新婚時代にポリオが原因で首から下が麻痺してしまったロビンは、妻のダイアナや友人たちの深い愛情に支えられ、世界一幸せな男として人生を謳歌する。本作のプロデューサーが両親の実話を映画化した笑顔あふれる感動のヒューマンドラマ。
映画『ブレス しあわせの呼吸』の作品情報
- タイトル
- ブレス しあわせの呼吸
- 原題
- Breathe
- 製作年
- 2017年
- 日本公開日
- 2018年9月7日(金)
- 上映時間
- 118分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
伝記 - 監督
- アンディ・サーキス
- 脚本
- ウィリアム・ニコルソン
- 製作
- ジョナサン・カヴェンディッシュ
- 製作総指揮
- フィル・ロバートソン
クリスティーン・ランガン
ジョー・オッペンハイマー
ティム・ハスラム
ヒューゴ・グランバー
クローディア・ブリュームフーバー
イアン・ハッチソン
フローリアン・ダーゲル
アイリーン・ゴール
ジェームズ・スプリング
ラリー・タウベ
ナターシャ・ワートン - キャスト
- アンドリュー・ガーフィールド
クレア・フォイ
トム・ホランダー
スティーブン・マンガン
ディーン=チャールズ・チャップマン
ハリー・マーカス
ペニー・ダウニー
ヒュー・ボネビル - 製作国
- イギリス
- 配給
- KADOKAWA
映画『ブレス しあわせの呼吸』の作品概要
世界中で大ヒットした『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)や『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(07)を手がけた名プロデューサーのジョナサン・カヴェンディッシュが、長年、温めてきた自分の両親の実話を映画化した。この作品で商業映画監督デビューを果たすのは『ロード・オブ・ザ・リング』(01)のゴムラ役や『キング・コング』(05)などでモーションキャプチャを務めてきた俳優のアンディ・サーキス。主人公のロビン役には、『ソーシャル・ネットワーク』(10)や『ハクソー・リッジ』(16)での演技が高く評価されたアンドリュー・ガーフィールドがキャスティングされている。
映画『ブレス しあわせの呼吸』の予告動画
映画『ブレス しあわせの呼吸』の登場人物(キャスト)
- ロビン・カヴェンディッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)
- 新婚時代、出張先のナイロビでポリオに感染し、首から下が麻痺してしまう。人工呼吸器なしでは呼吸もできず、余命数カ月の宣告を受けるが、ダイアナや友人たちの献身的な愛に支えられ、持ち前のバイタリティで不可能を可能に変えていく。
- ダイアナ(クレア・フォイ)
- ロビンの妻。絶望するロビンを励まし、医師の反対を押し切って、彼の自宅介護に挑戦する。ロビンの発病後に息子を出産し、子育てと夫の介護に全力を注ぐ。明るくて強い女性。
映画『ブレス しあわせの呼吸』のあらすじ(ネタバレなし)
1959年、運命的な出会いを経て恋に落ち、みんなから祝福されて結婚したロビンとダイアナは、幸福な新婚生活を送っていた。第一子を妊娠したダイアナは、この幸福がずっと続くものだと信じていた。その矢先、ロビンが出張先のナイロビでポリオに感染し、首から下が完全に麻痺した状態になってしまう。ロビンは人工呼吸器がなければ息もできなくなり、医師からは余命数ヶ月と宣告される。ロビンは絶望し、生きる気力を失う。しかし、ダイアナは、生まれてきた息子のためにも前向きに生きて欲しいと願い、医師の反対を押し切って、ロビンの自宅介護に踏み切る。
自宅に戻れたことでロビンも本来の明るさを取り戻し、自分なりの人生を楽しもうと考えるようになる。ロビンは友人と共同で人工呼吸器付きの車椅子を作り、ベッドから外へと飛び出していく。その後も、ダイアナや友人たちの深い愛情に支えられ、ロビンは次々と新しいことに挑戦していくのだった。
映画『ブレス しあわせの呼吸』の感想・評価
無償の愛が持つ可能性
主人公のロビンは、愛するダイアナと結婚して幸せの絶頂にいた時、ポリオに感染して首から下が完全に麻痺してしまった。自発呼吸もできなくなり、人工呼吸器を外せば2分で死んでしまうという重篤な状態になる。28歳のロビンが絶望し、「こんな姿で生きていたくない、自分のことは見捨ててくれ」とダイアナに告げたのも仕方のないことだろう。しかし、ダイアナは「あなたが生きてくれているだけで、私たちは幸せなのよ」という姿勢を貫く。そして、ロビンの生きる気力を取り戻すため、医師の反対を押し切って、自宅での介護を実行する。このダイアナの強い愛が、ロビンを蘇らせる。例え、不自由な体になったとしても、そこまで自分を愛し、必要としてくれる人がいたら、人は幸福に生きられるだろう。ロビンとダイアナの物語は、無償の愛が持つ可能性を私たちに教えてくれる。
愛し合う両親のもとで育ったジョナサン・カヴェンディッシュ
そんなロビンとダイアナの愛の結晶が、本作のプロデューサーのジョナサン・カヴェンディッシュだ。ジョナサンは1959年2月4日生まれなので、ロビンが全身麻痺になったのは、今から約60年前ということになる。当時の医学では、ロビンのようになったら余命は数ヶ月だと言われており、医師が自宅介護に反対したのも当然と言える。生まれたばかりのジョナサンの子育てとロビンの介護は大変だったと思うが、ダイアナはそれを成し遂げた。ロビンも持ち前の明るさを取り戻し、友人と人工呼吸器付きの車椅子を開発して、積極的に外出し始める。ジョナサンが物心ついた頃には、両親はいつも笑顔で人生を楽しみ、あちこちへ出かけていたらしい。そんな両親の姿を見て育ったジョナサンは、オックスフォード大学を卒業後、映画製作の世界に入り、プロデューサーとして『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)を大ヒットさせる。両親が心から愛し合い、笑顔で人生を楽しんでいれば、子供は自然と生きる喜びを知り、愛のある人生を歩む。この映画には、そんなメッセージが込められているのではないだろうか。
ロビンを演じるアンドリュー・ガーフィールド
主人公のロビンを演じるのは、親しみやすい笑顔が魅力のアンドリュー・ガーフィールド。ガーフィールドは、3歳の時にアメリカからイギリスへ移住し、高校卒業後に演劇学校「セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ」で本格的に演技を学んでいる。この学校は、『恋におちたシェイクスピア』(99)でアカデミー助演女優賞を受賞したジュディ・デンチや『スター・ウォーズ・シリーズ』のレイア姫役で知られるキャリー・フィッシャーなどなど、数多くの名優・名女優を輩出してきた名門として知られており、ガーフィールドもここでしっかりと演技の修行を積んだ。その甲斐あって、デビュー直後から、その演技力が高く評価され、『ハクソー・リッジ』(16)ではアカデミー主演男優賞にノミネートされた。今回も役作りのために、本物のダイアナやロビンの友人たちと時間を過ごし、ロビンという人物を深く理解することに努めている。ガーフィールドの演じるロビンは、明るい笑顔で私たちを幸せな気持ちにしてくれることだろう。
映画『ブレス しあわせの呼吸』の公開前に見ておきたい映画
最強のふたり
事故で首から下が麻痺してしまい、車椅子生活を送っている大富豪のフィリップ(フランク・クリュゼ)は、失業保険目当てで面接に来た黒人青年のドリス(オマール・シー)を住み込みの介護人に雇う。堅物のフィリップは、飾り気のないドリスの性格を気に入り、2人の間には立場を超えた友情が芽生えていく。
不慮の事故で頚椎を損傷し、首から下が動かなくなってしまった主人公とスラム育ちの陽気な黒人青年が出会い、友情を育んでいく物語は、本国のフランスのみならず、日本でも大ヒットを記録した。このハートフルなヒューマンドラマも実在の人物をモデルにしている。フィリップは大豪邸に住む大金持ちだが、ドリスと会うまでは退屈で虚しい日々を送っていた。ほとんどの人は、フィリップのような障害のある人に同情し、必要以上に気を使うものだが、ドリスは全く遠慮しない。それがフィリップの救いになる。物語もとてもわかりやすくて、2人の会話も心地いい。素直に「人間っていいよね」と思える作品になっている。
詳細 最強のふたり
最高の人生の見つけ方
実業家で大金持ちのエドワード(ジャック・ニコルソン)と自動車修理工のカーター(モーガン・フリーマン)は、ガン病棟で同室となり、親交を深めていく。共に余命6ヶ月を宣告された2人は、棺桶に入る前にやっておきたいことのリストを作り、人生最後の冒険旅行へと出発する。
名優ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した明るいヒューマンドラマで、人生の終わりにこんな出会いと冒険があれば、どんなに素敵だろうと思わせてくれる。エドワードは、やりたい放題に生きてきた代償に家族を失い、自分を殺して生きてきたカーターは、愛する家族の束縛にストレスを感じている。そんな2人が意気投合し、やってみたかったことを実現していきながら、これまでの人生と向き合っていく。自分の運命を受け入れて心が解放された時、人生はキラキラと輝き始める。その喜びを共有できる友人や家族がいたら、これほど幸せなことはない。それに気づくのに、遅すぎるということはないのだということを、この映画は教えてくれる。
詳細 最高の人生の見つけ方
セント・オブ・ウーマン 夢の香り
奨学金で名門の私立高校に通っている苦学生のチャーリー(クリス・オドネル)は、感謝祭の週末、アルバイトで全盲の元軍人フランク(アル・パチーノ)の世話をすることになる。フランクは、なぜかチャーリーをニューヨークに連れ出し、自分の計画の手助けをさせようとする。
全盲の元軍人を演じたアル・パーチーは、この作品で念願のオスカー像を手にした。フランクは軍人だった頃に爆発で視力を失い、退役後は姪一家の世話になりながら孤独な生活を送っている。性格は非常に気難しく、『フルメタル・ジャケット』(87)のハートマン軍曹並みに口も悪い。しかし、心優しいチャーリーのことは気に入り、2人は少しずつ信頼関係を築いていく。タイトルから、甘い恋愛映画と勘違いしている人も多いようだが、この作品は、出会いの大切さと男同士の友情を描いた熱いヒューマンドラマだ。物語の内容は『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』(97)や『小説家を見つけたら』(00)に近いかもしれない。とにかく、アル・パチーノの圧倒的な演技は一見の価値あり。
映画『ブレス しあわせの呼吸』の評判・口コミ・レビュー
「ブレス しあわせの呼吸」観ました。よかった。人工呼吸器がないと生きられない体になってしまった男が、病院を出て人生を楽しんだ話。もちろん、お金や周りの人に恵まれたからこそできたことではあるけど、見ていて前向きな気持ちになれる。アンドリューガーフィールドの豊かな表情がいい。
— じゃりんこ (@jarinkocafe) 2018年9月8日
[ブレス しあわせの呼吸]
病気の話だから、かなり暗めな作風かと思いきや、前向きで希望に溢れた映画で生きる活力を貰えるような…!どんな困難も前向きな方向に導いていく、主人公たち家族の温かさと愛に包み込まれた😢 pic.twitter.com/yD3wsOM0OY— りいあ (@YeahMovie) 2018年9月8日
ブレスしあわせの呼吸鑑賞。
泣けた‥思い出すとまた泣けてくる。
でも御涙頂戴的ではなくユーモアもあって素敵な作品だった。
アンドリューガーフィールドとクレアフォイ自然だけど滲み出る演技が良かったし他のキャストも味があって良かった。
ほんと観れて良かったな。
また観たい!— Kumi (@k_s_45556) 2018年9月8日
『ブレス しあわせの呼吸』
評価…95点/100点
すごくポジティブになれる映画で、とても感動した。生きることの素晴らしさ、描き方が良かった。主演のアンドリューガーフィールドの演技が素晴らしかった。 pic.twitter.com/rVAdPmVYDu— ひろっぴ@映画・ゲーム・キンシオ (@nicodou1027) 2018年9月8日
『ブレス しあわせの呼吸』障害者物というと暗く重くなりがちだが、本作には光や希望、笑いや優しさ、ポジティブさが溢れていて、観ていると勇気や力が湧いてくる。目的を持って生きる主人公や、それを支える家族や友人の物語が胸や目頭を熱くする。 https://t.co/4ND0uamGvV
— 矢口晶一 (@tamagawajyousui) 2018年9月8日
映画『ブレス しあわせの呼吸』のまとめ
医師に余命数ヶ月と宣告されたロビンは、それから36年も生きて、人生を全うした。不自由な体になったことは不幸な出来事だったかもしれないが、ロビンはその運命を前向きに受け入れ、「自分は世界一幸せな男だ」と言い切れる人生を歩んだ。ダイアナにとっても、愛するロビンの笑顔を見ることが最高の喜びだったはずで、ロビンの言葉にはダイアナへの愛と感謝の気持ちが詰まっている。自分のパートナーが人生の終わりに「世界一幸せだった」と言ってくれたら、これほど幸せなことはない。愛する人と豊かな人生を歩みたいと願っている人は、ロビンとダイアナの実話から、そのコツを学んで欲しい。
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