浜中なつめは警官を目指していたが、事故を起こし視力を失ってしまう。さらに、その事故で弟を失い、後悔の日々を送ることになった。そんなある日、車の接触事故に遭遇する。その事故は、女子高生連続猟奇殺人事件と繋がっていた。
映画『見えない目撃者』の作品情報
- タイトル
- 見えない目撃者
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年9月20日(金)
- 上映時間
- 128分
- ジャンル
- サスペンス
- 監督
- 森淳一
- 脚本
- 藤井清美
森淳一 - 製作
- 村松秀信
加太孝明
アンディ・ユン
與田尚志
久保雅一
宮崎伸夫
有馬一昭
高木雄一郎
猪野丈也
小出真佐樹 - 製作総指揮
- 紀伊宗之
アンディ・ユン - キャスト
- 吉岡里帆
高杉真宙
大倉孝二
浅香航大
酒向芳
松大航也
國村隼
渡辺大知 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東映
映画『見えない目撃者』の作品概要
2011年に公開された韓国映画『ブラインド』のリメイク作品。盲目の女性が接触事故に遭遇したことをきっかけに、女子高生連続猟奇殺人事件の犯人を追うことになるサスペンススリラー作品。吉岡里帆が主演を務め、目が見えない中で事件の捜査を行う浜中なつめを演じた。P&G「ファブリーズ」のCMで有名な高杉真宙を始め、大倉孝二、國村隼、松田美由紀など豪華なキャストが集結した。『リトル・フォレスト 夏編・秋編』『リトル・フォレスト 冬編・春編』を手がけた森淳一がメガホンを取った。そして、『るろうに剣心シリーズ』の脚本を手がけた藤井清美と共に脚本を執筆している。
映画『見えない目撃者』の予告動画
映画『見えない目撃者』の登場人物(キャスト)
- 浜中なつめ(吉岡里帆)
- 警官を目指していた。しかし、警察学校を卒業した日に過失事故を起こし、視力を失ってしまう。さらに、その事故で弟を失い、後悔の念に苛まれる。
- 国崎春馬(高杉真宙)
- 高校生。接触事故の目撃者。他人に対して無関心。なつめと一緒に捜査を行うことになる。
- 吉野直樹(大倉孝二)
- 長者町警察署捜査一課・強行犯係の刑事。なつめの証言を受け、接触事故の捜査を行う。
映画『見えない目撃者』のあらすじ(ネタバレなし)
浜中なつめは警察学校を卒業し、明るい未来に胸を躍らせていた。だがその日、過失事故を起こし、弟を死なせてしまう。さらに、事故によってなつめは視力を失うことになった。なつめは警官になる夢を諦め、弟を死なせた罪の意識に苛まれ続けた。
3年後。なつめは車の接触事故に遭遇し、少女が助けを求める声を耳にする。その声は去っていく車の中から聞こえた。なつめは誘拐事件が発生していると考え、警察にそのことを訴えた。だが、目が見えないことから、まともに取り合ってはもらえなかった。なつめは少女を救うため、独自に調査を開始した。
なつめは現場にいた目撃者である高校生の国崎春馬を見つける。少女を救うため、証言を求めた。2人の目撃者の存在によって、誘拐事件が日本中を震撼させている女子高生連続殺人事件に関係していることが分かった。なつめは少女を無事に救うことができるのだろうか。
映画『見えない目撃者』の感想・評価
韓国映画『ブラインド』のリメイク作品
本作は2011年に公開された韓国映画『ブラインド』をリメイクした作品である。『ブラインド』は1962年に創設された権威ある映画賞、大鐘賞の最優秀脚本賞と最優秀主演女優賞を受賞している。2015年には中国版も制作されており、『ブラインド』で監督を務めたアン・サンフンが再びメガホンを取った。
『ブラインド』で韓国の人気女優キム・ハヌルが演じた役を、吉岡里帆が演じることになった。自分の過失で弟を失い、盲目となった女性・浜中なつめという難役に挑戦している。浜中なつめは笑顔の場面がほとんどなく、目からは意思の強さが感じられる芯の強い女性である。吉岡のまた新たな魅力が感じられる作品となっており、彼女の代表作の1つになることは間違いない。
手に汗握るサスペンススリラー作品
本作は日本中を震撼させている女子高生連続猟奇殺人事件について描かれているサスペンススリラー作品である。事件の手がかりとなる車の接触事故を目撃したのは、目の見えない女性・浜中なつめと他人に興味がない高校生の国崎春馬。なつめと春馬の供述では意見が食い違っている部分があり、物語の最初から登場人物達に翻弄される。
家出した女子高生から「救様」として崇められている風俗スカウトマンの存在、視力を失ったなつめの捜査方法、猟奇殺人を起こす犯人の意図など、様々な疑問点に注目しながら見て欲しい。
事件を追うなつめは目が見えないことから、様々な危険に晒される。手に汗握る展開に、観客達はラストまでずっとドキドキさせられる。
高校生シンガーソングライター、みゆな
シンガーソングライター・みゆなの楽曲、『ユラレル』が主題歌に起用されている。完成前の映画を見て書き下ろされた楽曲で、主人公や登場人物達の心情が反映された歌詞になっている。『ユラレル』を使った本編特別映像がYouTubeで公開されているため、作品の世界観を感じるためにもぜひ視聴をお勧めしたい。犯人の不穏な気配や登場人物達の苦しみ、事件の不気味さを体感できる。
みゆなは宮崎県在住の若干18歳の高校生シンガーである。しかし、活躍の場は既に多岐に渡る。ワンマンライブツアーだけでなく、テレビアニメ『ブラッククローバー』第5クールのテーマソングやテレビアニメ『FAIRY TAIL』第3クールのEDテーマを担当している。業界から大きな注目を集めている人物である。
映画『見えない目撃者』の公開前に見ておきたい映画
明烏 あけがらす
吉岡里帆はオーディションを勝ち抜き、ヒロインの明子役に抜擢された。古典落語の演目『芝浜』が物語の元になっている。ホストクラブ「明烏」を舞台に、借金返済に奮闘する最下位ホストのナオキと仲間達の様子が描かれている。主演を務めたのは、歌手としても活躍している俳優の菅田将暉。
ナオキは「明烏」でホストとして働いていた。借金返済できたことを喜び、仲間とお酒を飲んで盛り上がることにした。だが、それらはナオキが見た夢だった。ナオキは12時間以内に1000万のお金を用意できなければ、東京湾に沈められるピンチに陥る。誰も頼りにならない状況で、果たして1000万のお金を用意することができるのだろうか。ナオキの運命とは!?
詳細 明烏 あけがらす
世界でいちばん長い写真
高杉真宙の主演作品。誉田哲也原作の小説を元に制作された作品。原作の小説は、愛知県の学校で実際にあった出来事を元に執筆されている。高杉は引っ込み思案の写真部員、内藤宏伸を演じた。川口春奈×林遣都が主演を務めた映画『にがくてあまい』(16)を手がけ、これからの活躍が期待される新進気鋭の監督・草野翔吾がメガホンを取った。
高校の写真部員・内藤宏伸は、人物写真を上手く撮ることができず写真品評会で1位を目指す気もなかったことから部長の三好奈々恵に怒られる日々を送っていた。そんなある日、従姉が切り盛りするリサイクルショップで1台のカメラに出会う。それは、世にも珍しい360度撮影が可能なパノラマカメラだった。内藤はパノラマカメラに魅せられ、撮影方法を学んだ。
詳細 世界でいちばん長い写真
ブラインド
『見えない目撃者』の元になった作品で、韓国で制作された。主演を務めたのは、女優のキム・ハヌル。平均視聴率35%の人気ドラマ『Happy Together』でヒロインのジン・スハを演じ、一躍有名になった。日本の人気コミックを映画化した作品『きみはペット』(11)でチャン・グンソクと共演しており、日本でも顔と名前が知られるようになった。
スアは乗車しているタクシーが人を撥ねたことに気づいた。警察に通報するが、スアが視覚障碍者だったことから話を信じてもらえなかった。唯一、チョ刑事だけはスアの話に関心を示した。スアが聞いた音や感じたことを頼りに、事件を調査することにした。そんな中、事件の目撃者としてギソプという青年が現れる。
詳細 ブラインド
映画『見えない目撃者』の評判・口コミ・レビュー
『見えない目撃者』鑑賞。猟奇殺人鬼と、視力を失った元女性警官の対決を描いた森淳一監督作品。ヒッチコックやデ・パルマの遺伝子をこれほど見事に受け継いだ日本映画は滝田洋二郎の『連続暴姦』以来。アバンタイトルから途切れない緊張感が最高。吉岡里帆は日本を代表する大女優へと化ける予感。 pic.twitter.com/gEZANWdUmX
— だよしぃ (@purity_hair) 2019年9月21日
『見えない目撃者』
真相に迫るにつれて増す恐怖。鬼気迫る良質なノンストップサスペンスから一転、後半警察の無能な単独行動や妙に人が居なさ過ぎる地下鉄等々、登場人物の浅はかさとリアリティの無い演出が目立ち、やや興ざめ。ただ、吉岡里帆の“見えない”目の演技は素晴らしい。世に己に絶望せず! pic.twitter.com/UjYWjCVTpr— じょび (@moviejovi0116) 2019年9月20日
今日観た映画
「見えない目撃者」失明した女性が誘拐事件の現場に居合わせ、独自に事件を追ったら犯人に狙われる話。
今年観た映画で暫定2位の良作。
失明という主人公のハンデをしっかり最後まで生かしててスリリング。かなり骨太。
リメイク作とはいえ邦画もバカにできないなと感じられた。 pic.twitter.com/Ohkco29lAD— 押し切り (@Ossuiiii) 2019年9月22日
“見えない目撃者”
“ブラインド”アン・サンフン監督による、中国でのリメイク作品も好きなんだけど、問題の本質から目を背け、被害者である女子高生達の行いを弾劾する、そんな現代日本の気持ち悪さを織り込んだ、日本版も上手い。難役をこなす吉岡里帆が、良く、森淳一監督の次作も、楽しみになる。 pic.twitter.com/ZQdbBr20g9— 常山の住職 (@CinemaCLAIRfan) 2019年9月23日
『見えない目撃者』最高!夢を叶えた瞬間に視覚と、それ以上に大切な物を失ってしまった主人公(吉岡里帆さん)。彼女が周囲を変え、更に周囲が彼女の背を押すドラマとサスペンスの歯車が噛みあい、更に容赦ない演出!クライマックスは燃えとサスペンスと感動が同時に押し寄せ涙腺決壊した…。超お勧め pic.twitter.com/BT0nHVV0Nv
— 楠野一郎(プロペラ犬) (@kusunopropeller) 2019年9月21日
映画『見えない目撃者』のまとめ
年齢設定「R15+」だからこそ実現できた、本格的なサスペンススリラー作品が誕生した。主人公・浜中なつめや事件の目撃者となる国崎春馬の存在も物語の中で重要な位置を占めている。だが、この作品で忘れてはならないのが、盲導犬パルの存在である。なつめの目となり、事件の捜査に大きく貢献し、また彼女の窮地を救うことになる。目が見えないまま犯人を追う恐怖、正体不明の殺人鬼、最後までドキドキハラハラさせられるストーリーと共に、パルの活躍にも注目してもらいたい。
みんなの感想・レビュー
原作が韓国映画なだけあり、漂う緊迫感や迫力が最高のサスペンス映画です。
吉岡里帆は目が見えないという難しい役を演じていますが、違和感を覚えさせない素晴らしい演技で、作品に見入ってしまいます。ハラハラドキドキな展開の連続で、なつめを応援せずにはいられません。過激描写はやや多めになっているので、苦手な方は注意が必要です。
腑に落ちない部分も少々あるものの、作品全体の雰囲気、ストーリー含め大好きな一作です。