人々を恐怖に陥れ続けてきたジョン・カーペンター監督の名作『ハロウィン』の続編が今春、スクリーンに登場する。1978年に公開された物語から40年後、事件は思わぬ方向へ動き出す。『IT/イット それが見えたら、終わり。』に続く大ヒット作品に、絶叫不可避。
映画『ハロウィン』の作品情報
- タイトル
- ハロウィン
- 原題
- Halloween
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2019年4月12日(金)
- 上映時間
- 106分
- ジャンル
- ホラー
サスペンス - 監督
- デビッド・ゴードン・グリーン
- 脚本
- ジェフ・フラッドリー
ダニー・マクブライド
デビッド・ゴードン・グリーン - 製作
- マレク・アッカド
ジェイソン・ブラム
ビル・ブロック - 製作総指揮
- ジョン・カーペンター
ジェイミー・リー・カーティス
ダニー・マクブライド
デビッド・ゴードン・グリーン
ライアン・フレイマン - キャスト
- ジェイミー・リー・カーティス
ジュディ・グリア
アンディ・マティチャック
ウィル・パットン
バージニア・ガードナー
ニック・キャッスル - 製作国
- アメリカ
- 配給
- パルコ
映画『ハロウィン』の作品概要
全世界を震撼させた、ホラー映画界の金字塔『ハロウィン』。1978年に初公開されて以降、今日に至るまでに8作品のシリーズ化となり、現在でも根強い人気を持つ作品である。そして、初公開から40年経った2018年、ついに『ハロウィン』が現代に蘇る。初代の監督ジョン・カーペンター氏が製作総指揮と音楽に名を連ね、『セルフィッシュ・サマー』の監督デビッド・ゴードン・グリーン監督がメガホンを取る。更に、初代『ハロウィン』にローリー役で登場したジェイミー・リー・カーティスが再びローリーとして登場するなど、見どころ満載の続編である。
映画『ハロウィン』の予告動画
映画『ハロウィン』の登場人物(キャスト)
- ローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス)
- 40年前のハロウィンに、殺されかけたトラウマを持つ女性。以降、毎年ハロウィンには過敏となる。
- カレン(ジュディ・クリア)
- ローリーの娘で、現在は母親のローリーとは離れて暮らし、交流も疎遠となっている。息子のアリソンと共に暮らしている。
- マイケル・マイヤーズ(ニック・キャッスル)
- 40年前にローリーを襲った、殺人鬼こと“ブギーマン”。事件について一切語ろうとせず、ハロウィン前夜精神病棟の輸送車から脱走する。
映画『ハロウィン』のあらすじ(ネタバレなし)
重く、苦しいトラウマとずっと戦い、可能な限り“普通”の日常生活を送っている女性・ローリー。しかし、彼女には分かっていた。いつか必ず“ヤツ”が再び自分の元へ戻ってくると。あの、凍てつくような恐怖の夜が、再び訪れることをローリーは予見していた。
40年前、1人の男が女子高校生の命を狙って、凄惨な事件を起こす。男の名はマイケル・マイヤーズ。世間では“ブギーマン”呼ばれ、恐れられている存在である。そんな男が起こした40年前の事件について、2人のジャーナリストが追っていた。
しかし、ブギーマンは40年前の事件について口を開かない。そのため、動機は不明。無表情さからは彼が何を考えているのかを読み取ることもできない。誰もが、真相は永遠に闇の中に潜んだままなのだと思っていた。
そんなとき、マイケル・マイヤーズの収容されている精神病棟から、強固な刑務所へと護送するハロウィン前夜に事件は起きる。恐怖の象徴の男、ブギーマンことマイケル・マイヤーズが、再び世に放たれてしまった。そして、ハロウィンの夜。ブギーマンは再びローリーの前に姿を現す。
映画『ハロウィン』の感想・評価
40年越しの再会
『ハロウィン』の続編で、ブギーマンとローリーが対峙する物語はいくつも存在している。また、続編の中でブギーマンとローリーは何度もお互いを殺し殺されているが、そのたびに生き延びており、別の形で次作に登場している。
だが、今回の『ハロウィン』は、40年前の1978年に公開された第1作品目の純粋な続編として位置づけられている。そのため、ブギーマンことマイケル・マイヤーズも年を取り、狙われていたローリー・ストロードも、女子高校生から初老の女性まで成長している。
更に、これまで『ハロウィン』でたびたび登場していたローリーの子供であるジェイミー・ロイドや、ジョン・テイトなどは登場しない。その代わり、新しい娘役であるカレンと、ローリーの孫にあたるアリソンが登場する。
恐らく、『ハロウィン』ファンには当然知られている設定かもしれないが、ローリーとマイケル・マイヤーズは実の兄妹で、マイケルが血縁者ばかりを狙っていることも周知の事実。そのため、今回はローリーと血の繋がりのある娘と孫が狙われる。
世界にたった2人だけの兄と妹は、お互いの再会に対して冷静に、慎重に、40年という長い年月の隙間を埋めようとする。
再び紡がれる「Halloween Theme」
シリーズの生みの親である第1作品目の監督・ジョン・カーペンター氏は、今作でキャラクター原案を手掛け、更に製作総指揮と音楽担当に名を連ねている。『ハロウィン』が恐怖映画の象徴となり得たのは、音楽の貢献も大きい。この映画には欠かすことのできない大きな要素で、通称「Halloween Theme」と呼ばれているテーマソングは、カーペンター氏自らの作曲で、その後のシリーズにはアレンジを加えられながらも必ず登場している。
それだけ魅力的な音楽が、この映画を最凶のホラースプラッター映画にしたのだ。まだ、技術も映像も確立されていなかった1978年時の第1作品目が、ここまで続いたのも偏にこの曲があったからだと言っても過言ではない。
2018年の『ハロウィン』では、そんな名曲を生み出したカーペンター氏が、自ら音楽担当に名を連ね、その手腕をいかんなく発揮する。カーペンター氏が『ハロウィン』の製作に関わるのは、『ハロウィンⅢ』以来のことなので、ファンの中では期待が高まるばかりである。
映画『ハロウィン』の公開前に見ておきたい映画
ハロウィン(1978)
2018年版の『ハロウィン』を鑑賞するなら、まずはこの映画を見ておきたい。2018年版の製作総指揮と音楽を担当するジョン・カーペンター監督が生み出した、奇跡のホラー映画『ハロウィン』である。
ホラー映画を代表するスプラッター映画と位置付けられているこの映画は、32万ドル(3千5百万円)の低予算にも関わらず、その140倍以上もの興行収入を記録した。現代の美しい映像技術や特殊メイク技術に慣れ親しんだ現代人からすると、1978年の『ハロウィン』は流血や惨殺などのシーンが物足りないかもしれない。
しかし、それが40年の時を経て更なる進化を遂げるのだと思えば、その原点を振り返りたくなるのは必至。また、40年間決して動機を明かすことなく、無表情のまま沈黙し続けたマイケル・マイヤーズの心境が、原点回帰によって考察できるかもしれない。
40年前のマイケル・マイヤーズは、まだ若干21歳と若く、今回登場するローリーも女子高校生とまだ年端もいかない少女である。血を分けた兄と妹の間に、何があればこんな凄惨な事件が起きるのか。そして、それが40年経つ今になっても固執されたままなのか。彼らの関係性をぜひ押さえておいて欲しい。
詳細 ハロウィン(1978)
トゥルーライズ
1978年の『ハロウィン』や、その続編にもたびたび登場し、2018年版の『ハロウィン』にも主人公のローリー役として登場するジェイミー・リー・カーティスの作品である。監督はジェームズ・キャメロンが担当し、主演はアーノルド・シュワルツェネッガーが登場するなど、豪華なアクション映画である。更に、制作公開された1994年当時、製作に1億ドルをかけた最初の作品と言われている。
ジェイミーは、この映画でアーノルド・シュワルツェネッガー演じる主人公ハリー・タスカーの妻役を演じている。物語は、コンピューターのセールスマンであるハリーが、実は大統領直属の国家保安組織「オメガ・セクター」の所属スパイだと言うところから始まる。
テロリストと命のやり取りをする、まるでスーパーマンのようなハリーだが、彼には悩みがあった。それは、妻のヘレンが、男と密会の約束をする場面であった。これは不倫だと思い込み、ハリーは思い悩む。
結局、それは誤解だと分かったものの、ヘレンは「日常生活」につまらなさを感じており、ハリーはヘレンにスパイ任務の疑似体験をさせることとなった。妻のために良かれと思ってした行動だったが、これが思わぬ事態を招いてしまう。国家と家族を、愛で繋ぐ男の物語である。
詳細 トゥルーライズ
ブギーマン
『ハロウィン』シリーズの2作品目で、2018年版『ハロウィン』と同様、1作品目の直接の続編として公開された。正式な原題は『ハロウィンⅡ』であるが、日本題では『ブギーマン』と訳されている。
1作品のジョン・カーペンター監督が今作では製作と脚本を担当し、前作に続いてジェイミー・リー・カーティスがローリー役を演じる。また、6作品目までマイケル・マイヤーズと2大主役として活躍していた、マイケルを追う精神科医サム・ルーミス医師も登場している。ルーミス医師役のドナルド・プレザンスが心不全で亡くなるまで、『ハロウィン』はマイケルとルーミス医師が追う者と追われる者として、観客を楽しませていた。
物語は、前作の『ハロウィン』が終わったその夜から続いている。マイケルによって負傷したローリーが、秘密裏に病院に運ばれるも、マイケルがローリーを追って病院に現れ、再び殺人を繰り返すというストーリー。この回で、マイケルとローリーが血を分けた実の兄妹だと言うことが公開される。
ルーミス医師によって、銃で撃たれるマイケルだが、2018年版の『ハロウィン』予告であるように、マイケルは銃で何度撃っても蘇る。まるで不死の体を持つ不思議な存在である。そんな存在に命を狙われたローリーが、どうやって生き延びたのか、衝撃のストーリーをぜひ見ておいていただきたい。
詳細 ブギーマン
映画『ハロウィン』の評判・口コミ・レビュー
『ハロウィン』観た。ヒロインが理不尽に化け物に襲われて、反撃を試みるもバットエンド気味に終わるホラーの定番をぶち壊し、化け物VS武装ババアという新機軸と、この映画このシーンやりたかっただけだろwという100000点のシーンがあって満足度の化身。 pic.twitter.com/rhRiaH7os1
— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) 2019年4月13日
『ハロウィン』鑑賞。40年ぶりに現れた殺人鬼「ブギーマン」の恐怖を描いたデヴィッド・ゴードン・グリーン監督作品。『GANTZ』、『ザ・プレデター』などの住宅街を舞台とした映画フリークとしてはたまらないものがあった。ジェイミー・リー・カーティス演じるローリーのサラ・コナー化も最高。 pic.twitter.com/uNPhhoD5vJ
— だよしぃ (@purity_hair) 2019年4月13日
『ハロウィン』
リアルから来る恐怖を、観るもの全てに与える。
人間は血に恐怖を覚える生き物だが、血よりも恐い何か本質的な恐怖が本作にはある。人間が生まれ持つ人の業。それがこの映画自体に染み付いているのかもしれない。闇夜に浮かぶ白いマスク。
これが恐い。恐いのだ。 pic.twitter.com/7TsKSyeNyG— ムービーメン (@j8P4w6fyilskyXu) 2019年4月13日
「#ハロウィン」
無口で巨漢で剛腕な殺人鬼、マイケルマイヤーズがハロウィンの夜に惨殺しまくり完全復活で🔪1作目の正当な続編。テーマ曲かかれば否応がにもテンアゲになる。1作目をリスペクトしたシーンも有りつつ、ワンカット2軒連続殺人シーンやわかり易い死亡フラグの立ち方にはニヤニヤした😏 pic.twitter.com/QnsktM44YG— 零@映画垢🎬🐳 (@silentwater04) 2019年4月12日
『#ハロウィン』鑑賞🎃🔪
予期せぬ傑作だった!あのテーマ曲のOPタイトルから鳥肌!1作目のオマージュにあふれより続編として完璧。40年経ってもブギーマンの衰えを感じずより強くグロく狂気的で怖さが増した。特にマスクつけるシーンは最高すぎた。今年の映画トップ10入りは確実!とにかく観て!!! pic.twitter.com/C7obpZjslT— けんた (@pulp_8) 2019年4月13日
映画『ハロウィン』のまとめ
2018年10月19日にアメリカで封切られた『ハロウィン』は、2週連続で週末ランキングの首位を獲得するほどの人気ぶりを見せる。1978年版と同じくローリーを演じたカーティスを、製作総指揮のカーペンター氏は「神からの授かりもので、ハロウィンに適した役であることは間違いない」と称賛する。オリジナルの『ハロウィン』を見ている人なら分かるだろうが、1978年のローリーは女子高校生で、降りかかる恐怖から逃げるしかなかった。だが、今度のローリーは、来る日のために準備し、決して逃げ出さず銃を持って立ち向かう強い女性に成長している。2人の戦いは、これから始まろうとしているのだ。
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