映画『顔のないヒトラーたち』あらすじネタバレ結末と感想 | MIHOシネマ
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映画『顔のないヒトラーたち』あらすじネタバレ結末と感想

映画『顔のないヒトラーたち』の概要:それはドイツ史上、消された黒歴史に挑む若き検事の勇気ある戦いから始まった苦闘だった…。’60年代の西ドイツで実際に起きたアウシュビッツ裁判に関わった人々の苦悩と正義を描く秀作。

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映画『顔のないヒトラーたち』 作品情報

顔のないヒトラーたち

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:123分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史、戦争
  • 監督:ジュリオ・リッチャレッリ
  • キャスト:アレクサンダー・フェーリング、アンドレ・シマンスキ、フリーデリーケ・ベヒト、ヨハネス・クリシュ etc

映画『顔のないヒトラーたち』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

映画『顔のないヒトラーたち』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『顔のないヒトラーたち』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『顔のないヒトラーたち』 あらすじ【起・承】

時は’50年代後半の西ドイツ。
ニュルンベルグ裁判で、戦犯は戦勝国により裁かれ、経済復興の波に乗った国は、多くの人々が戦争の記憶や犯した罪を忘れようとしていた。

駆け出しの検事・ヨハン(アレクサンダー・ゲーリング)の元に、ジャーナリストのグニルカ(アンドレ・シマンスキ)が、
アウシュビッツ強制収容所で親衛隊だった男が、規則に反してある学校の教師をしている情報持ってきた。

ナチスの親衛隊(SS)で、虐殺行為に携わった者は公職につけないばかりか、刑に服する必要がある。
だが、ヨハンは、この一件を暴こうとすると上司から、
『お前がこの一件に携わるのは父親を犯罪人として告訴するようなものだ』と釘を刺される。

どうしても納得いかない彼は、検事総長のバウワー(ゲルト・フォス)に話を通すとバウワーは、戦争を知らない世代こそ、
この一件は捜査する目を持っていると、後押しし、ヨハンは、強制収容所を生き延びだユダヤ人シモン(ヨハネス・クリシュ)と共に、
膨大な資料の中から、普通に生活を送っているであろう元親衛隊員を探し出し検挙していく。

検挙されたものは、言い訳がましくあるものは、命令されたからだと言い、あるものは時代だからだと言い張るが、
彼らの日記には、あたかも自分の意志で戦争という狂気に鼓舞され自らを正当化する為に、人殺しを行ったと書かれている以上、刑は免れなかった。

そんな中、ヨハンが逮捕・検挙に執念を燃やしたのが『死の天使』と言われた強制収容所の医師メンゲレだった。
人体実験を行っていたとされるメンゲレは、シモンの双子の姉妹も手にかけたとされていた。

しかしメンゲレはその姿を見せない。
荒れていくヨハンに、先輩検事のハラー(ヨハン・フォン・ビューロー)は、メンゲレだけが、容疑者ではないと諭すのだが…。

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映画『顔のないヒトラーたち』 結末・ラスト(ネタバレ)

ヨハンは、メンゲレ逮捕に執念を燃やすあまり、悪夢まで見る様になり、疲れは極限まで来ていた。
そんな折、音信不通にしていた母親が再婚すると彼に逢いに来た。

亡くなった父を敬愛していたヨハンは、仕事で疲労困憊している時に再婚話を打ち明ける母に怒り狂う。
だかそれ以上にショックだったのは、母が亡くなったヨハンの父が、ナチスの士官だと打ち明けた事だった。

敬愛していた父への思いまで打ち砕かれ、ヨハンは絶望の淵に追いやられ、恋人で仕立て屋のマレーネ(フリーデ・ケーベヒト)に
当たりちらし、酒場でよって醜態をさらす始末。

そんな彼に追い打ちをかけたのが、ヨハンの父だけでなく、マレーネや今まで協力してくれたグルシカの父もナチスだった事だった。
誰も信用できなくなった彼は、辞職届を出してしまう。

ヨハンは、弁護士事務所に勤務する事になるが、ここでもまた利益の為に正義を曲げる様を目の当りにし、辞めざるをえなくなる。
ゲルニカは、彼を見かねて、もう一度検事になってくれないかと懇願する。

ヨハンが尽力を尽くしたおかげで、ナチスの元親衛隊の面々に対する公判、アウシュビッツ裁判が開かれるというのだ。
映画はヨハンが検事として復帰し、アウシュビッツ裁判が開かれる所で終わる。

映画『顔のないヒトラーたち』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『顔のないヒトラーたち』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ドイツの戦犯者に対する厳しさを扱った作品

現在のドイツでは政府、司法、教育機関、メディアが一体となり、ナチス時代のユダヤ人大量虐殺の事実を
糾弾している。

この作品ではアウシュビッツ強制収容所の士官だった人間が、法の元に捌かれるまでの日々を若く血気盛んな検事の目を通し
描いている所がポイントである。

映画に出て来るヨハンの様な人間がいなければ、ドイツでは戦犯について謝罪する事もなかったのだ。
現在のドイツは、ナチス親衛隊に対する時効はなく、90歳を過ぎて、ナチス親衛隊の生き残りと判明したなら、
どんな高齢であろうとも終身刑になる。

知らないでは済まされなかった戦犯

劇中で新米刑事ヨハンは、検事総長から時代を知らない君だからこそ、この事件を担当する権利があると
背中を後押しされ、捜査に挑む。

しかし捜査を進めるにつれ、彼は身内の父親世代は全員ナチだったのかと愕然とし、誰も信用できなくなってしまう。
彼が捜査の末逮捕した者は、上官に言われて、時代の流れで仕方なくやったと答えるが、日記など物的証拠を見ると、
自らの意志でやったと書いてあり、言い訳が出来ない。

これは、この時代と前後して開かれた『アイヒマン裁判』でも似ている。
映画『ハンナ・アーレント』で取り扱われた、アイヒマン裁判では、ナチスの戦犯であるアイヒマンが、
無意識のうちに戦争に加担させらえる恐ろしさを証言した事で話題となった。

だが、ヨハンは『無意識といういいのがれは出来ない』という信念の元、一時は検事という職から
退いたものの、裁判の為、再び法廷に舞い戻る。

ドイツ、日本、戦犯認識における違いとは

映画の舞台となったドイツは、とうの昔に東西ドイツの壁は崩れ、その様子をファンキーに描いた映画は
グッバイ、レーニン』として紹介された。
崩壊寸前の壁で、東ドイツのシュタージ(諜報員)が、動かされた西側の一組の恋人たちの話は『善き人のためのソナタ』と
して映画化された。

これらは、ドイツが『負の歴史』に様々なアプローチで、向き合ってきた証拠でもある。
それを許しているお国柄があってこそ、この様な秀作が作れたのではと思う。


自分の国の歴史でさえ知らないことばかりなのに、他の国の歴史や過去のことを語るのは間違っているのかもしれませんが、ドイツが今でも戦犯に対して終身刑を課していて、それが何歳でも例外が無いという点にとても驚きました。
それが良いのか悪いのか一概には言えませんが、個人的にはドイツのやり方は納得出来ました。と言うよりも、日本の戦争に対する被害者意識の強さに納得がいかなくてそういったニュースが流れる度にモヤモヤしていたのでドイツの戦犯に対するやり方に納得してしまったのかも知れません。
賛否両論あるかと思いますが、多くの人に見て欲しい作品です。(女性 30代)

映画『顔のないヒトラーたち』 まとめ

ドイツが、現在もなお戦犯に向き合っているのに対し、日本は東京裁判で終わり、首相の靖国参拝の度に、
各国の首相から物議をかもす発言が出て来る。

これは日本が先の大戦で、特別な戦争指導者の元に戦争をしてないから、私たちは戦争をしたくてやったんじゃない。
という被害者意識で、世界各国から罷免されている戦犯に謝らないのではと思う。

日本にはヒトラーこそ居なかったが、戦争をすべきだとけしかけた上層部の人間は何人もいたはずである。
それこそ『顔のないヒトラーたち』、この映画におけるアウシュビッツ裁判で裁かれたような人間はいたはずだ。

が、日本は、その様な人間を終身刑にしてしまうと戦後の国家復興が立ち行かなくなるという理由で
彼らの刑期を短縮してしまった。

これでは罷免を浴びて当然なのではないだろうか。

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みんなの感想・レビュー

  1. サッカー日本代表の試合前の君が代にジーンとするおじさん より:

    「顔のないヒトラーたち」を昨日(9/4)、観た。タイトルからは暗く重い内容と思われはじめはスルーしてしまったが、途中から本作を観て最後までいろいろと考えながら見てしまった。東京裁判を戦勝国の一方的で差別的な裁判だと言いながらも、それで戦争の総括を(とは言えないが)すましてしまった私たち日本人。他人を踏みつけ(日本人である沖縄の人々、旧満州に取り残した開拓民を犠牲にしたことを忘れ)た事を忘れ被害者意識だけは強い。
    過去出来なかったことは取り戻せはできないが、私は過去を意識して次の世代につなげたい。できることはやっていきたい。

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