藤原啓治
矢島晶子
市村正親 - 製作国
- 日本
- 配給
- ワーナー・ブラザース映画
映画『バースデー・ワンダーランド』の作品概要
『百日紅 Miss HOKUSAI』(15)や『カラフル』(10)などのアニメーション作品を手がけ、世界35以上の映画賞を受賞している原恵一が監督を務めた作品。ロシア出身の新進気鋭のイラストレーター、イリヤ・クブシノブがキャラクターデザインを担当している。不思議な世界「ワンダーランド」を舞台に、自分に自信がなく内気な女の子・アカネの活躍する姿が描かれている。そのアカネの声は、人気女優・松岡茉優が担当している。
映画『バースデー・ワンダーランド』の予告動画
映画『バースデー・ワンダーランド』の登場人物(キャスト)
- アカネ(松岡茉優)
- 小学生。自分に自信がなく、内気な女の子。「ワンダーランド」という世界を救う救世主。
- チィ(杏)
- アカネの叔母。骨董屋を営んでいる。アカネとは対照的で、明るくハキハキした女性。
- ピポ(東山奈央)
- ピポクラテスの弟子。小人。明るく優しい人物。頭の回転が早い。「ワンダーランド」の世界でアカネ達の手助けを行う。
- ザン・グ(藤原啓治)
- 「ワンダーランド」の世界を荒らしている。ゴロツキ。命の源の水が沸く井戸の破壊を目論む。
- ドロポ(矢島晶子)
- ザン・グの仲間。人の姿を変える魔法を扱えるが、失敗してばかりいる。ピポとは知り合い。
- ヒポクラテス(市村正親)
- 大錬金術師。アカネを「ワンダーランド」の世界に連れていく。少し尊大なところがある。
映画『バースデー・ワンダーランド』のあらすじ(ネタバレなし)
小学生のアカネは自分に自信がない女の子だった。誕生日の前日、叔母チィの骨董屋を訪れた。すると、絨毯の下にある地下室の扉から、ヒポクラテスという男性が現れた。ピポクラテスは大錬金術師だった。アカネとチィは突然現れたピポクラテスの存在に困惑する。
ヒポクラテスと弟子のピポは、アカネにこの世界を救って欲しいと頼んだ。世界から色がどんどん失われているのだ。これはあなたに課せられた宿命だと言われるが、アカネにはすぐに受け入れることができなかった。
アカネとチィはヒポクラテス達に無理矢理連れていかれ、「ワンダーランド」に辿り着いた。そこには、地球にはいない不思議な動物達がたくさんいた。アカネはチィ達と共にワンダーランドの世界を巡った。彼女は最後にどのような決断を下すのか?
映画『バースデー・ワンダーランド』の感想・評価
大人も楽しめるアニメ作りの天才・原恵一監督
原恵一は『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』(01)を始めとした数々の「クレヨンしんちゃんシリーズ」に携わってきた人物である。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』はDVD発売のCMに阿部寛が起用されるなど、大人も楽しめる作品であることを強調してプロモーションが行われた。
また、原監督の作品は、国内だけの人気に留まらない。『百日紅 Miss HOKUSAI』(15)ではフランスの「2015年アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門・審査員賞」をしたり、『カラフル』(10)では韓国の「第4回ソウル国際家族映像祝祭外国映画部門・観客賞」を受賞したりしている。全ての作品を合わせると、世界35以上の映画賞を受賞していることになる。そんな原監督が手掛けた本作は、本格的な感動エンターテインメント作品に仕上がっている。
豪華な声優陣
主役のアカネの声を担当したのは、女優、タレント、ナレーターとマルチな才能を見せる松岡茉優である。松岡は『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』(16)や『聲の形』(16)で声優に挑戦している。満を持して、本作で初めて主役に挑戦することになった。
内気なアカネとは対照的な叔母のチィを演じるのは、老若男女問わず人気が高い女優の杏である。杏は原監督作品の『百日紅 Miss HOKUSAI』で主役の声を担当しており、タッグを組むのは本作で二度目となった。
その他にも、初代野原しんのすけの声を担当していた声優の矢島晶子、初代野原ひろしの声を担当していた声優の藤原啓治、映画やドラマだけでなく舞台での活躍も目覚ましい俳優の市村正親など、各業種の第一線で活躍している人達が集結して登場人物達の声を担当している。
地球とはまた一味違う不思議な世界
物語の舞台になっているのは、地球とは異なる不思議な世界「ワンダーランド」である。巨大な鳥や現実の羊の何倍も毛がふかふかな羊など、見る物全てが新しく楽しい作品となっている。現実の世界では見ることができないワンダーランドならではの世界は、子供だけでなく大人もワクワクすること間違いない。
そんなワンダーランドの世界を、アカネとチィが駆け巡る。背景や動物達に負けないぐらい、アカネ達の可愛く表情豊かな姿は観客の視線を掴んで離さない。アカネ達キャラクターのデザインを担当したのは、ロシア出身で日本在住のイラストレーター、イリヤ・クブシノブである。2016年に発売した画集『MOMENTARY』が大ヒットを記録するなど、国内外問わず注目を集めている人物である。
映画『バースデー・ワンダーランド』の公開前に見ておきたい映画
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲
原恵一の代表作。監督・脚本・絵コンテを担当している。『クレヨンしんちゃんシリーズ』の第9作品目に当たり、15億円の興行収入を得ている。本作ではクレヨンしんちゃんの父、野原ひろしの子供時代が登場する。ゲスト声優として、小堺一機と関根勤が本人役で登場する。
野原一家は「20世紀博」を訪れた。両親はアトラクションを楽しみ、子供達は子供部屋に預けられた。野原夫妻を始めとした大人達は、異常に「20世紀博」を楽しんでいた。子供達はそのことに疑問を抱き始めるが、これと言った対策は思い浮かばなかった。そんな時、大人達がオート三輪に乗って行方を眩ませてしまう。果たして大人達はどこに行ってしまったのか!?残された子供達は一体どうなるのだろうか!?
詳細 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲
万引き家族
松岡茉優の代表作。松岡は主人公の妻の妹役を演じた。「第28回 東京スポーツ映画大賞・助演女優賞」や「第42回日本アカデミー賞・優秀助演女優賞」など数々の賞を受賞している。『万引き家族』は日本国内だけに留まらず、国外からも高い評価を受けた。「第71回 カンヌ国際映画祭・コンペティション部門・パルムドール」や「第44回 ロサンゼルス映画批評家協会賞・外国語映画賞」などを受賞している。
都会の片隅で暮らす5人の家族。彼らの稼業は「犯罪」だった。柴田治は息子の翔太と力を合わせ、万引きを行っていた。そんなある日、団地の廊下で、寒さで震えている少女を見つける。治は少女を連れて帰った。家族は文句を言いながらも、少女を受け入れた。少女は次第に心を開いていき、治達と「家族」になった。
詳細 万引き家族
百日紅 Miss HOKUSAI
杏が声優を務めた作品。主人公のお栄の声を担当している。1980年代に『漫画サンデー』で連載されていた杉浦日向子原作の漫画、『百日紅』を元に制作されている。監督を務めたのは、原恵一。『サザエさん』や『ドラえもん』など、国民的アニメの脚本を経験している丸尾みほが脚本を執筆した。椎名林檎の『最果てが見たい』が主題歌として起用されている。
お栄の父は浮世絵師の葛飾北斎だった。お栄は父に習い、浮世絵師として生計を立てていた。だが、北斎はお栄のことを半人前だと厳しく評価した。お栄は絵師としての才能は確かにあったが、恋に不器用だったため春画に関しては色気がない絵しか描けなかった。お栄は悩み落ち込むときがあっても、筆を置くことはなかった。
映画『バースデー・ワンダーランド』の評判・口コミ・レビュー
#バースデーワンダーランド クレしんの原恵一監督作品。異世界に連れられた少女アカネの冒険ファンタジーだけど、興味本意で付き添った自由人のおねいさん(叔母)・チィが魅力的だったゾ。ファンタジー世界ではっちゃける大人は観てて楽しい。杏さんの声も良かった。このジャンルで大人主人公観たいなあ pic.twitter.com/iRPLRG5tME
— チェキロ (@check_row) 2019年4月27日
『バースデー ワンダーランド』観た。世界を救うとかそう言う大層な話じゃなくて、お姉さんと女子小学生の年の差コンビと妖精のショタと髭が世界各地の美しい景色を眺めるロードムービーで、眠気を誘う丁寧でスローリーな展開と独特な間、リアル過ぎて不気味な筋肉の動きと可愛い猫と羊。
オススメ? pic.twitter.com/aGHrpS8CnT— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2019年4月27日
#バースデーワンダーランド @イオンシネマ港北NT
温かみの鮮やかな映像に驚嘆。美しい世界に心奪われたアカネの想い、観る人も共有です。そしてワクワクの劇伴に素朴な言葉、優しい世界が広がります。
素直な物語…ふわりと夢の世界に包まれる感覚が美味しいな。夢ある少年少女に、疲れた大人にも。 pic.twitter.com/CwtJzsUtWY— たたた (@gfxk181) 2019年4月27日
映画のバースデーワンダーランド🎞見てきたよ😊💕💖
笑えるわけでもなく泣けるわけでもなくただ淡々と物語は進み終わるけど見終わった後に不思議と肩の荷が降りる感じ。
便利になって忘れがちな大切なこと毎日に追われて視野が狭くなって疲れてる人、臆病で前に進む勇気がない人にはオススメ🌠 pic.twitter.com/1ZmGZD69ZT— たまご🥚(黄身🍳) (@zkv_tc) 2019年4月26日
バースデー・ワンダーランド、みた。小学生のアカネが地下室から異世界の冒険へと飛び出す。児童文学のアニメ化。よく言えば王道ファンタジー、悪く言えば寄せ集め。キャラデザも世界観もストーリーも見たことある内容。着地点はよかったけれど。原恵一監督の名前でハードルを上げすぎたか。 pic.twitter.com/IhXMBroSmk
— じゅぺ (@silverlinings63) 2019年4月27日
バースデーワンダーランド、これ最高に面白かったです、正直絵柄が好みではないかなとあまり期待してなかったんですけど、人生の大切なことが全てこの映画に詰まっているなと感じました、ご家族でもデートでも単独でもゴールデンウィークに見る映画は迷ったらこれで間違いないです! pic.twitter.com/iP2JGcMBJs
— 梓猫@小説家になろう (@jedo13) 2019年4月26日
映画『バースデー・ワンダーランド』のまとめ
現実の世界の羊よりもふわふわな羊の上に寝転ぶアカネとチィや2人の目の前を悠々と泳ぐ巨大な鯉など、全てが目新しく「ワンダーランド(不思議な世界)」の名にふさわしい驚きに満ちた世界が物語の舞台になっている。カラフルな世界観は、子供達はもちろんのこと、大人達も楽しめる作品になっている。新人シンガーソングライターのmiletが主題歌を担当している。彼女の美しい伸びやかな歌声は、感動と驚きに満ちた世界観にピッタリと合っている。
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