ネイサン・ガードナーは他界した祖父から屋敷を相続したのをきっかけに、家族と共に田舎町に引っ越した。平穏な日々を送っていたある日、不気味な隕石が庭に落下する。それから、ガードナー一家の周囲で不穏な出来事が起こる。
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』の作品情報
- タイトル
- カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇
- 原題
- Color Out of Space
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2020年7月31日(金)
- 上映時間
- 111分
- ジャンル
- SF
ホラー - 監督
- リチャード・スタンリー
- 脚本
- リチャード・スタンリー
スカーレット・アマリス - 製作
- ダニエル・ノア
ジョシュ・C・ウォーラー
リサ・ホウェイレン
イライジャ・ウッド - 製作総指揮
- ステイシー・ジョーゲンセン
マイケル・M・マクガイア
アニー・チャン
ジョニー・チャン
ピーター・ウォン
ティムール・ベクボスノブ
エマ・リー - キャスト
- ニコラス・ケイジ
ジョエリー・リチャードソン
マデリン・アーサー
ブレンダン・マイヤー
ジュリアン・ヒリアード
エリオット・ナイト
ジョシュ・C・ウォーラー
クオリアンカ・キルヒャー - 製作国
- ポルトガル、アメリカ、マレーシア合作
- 配給
- ファインフィルムズ
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』の作品概要
H・P・ラヴクラフト原作のSF小説『The Color Out of Space(宇宙からの色/異次元の色彩)』を元に制作された作品。不思議な隕石の落下を機に巻き起こる不気味な出来事が描かれている。主演を務めたのは、日本でも人気のハリウッド俳優ニコラス・ケイジ。ジョエリー・リチャードソン、マデリン・アーサー、ブレンダン・マイヤー、ジュリアン・ヒリアードらが脇を固めている。コアな人気を集めている映画『ハードウェア』を手掛けたリチャード・スタンリーがメガホンを取った。
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』の予告動画
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』の登場人物(キャスト)
- ネイサン・ガードナー(ニコラス・ケイジ)
- 家族と共に田舎町に引っ越す。そこで、畑を耕し、平穏な日々を送る。
- テレサ・ガードナー(ジョエリー・リチャードソン)
- ネイサンの妻。癌を患っている。ネイサンとの間に三人の子供がいる。
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』のあらすじ(ネタバレなし)
ネイサン・ガードナーは他界した祖父から、田舎町にある屋敷を相続した。これを機に、家族と共に大都会から引っ越すことを決める。田舎町で畑を耕し家畜を育てながら、平穏で幸せな日々を送る。ある夜、ピンク色のような光を放ち、隕石が落下する。翌朝、ネイサン達は隕石を確認するが、光は失われており消滅してしまう。
その日から、ガードナー家の周囲で不気味なことが起こる。庭には植えた覚えのない鮮やかな色の植物が生え、突然変異した昆虫が見つかる。さらに、息子のジャックが「自分に話しかけている」と言って井戸を気にしだした。ジャックに話しかけている「何か」は、井戸の中にいるらしい。
妻のテレサは夕飯の準備をしている途中、怪我を負ってしまう。少しずつ、ガードナー一家の正気が失われようとしていた。一体、隕石の正体は何なのか?ガードナー一家の平穏な日々は戻ってくるのだろうか?
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』の感想・評価
H・P・ラヴクラフト原作のSF小説を実写映画化!
H・P・ラヴクラフト原作のSF小説『The Color Out of Space(宇宙からの色/異次元の色彩)』を元に制作された作品。原作の小説は1927年に発売されたSF雑誌『アメージング・ストーリーズ』に掲載された短編小説である。
主人公のネイサン・ガードナーは家族と共に田舎町に引っ越した。畑を耕し家畜を育てながら生活する日々は、とても穏やかで幸せなものだった。だが、その幸福は長くは続かなかった。庭に不思議な色を放つ隕石が落下する。そのことをきっかけに、ガードナー一家の周囲で不気味な出来事が起こるようになる。さらに、ガードナー一家の精神が徐々に狂い始める。隕石の正体は一体何なのか、ガードナー一家の身に何が起きたのか。狂気と波乱に満ちた物語が描かれている。
ハリウッド俳優、ニコラス・ケイジ主演作品
主人公のネイサン・ガードナーを演じたのは、日本でも人気があるハリウッド俳優ニコラス・ケイジ。不思議な隕石の落下を機に不気味な出来事に翻弄される男性を演じており、今までとはまた一味違ったニコラス・ケイジの演技が楽しめる。
ネイサンの妻であるテレサ役を務めたのは、人気ドラマ『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』にレギュラー出演していたジョエリー・リチャードソン。長女ラヴィニア役は映画『ビッグ・アイズ』(15)に出演して大きな注目を集めたマデリン・アーサー。
その他に、映画『妖精ファイター』(10)に出演したブレンダン・マイヤーやイギリスのテレビドラマ『シンドバッド』で主演を務めたエリオット・ナイトなど、豪華な俳優達が脇を固めている。
異彩を放つリチャード・スタンリー監督作品
本作のメガホンを取ったのは、ミュージックビデオやドキュメンタリー作品も手掛けている映画監督のリチャード・スタンリー。今まで、荒廃した近未来の世界を描いたSF映画『ハードウェア』(1991)や猟奇殺人事件を描いたホラー映画『ダスト・デビル』(1992)など、異彩を放つ作品を世に送り出してきた。
本作は「トロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部門」でプレミア上映された後、一般公開された。作品だけでなくニコラス・ケイジの演技も高く評価されており、多くの観客の心を魅了する結果となった。ピンク色のような強烈な色彩を放つ隕石がガードナー一家の身にどんな影響を及ぼしたのか、ドキドキハラハラしながら最後まで楽しんで欲しい。
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』の公開前に見ておきたい映画
ハードウェア
リチャード・スタンリーの代表作で、監督&脚本を担当している。近未来の荒廃した地球が舞台になったSF作品。イギリス出身の映画音楽作曲家であるサイモン・ボスウェルが、劇中音楽を手掛けている。ステイシー・トラビス、ディラン・マクダーモット、ジョン・リンチらが共演した。
核戦争によって地球は荒廃した。ノーマッドは屑鉄ディーラーとして生計を立てていた。ある日、砂漠の中からロボットの一部を見つける。ノーマッドはロボットの頭部を恋人のジルにプレゼントし、残りを闇市の売人であるモーに売り払った。喜んだジルは、ロボットの頭部を使って芸術作品の制作に勤しんだ。実は、そのロボットの残骸は、戦争のために開発されたロボット兵器「マーク13」の一部だった。
詳細 ハードウェア
アダプテーション
ニコラス・ケイジの代表作で、「第75回アカデミー賞・主演男優賞」にノミネートされている。脚本家であるチャーリー・カウフマンの実体験から着想を得て制作されている。ニコラス・ケイジは主人公のチャーリー・カウフマンと双子の弟のドナルド・カウフマンの二役を演じた。(ちなみに、ドナルドは実在の人物ではない。)
チャーリー・カウフマンは自分に自信がなく、マイナス思考の持ち主だった。しかし、映画『マルコヴィッチの穴』の脚本を手掛け、一躍有名になる。次の仕事は、記者のスーザン・オーリアンが手掛けた本『蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界』を脚色することだった。チャーリーは真面目に仕事に取り組んでいたが、思うように筆が進まなかった。そんな中、双子の弟のドナルドが、自分も脚本家になると言い出す。
詳細 アダプテーション
レッド・スパロー
ジョエリー・リチャードソンの代表作。ジェニファー・ローレンスが主演を務めており、バレリーナからロシアの諜報機関の諜報員に転身した女性・ドミニカ・エゴロワを演じた。ジョエリー・リチャードソンは主人公の母のニーナを演じた。映画『コンスタンティン』(05)を手掛けたことで有名なフランシス・ローレンスがメガホンを取った。
ドミニカはバレリーナとして活躍していたが、足に怪我を負ってしまい舞台に立つことができなくなる。ある日のこと、叔父のワーニャが訪ねて来て、怪我の原因が仕組まれたものであることを教えられる。怒ったドミニカは、怪我の原因である事故を仕組んだ二人を襲撃した。ドミニカには病を患う母がおり、今すぐ纏まったお金が必要だった。ドミニカはワーニャの話に乗り、ある仕事を行う。
詳細 レッド・スパロー
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』の評判・口コミ・レビュー
『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』
目的などない。ただ圧倒的な隔たりだけがある!そんな埋めようない未知なる他者に弄ばれる家族。隕石と共に放たれた色は水や空気に紛れ中枢神経にコンタクトw神か悪魔か、もはや対処不可能な攻撃は易々とタブーも侵してくる。そしてニコケイ壊れるw面白い! pic.twitter.com/X5tVwng1w5— コーディー (@_co_dy) August 1, 2020
『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』鑑賞
予告編からほのかにB級の香りが…
ワクワクで公開を待ってました好きです!
期待通りの軽いB級感を保ちつつドッカーンとやってくれました、ニコケイ!
カオスなケイジに少し笑ってしまいました
不気味でグロもありですが、家族愛を感じる映画
満足です pic.twitter.com/B3Bwwihzq9— yokito (@yogini_yokito) July 31, 2020
『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』鑑賞。宇宙からの色で心が、物質が、時空が、人知の及ばぬ方向に歪んで捻じ曲がってゆく。80年代90年代のカルトSFのようだと途中まで思ってたけど、終盤の展開は凄まじい。度肝を抜かれた。ニコラス・ケイジはやっぱり素晴らしい役者。唯一無二のホラーです。
— Uレモン (@UIheuyo) August 1, 2020
『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』ラヴクラフト原作の実写化として出色の出来。後半の暴力的な色と音は映画館で見るととんでもないです。それにしてもSpectreVision制作の作品は個性と独自性がマジで凄くて感心してしまう。 pic.twitter.com/7UFH93TYs1
— アンザイ (@anzaioden) July 31, 2020
『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』原作ファンとして正直、観る前は期待半分不安半分…いや不安のが大きかったんだけど…で、始めのうちは微妙にコレジャナイ感あったりしたんだけど、途中からグイグイ引き込まれるし原作リスペクトと再解釈見事だし終わってみればめっちゃ良かった。
— 矢野健太郎 (@yanoja) August 1, 2020
映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』のまとめ
H・P・ラヴクラフト原作のSF小説『The Color Out of Space(宇宙からの色/異次元の色彩)』を元に制作された作品。庭に不思議な隕石が落下して以降、ガードナー一家の周囲で不気味な出来事が起きるようになる。ピンク色のような強烈な光が物語のキーになっており、恐ろしい「何か(地球外生命体)」の存在が描かれている。ゾクッとする恐怖とドキドキハラハラする物語の展開が楽しめる作品で、大人向けのSFホラー映画となっている。本作での演技が高く評価されているニコラス・ケイジにも注目しながら、手に汗握る物語を楽しんで欲しい。
みんなの感想・レビュー
初日初回を観て参りました。原作者H・P・ラヴクラフト氏の著作をかなり古くから読んでいたので期待しての観賞となります。冒頭のナレーションは、原作翻訳の内容で暗く、じめじめとした重苦しい雰囲気を伝えていていい感じです。
舞台は現代にアレンジされているようで主人公が相続した屋敷にはPCもあるし、登場人物の手にはもれなくスマートフォンがあります。まさに現代ですね。
しかし、庭に落下した隕石と思われる物体がやってきてから異変が起こります。
「現代」を象徴する機器の動作不良。郊外での生活が成立するためには外部とのコミュニケーションが確保されていることが不可欠です。しかし、それらのコミュニケーションを保証してくれるはずのネット、TV、スマートフォンは役に立ちません。
異変により精神的な平穏さを失い動揺してゆく家族に対し、必要以上に気丈に振る舞うケイジお父さん。ケイジお父さんは家長であることのプレッシャーにより他の誰よりも壊れてしまっています。未知の来訪者による人智の及ばぬ恐怖・・よりは、こうして壊れてしまった人の言動の方が余程怖いんだよ~な演出は成功していると思います。ラストのケイジお父さんの狂気はGoodでーす。原作的雰囲気は結構再現出来ているのではないかと思っていますが、もう少し引き込まれる演出が欲しい気もします。
ケイジ元気でヨカッタ。