蒔野聡史はクラシックギタリストとして世界的に活躍していた。しかし、自分の音楽を見失い、「20周年記念ツアー」を最後に音楽活動の休止を決定する。そんなある日、ジャーナリストの小峰洋子に出会い、心を奪われる。
映画『マチネの終わりに』の作品情報
- タイトル
- マチネの終わりに
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年11月1日(金)
- 上映時間
- 124分
- ジャンル
- ラブストーリー
- 監督
- 西谷弘
- 脚本
- 井上由美子
- 製作
- 石原隆
畠中達郎
市川南
佐渡島庸平
大澤恵
稲葉尚人 - 製作総指揮
- 臼井裕詞
千葉伸大 - キャスト
- 福山雅治
石田ゆり子
伊勢谷友介
桜井ユキ
木南晴夏
風吹ジュン
板谷由夏
古谷一行 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
映画『マチネの終わりに』の作品概要
「第2回渡辺淳一文学賞」を受賞した平野啓一郎原作の長編小説を元に制作された作品。『昼顔』を手がけた西谷弘監督×脚本家の井上由美子が再びタッグを組んだ。自分の演奏に苦悩する天才クラシックギタリストと婚約者のいる女性との大人の恋愛が描かれている。主演を務めたのは、『ガリレオシリーズ』で再ブレイクを果たした福山雅治。女性を中心に支持を集めている石田ゆり子がヒロインを演じた。東京、パリ、ニューヨークが物語の舞台になっており、国によって異なる風景も本作品の魅力の1つとなっている。
映画『マチネの終わりに』の予告動画
映画『マチネの終わりに』の登場人物(キャスト)
- 蒔野聡史(福山雅治)
- クラシックギタリスト。天才的な才能を持っている。自分の音楽を見失い、「20周年記念ツアー」を最後に音楽活動の休止を決定する。
- 小峰洋子(石田ゆり子)
- ジャーナリスト。フランスのパリの通信社に所属している。強い正義感を持った人物。
- リチャード新藤(伊勢谷友介)
- 日系アメリカ人。小峰の婚約者。アメリカで経済学者として活躍している。ニューヨークに小峰を呼び寄せようとしている。
- 三谷早苗(桜井ユキ)
- 蒔野のマネージャー。蒔野の音楽に強く惚れ込んでおり、彼を献身的に支える。
映画『マチネの終わりに』のあらすじ(ネタバレなし)
蒔野聡史はクラシックギタリストとして天才的な才能を持っていた。しかし、自分の音楽を見失い、苦悩していた。「20周年記念ツアー」を最後に、音楽活動の休止を決定する。蒔野を担当しているジュピターレコードの社員・是永慶子は、突然の休止に戸惑いを隠せなかった。
公演の後、蒔野はフランスで記者として働く小峰洋子に出会う。2人は出会った瞬間から惹かれ合った。ある日、フランスで爆弾テロ事件が起こる。蒔野は小峰の安否を心配し、いてもたってもいられなくなる。もし、小峰が死んでしまえば、自分も死ぬ覚悟だった。しかし、小峰にはアメリカで経済学者として活躍するリチャード新藤という婚約者がいた。
蒔野と小峰はたった三度会っただけだったが、誰よりも強く惹かれ合っていた。しかし、予想外の出来事があり、2人はすれ違ってしまう。2人の恋の行く末とは?
映画『マチネの終わりに』の感想・評価
大人のラブストーリー
本作は平野啓一郎原作の長編小説を元に制作された。天才クラシックギタリストと婚約者がいる女性の愛の物語が描かれている。主人公とヒロインは40代で、仕事面や家族の存在など様々な要因によってすれ違いが生まれてしまう。恋愛にただ溺れるのではなく、40代の男女だからこそ生まれる人間ドラマも本作のおもしろい要素の1つである。
原作の小説は女性を中心に人気を集めている作品ではあるが、男性からの支持も高い。2016年の11月に放送されたテレビ朝日系列のバラエティ番組『アメトーク!』では、お笑い芸人の又吉直樹と若林正恭がおすすめの本として紹介している。「第2回渡辺淳一文学賞」を受賞し純文学としては異例の累計発行部数30万部を超えるなど、性別を問わず多くの人から愛されている作品である。
『容疑者Xの献身』を手がけた西谷弘監督作品
メガホンを取ったのは『容疑者Xの献身』を手がけたことで有名な西谷弘監督。最近では社会現象を巻き起こすほど大きな話題を集めた『昼顔』(17)や草彅剛が主演を務めた『任侠ヘルパー』(12)など、数々の人気作を手がけている。
脚本を担当したのは井上由美子。大学医学部の複雑な権力争いを描いたドラマ『白い巨塔』や未成年の妊娠を描いたドラマ『14才の母』、平日の昼間に不倫をする主婦を描いた映画『昼顔』など、社会派ドラマからラブストーリー作品まで幅広いジャンルで活躍している人物である。演出家・脚本家として活躍する三谷幸喜が井上のことを羨むほど、素晴らしい才能を持った人物である。西谷×井上がタッグを組んだ本作も、大きな話題を集めること間違いない。
福山雅治×石田ゆり子が演じた愛の物語
主演を務めたのは、俳優だけでなく歌手としても活躍している福山雅治。クラシックギタリストとしての天才的な才能を持ちながらも、自分の演奏に満足できず苦悩を抱える蒔野聡史を演じている。蒔野はギタリストとしての音楽家の側面と、婚約者がいると知りながらも1人の女性に乞い焦がれる男性としての側面、2つの側面を持っている。福山がどのように演じたのか、注目して欲しい。
ヒロインの小峰洋子を演じたのは、石田ゆり子。小峰は婚約者と蒔野聡史の間で気持ちが揺れ動き、苦悩する女性である。恋愛面だけでなく、小峰のジャーナリストとして活躍する部分にも注目してもらいたい。爆破テロが身近で起こり危険と隣り合わせの中で生活しているため、ヒヤッとするような場面もある。
蒔野と小峰が出会ってから6年の歳月。その間に仕事、恋愛、人生に様々な変化が起こる。蒔野達の愛の物語がどのような結末を迎えるのか、見届けて欲しい。
映画『マチネの終わりに』の公開前に見ておきたい映画
容疑者Xの献身
福山雅治の代表作で、西谷弘が監督を務めている。東野圭吾原作の推理小説『ガリレオシリーズ』を元に制作された作品。フジテレビ系列で放送された連続ドラマの劇場版作品。韓国や中国でも映画化されており、国内外問わず大きな人気を集めた。2013年に続編となる『真夏の方程式』が公開されている。
ある日、富樫慎二という男の遺体が発見される。警察は富樫の元妻・花岡靖子に話を聞きに行った。しかし、靖子と娘の美里にはアリバイがあり、捜査は暗礁に乗り上げる。新人刑事の内海薫は天才物理学者の湯川学と協力して捜査に当たることになった。その結果、靖子の隣人の石神哲哉が、湯川の大学時代の友人だったことが発覚する。石神は天才数学学者だった。果たして、内海達は事件を解決することができるのだろうか。
詳細 容疑者Xの献身
死にゆく妻との旅路
石田ゆり子の代表作。保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕された、清水久典の手記を元に制作された作品。三浦友和が清水久典を演じ、石田ゆり子は末期がんを患っている妻のひとみを演じた。清水夫妻の間に一体何があったのか、事件の裏側が描かれている。
清水久典は多額の借金から逃げ出し、11歳年下の妻であるひとみを連れて当てのない旅をすることになった。ひとみは久典のことが大好きで、初めてのデートだと喜んでいた。しかし、ひとみはがんを患っており、日に日に体調が悪くなってしまう。久典は病院に連れて行こうとした。だが、ひとみは1人で置いて行かれるのは嫌だと、泣き叫んだ。久典はひとみを置いて行くことができず、2人で272日6000kmの旅を行った。
詳細 死にゆく妻との旅路
県庁の星
西谷弘の監督デビュー作品。桂望実原作の小説を元に制作された。K県庁のキャリアである野村聡が、人事交流研修先のスーパーで奮闘する様子が描かれている。主演を織田裕二が務め、ヒロインの二宮あきを柴咲コウが演じている。主に香川県でロケが行われており、香川県庁舎や瓦町駅などが撮影で使われている。
県庁に勤める野村聡は、民間の視点を取り入れるためスーパーの「満点堂」に派遣されることになる。指導係についたのは、パートの二宮あきだった。プライドの高い野村は、年下に指導されることを不服に思いながらも仕事を行った。しかし、人の思いに鈍感なため満足な接客をすることができず、このままでは客からクレームが入る危険性さえあった。今まで順調にキャリアを歩んできた野村は、自分のやり方が通用しないことにもどかしさを抱える。
詳細 県庁の星
映画『マチネの終わりに』の評判・口コミ・レビュー
“マチネの終わりに”
美しいギターの音色と、街の音を活かした、音が魅力的な作品は、福山雅治演じるギターリスト蒔野と、石田ゆり子演じるジャーナリスト小峰の恋の過程が、歳を重ね恋愛に臆病になるなかで、眩しく写る。
愛すればこそ、墓まで持っていくべき秘密をあかす理由が、理解出来なかった。 pic.twitter.com/YV52hGggqR— 常山の住職 (@CinemaCLAIRfan) 2019年11月2日
『マチネの終わりに』映画館にて177本目。
記憶の上塗り。過去の楽しい思い出も未来の辛い思い出によりかき消されていく。磁石のように惹かれ合い、そして不意に離れてしまった2人の運命は。福山雅治×石田ゆり子の濃厚な大人のラブストーリー。あなたは幸福のコインを何に使いますか? #EDDIE映画2019 pic.twitter.com/Wj6pBJ8PBx— EDDIE@Kings1-5#foreverpurple (@eddie2yuji) 2019年11月2日
マチネの終わりに
切なくも美しい、地に足ついた大人の物語。移り変わる美しい景色、心を表しているかのような音楽…どれも素晴らしく胸締め付けられた。2人の会話も雰囲気も交わし合う視線も全部素敵✨観てよかった🍂
「未来によって過去は変えられる」すごく印象的な言葉でした pic.twitter.com/8C7Hf509NM— しゃけ (@syakekasuflake) 2019年11月2日
本日公開されたばかりの「マチネの終わりに」、たった今終わりました。どう考えても、この作品の中には真に幸せを掴んだ人などいない。それでもただ悲恋を描いたものでもない。辛い過去を思い出へと変えた男女を描いた、とても素晴らしい作品でした。今年見た映画の中では間違いなく最高の作品です。 pic.twitter.com/FjjhDT4sRL
— ocean@読書垢 (@ocean_reading) 2019年11月1日
『マチネの終わりに』鑑賞。
原作のファンなので厳し目になるけれど、大人のラブストーリーを意識する余り主演の年齢に違和感。ミスキャストではないが5年前だったら良かったかな。石田ゆり子さんの仏語と英語のセリフも…😑
音楽は良かった。クラシックギターの音色は優しくて本当に美しい✨ pic.twitter.com/TS5moGi3hk— No other love (@mikom0424) 2019年11月2日
映画『マチネの終わりに』のまとめ
数回しか会っていない相手に強く惹かれる、40代の主人公2人よる大人の愛の物語。仕事や周囲との人間関係など、6年の歳月の間で2人の環境は少しずつ変わっていく。愛していながらもすれ違ってしまう2人の様子が描かれている。映像化されたからこそ見ることができる、東京、パリ、ニューヨークのおしゃれな舞台にも注目して欲しい。そして、福山雅治が3ヶ月の猛特訓を経て撮影に挑んだ、クラシックギターの演奏シーンも楽しんで欲しい。
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