見た目9等身?チェシャ猫の様な奇妙キテレツなハンサム・ガイ。ジム・キャリーが出演するオススメ映画は体当たりコメディ映画だけじゃなかった。コメディからシリアスまでオススメ5選徹底解剖。
ジム・キャリーが出演するおすすめ映画5選
ジム・キャリーは、’62年1月生まれ(54歳)。
カナダ・オンタリオ州ジャクソンポイント生まれ。
15歳でトロントのコメディ・クラブの舞台に立ち、舞台経験を積んだ後、19歳でサンセット通りの『ミッチー・。ショアー・コメディ・ストアー』に出演して人気を博した。
その後は、『ザ・トゥナイト・ショー』、『The Duck Factory』、『イン・リビング・カラー』など、多くのコメディ番組にテレビ出演を経て、’84年に映画デビューした。
しかし『マスク』やペット探偵役で御馴染みの『エース・ベンチュラ』がヒットする’94年まで泣かず飛ばずという悲惨なキャリアを送る。
その間の出演作で、マニアの間で唯一の作品と言われているドラマが『ジム・キャリーinロングウェイホーム』というTVドラマだそうだ。
私生活では、’87年にメリッサ・ウォーマーと結婚し、娘ジェーンをもうけるが、’96年に離婚。
’97年に女優ローレン・ホリーと結婚するものの、8ヶ月で別れている。
その後は女優のジェニー・マッカーシーと事実婚だったそうだが、これも’10年に別れている。
去年までのお相手は、28歳の女優キャソリオーナ・ホワイトだったが、自殺と、伴侶に恵まれていない。
娘ジェーン曰く、「役柄ではオトボケやサービスをするパパだけど、家に変えると、気難しいシェイクスピアになる。」というのが本音な様だ。
ライアーライアー
注目ポイント&見所
黒に近い灰色でも白に塗り替えてしま詭弁弁護士フレッチャー(ジム・キャリー)は、女上司ミランダ(アマンダ・ドノホー)から、悪魔もそっぽむく様な依頼をチラつかせられる。
7回も浮気して離婚訴訟を起こされている、見下げた女、サマンサ(ジェニファー・ティエリー)の弁護及び、財産の受け取り裁判だった。
結婚前に浮気が原因で離婚した場合財産を放棄するという書類にサインをしているのに財産が欲しいという業突く張りの女性の弁護は誰も引き受けない。
フレッチャーは昇進目当てで引き受けた。
そんな彼でも、ウソをつかない相手がいるとすれば息子のマックス(ジャスティン・クーパー)だった。
フレッチャーのウソつきぶりに愛想をつかして出て行った妻オードリー(モーラ・タイニー)と復縁したいのも半分はマックスに逢いたいから。
そんな元妻や息子の心もつゆ知らず、面会日もすっぽかし、仕事を優先し、息子の誕生日も忘れてしまう。
マックスは父親に誕生日をすっぽかされた哀しみから、バースデーケーキに向かってつぶやいた。
『パパが、ウソをつきませんように…』
翌朝、フレッチャーは、ウソがつけない体質になっていたフレッチャーは裁判で四苦八苦して追い込まれる羽目になる…。
ウソがつけないフレッチャーを、体当たり演技で演じるジムが見もの。
サマンサを勝利に導く意外な勝因要素や、裁判に勝ったからといって満足できないフレッチャーが法廷侮辱罪にかけられるシーンも面白い。
何でもかんでも、ウソで固めて成功してきた主人公が、エレベーターの中でやったオナラでさえ『オレがやったんだ』と言ってしまうシーンは痛快。
ウソをあまりにもつかなさすぎる難しさも教えてくれる。
詳細 ライアーライアー
イエスマン YESは人生のパスワード
注目ポイント&見所
地方銀行の融資担当窓口に居るカール(ジム・キャリー)の口癖はNO。
そうした方が、人生やりやすい案件、上司、付き合いしか周囲にいないという結果、合理的に、やりすごすには、NO!しか出てこなくなったのだ。
電話は着信拒否、お誘い拒否、ローン申請用紙には『却下』のハンコ。
妻ステファニー(モリー・シムズ)は3年前に家を出て行き、恋人テッド(ショーン・オブライアン)と付き合っている。
ついには親友のピーター(ブラッドリー・クーパー)の婚約パーティーもすっぽかしてしまったカール。
友情すら危なくなってきた彼を心配した旧友ニック(ジョン・マイケル・ヒギンス)は、新興宗教の様なセミナーに連れて行く。
YESを連発する会場の異様な雰囲気に逃げようとするカールを目ざとくみつけた主催者テレンス(テレンス・スタンプ)は、『この会場を出た瞬間から、何があってもYESといいなさい。さもなければ物事は悪い方向に進むであろう』と、カールを脅すのだが・・・。
ジムのいつものコメディなのかと思ったら、これがテレビ司会者が『実際にやってみました』という自伝が元になっているのだから、おっかなびっくりな話である。
何でもいいから手当たり次第にYESと言い続けて、このままじゃぁ身が持たないわ、と言うのでテレンスに相談に行くと、全部にYESと言えといったわけじゃない、とあっさり言い返されるところは笑ってしまう。
そして態度を変えて擦り寄ってくる元妻にカールがどう切り返すのか、YESかNOか、それが最大の見所だ。
マジェスティック(2001)
注目ポイント&見所
時は’50年代初頭の米国。
新進脚本家のピーター(ジム・キャリー)はデビュー作の『サハラの海賊』が、チャイニーズ・シアターで上映される事になった。
しかし間もなく赤狩りの濡れ衣を着せられ、やけ酒を飲み車を飛ばし事故を起し、車ごと川に転落し、どこかに流されてしまう。
彼の車が流れ着いた先は、ハリウッドから遠く離れた田舎町ローソン。
彼を発見した老人ハリー(マーティン・ランドー)は、自分を『わが息子ルーク』と呼んで抱きしめた。
記憶を無くしたピーターがハリーに聞くと、ルーク(ジム二役)は、第二次世界大戦に出征し’44年以降行方不明になっていた街の英雄。
戦場で自らの命を顧みずに8人の命を救い名誉勲章を受け、その後消息を絶ち、それ以来街は哀しみに沈んでいたという。
ハリーは息子が戻ってきたと思い映画館『マジェスティック』を再建しようと思う。
監督のフランク・ダラポンが、ジムに『アメリカの良心』の象徴として、ジム・キャリーにジェームス・ステュワートを演じさせたらどうなるか、という所から始まったのがこの映画。
劇中のピーターは自分の昇進の為には、映画の内容はお構いなし、酷い作品がロードショー公開されていても構わないという男になっている。
しかし記憶を失った後、ルークとして生きているときは、周囲の人間に尽くし映画館に再建する男として生きている。
同じジムが演じるのだが、この落差が見所でもある。
ピーターの記憶が戻った所以は、『マジェスティック』がロードショー映画館であり単館及び独立館ではなかったからというのが、判る。
それは『マジェスティック』の当時の配給ラインナップを見れば一目瞭然かもしれない。
エターナル・サンシャイン
注目ポイント&見所
バレンタイン目前のある日、記憶を消す会社・ラクーナ社から手紙を受取ったジョエル(ジム・キャリー)は、恋人のクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分の記憶を消した事を知る。
彼女の後を追い、自分も記憶も消して貰おうとするジョエル。
しかし彼には消えて欲しい嫌な思い出もあればそうでない記憶も混雑していた。
ラクーナ社で、依頼人が記憶を消すのは僅か1日で済む事だが、そこに行き着くまでの日々は長い。
またこの業務に関わる社の人間ですら迷える子羊状態である事も映画が示しているのがポイント。
映画のパンフレットには正しい時系列順に、映画の登場人物の誰が記憶を消し、誰が誰の記憶の中に入り込んでいったのかが記されているので、観る側の頭が混同しなくて済む。
ジョエルとクレメンタインを担当した医師のハワード(トム・ウィルキンソン)でさえも、助手のメアリー(キルスティン・ダンスト)との間の不倫関係に悩み、クレメンタインが相談に来る前にお互いの記憶を消していた事が明らかになる。
またクレメンタインが記憶を消した途端ジョエルが来たので、スタッフのパトリック(イライジャ・ウッド)が手出しできないと悔しがり、彼の同僚のスタン(マーク・ラファロ)が割って入る事で、収まるところも見所。
クレメンタインの髪の色は気分によって変わり、記憶も消されるが2人は同じ屋根の下に戻ってくる。
その時にどんな人生を歩もうとするのか、そこは目が離せない。
詳細 エターナル・サンシャイン
ナンバー23
注目ポイント&見所
公共施設に勤め美しい妻と息子に恵まれ平凡な暮らしを送るウォルターは、妻との誕生日祝いに遅れてしまう。
妻アガサ(ヴァージニア・マドセン)は、古本屋で時間を潰していて、そこでプレゼントにと、赤い本『ナンバー23』という不思議な本を渡した。
登場人物は想像上の人物だが、ウォルターの実生活によく被っていたのだ。
『ナンバー23』の、主人公のフインガリング(ジム2役)は探偵で、魅惑的な愛人ファブリッツア(マドセン2役)に惑わされている。
が、この小説の23章はなかった・・・。
書いた本人が二重人格だったというオチに行き着く、ジム・キャリー初のダークミステリー。
ジム=形態模写のコメディ俳優というイメージがある人には受け入れがたい役柄だろうが、彼の新しい分野といえば分野になる。
ジム自身、同じ監督でコリン・ファレル主演の『フォーンブース』を逃がしたのが余程悔しかったのか、猛烈にアピールしてこの役を獲得したらしい。
ウォルターとアガサの息子役に、この頃はまだ、幼いローガン・ラーマンが出ている所も隠れた見所。
詳細 ナンバー23
まとめ
コメディやアクション、サスペンスという風にジャンルを1つに絞ると俳優に見所も減るかもしれないが、彼の様に、新たなジャンルに挑む事を許してくれる監督や、観客が増え続ける限り、映画はもっと面白くなるのだと思う。
昔は、コメディやアクション俳優は、観客層が固定されているので、そのジャンル以外の映画はなるべく作らないようにと制作側の強い縛りがあった様だが、昨今はそうではないので、その点、面白いのではないかと思う。
ただ近年、ジムはキャリアにかげりが見えている様で、ムリをしてスタンダップコメディに出るよりは、練った脚本に出た方がいいのではと思う事もある。
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