1970年代、南アフリカ共和国はアパルトヘイト政策下にあった。ティムとスティーブンは大学で出会い、意気投合する。アパルトヘイト政策のことを知った二人は、反感を覚え、反アパルトヘイト組織ANC(アフリカ民族会議)のメンバーとして活動した。
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』の作品情報
- タイトル
- プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵
- 原題
- Escape from Pretoria
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2020年9月18日(金)
- 上映時間
- 106分
- ジャンル
- サスペンス
- 監督
- フランシス・アナン
- 脚本
- フランシス・アナン
L・H・アダムス - 製作
- マーク・ブレイニー
ジャッキー・シェパード
デビッド・バロン
ミシェル・クラム
ゲイリー・ハミルトン - 製作総指揮
- ブライアン・ベックマン
ライアン・ハミルトン
イン・イェ
フィリップ・バーギン
ミック・サウスワース
マーティン・マッケイブ
アンドリュー・フィリップス
トッド・フェルマン
マイケル・オーレ
ブライス・メンジース
ロジャー・サベージ - キャスト
- ダニエル・ラドクリフ
ダニエル・ウェバー
イアン・ハート
マーク・レナード・ウィンター - 製作国
- イギリス・オーストラリア合作
- 配給
- アットエンタテインメント
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』の作品概要
ティム・ジェンキン原作のノンフィクション本『Inside Out: Escape from Pretoria Prison』を元に制作された作品。1970年代、アパルトヘイト下の南アフリカ共和国。アパルトヘイトに反対する活動を行ったことで逮捕された二人の青年が、刑務所から脱獄しようと奮闘する様子が描かれている。映画『ハリー・ポッター』シリーズで世界的に有名になったダニエル・ラドクリフが主演を務め、ダニエル・ウェバー、イアン・ハート、マーク・レナード・ウィンターら豪華俳優陣が共演している。
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』の予告動画
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』の登場人物(キャスト)
- ティム・ジェンキン(ダニエル・ラドクリフ)
- 南アフリカ出身。大学でスティーブンと出会い、意気投合する。反アパルトヘイト組織ANC(アフリカ民族会議)のメンバーになる。
- スティーブン・リー(ダニエル・ウェバー)
- 反アパルトヘイト組織ANC(アフリカ民族会議)のメンバーになる。ティムと共にテロリストとして刑務所に収監される。
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』のあらすじ(ネタバレなし)
1970年代、南アフリカ共和国はアパルトヘイト下にあった。白人は選挙、就業、居住などにおいて優遇され、黒人を始めとした非白人は差別を受けて劣悪な環境で暮らしていた。
ティム・ジェンキンとスティーブン・リーはケープタウン大学で出会い、意気投合する。二人は資料などを読み、アパルトヘイトの現状を深く理解するようになる。そして、アパルトヘイト政策について疑問を抱き始める。
ティム達は反アパルトヘイト組織ANC(アフリカ民族会議)があることを知り、仲間に加わることを決める。自ら設計した起爆装置を使い、アパルトヘイトに反対するチラシを散布した。ティム達は国を裏切ったテロリストとして逮捕され、裁判にかけられた後プレトリア刑務所に収監される。ティム達は刑期を全うする気はなく、脱獄を考えていた。
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』の感想・評価
アパルトヘイトとは?
アパルトヘイトとは人種隔離政策のことで、白人と非白人によって待遇が分けられていた。特に南アフリカ共和国(通称、南アフリカ)はこの政策が厳しく敷かれており、1994年になるまで非白人を中心とした全人種の選挙権が認められていなかった。
就業、居住、治安・警察関連などで白人は優遇され、非白人は劣悪な環境に置かれた。非白人は人種ごとに居住地域が指定されており、それ以外の地域で暮らすことは認められなかった。それ以外にも生活におけるほとんどのことが白人と非白人で細かく区別され、違反すれば逮捕された。
本作に登場する反アパルトヘイト組織ANC(アフリカ民族会議)のように、アパルトヘイト政策に反対する組織は多数存在していた。それらを取り締まるために治安関連法が制定され、関わった人達がテロリストとして拘束された。
実話を元に制作された作品
本作はティム・ジェンキン原作のノンフィクション本『Inside Out: Escape from Pretoria Prison』を元に制作されている。ティムは南アフリカ出身で、徴兵を避けるために1970年にイギリスへと渡る。工場で働き始めるが、低賃金で労働条件も良いとは言えなかった。ティムはその経験から、社会についての関心を高めていく。
ティムはケープタウン大学に入学し、スティーブン・リーと出会って親しくなる。二人は政府によって禁止された文献を読み、アパルトヘイト政策についての知識を深めていく。そして、アパルトヘイト政策について反感を覚えるようになり、反アパルトヘイト組織ANC(アフリカ民族会議)に所属して活動することを決める。
ティム達はテロリストとして逮捕され、最高警備を誇るプレトリア刑務所に収監される。二人は脱獄することを決心し、作戦を練った。逃走の鍵を握るのは、「鉄製のドア」を開くために作った「木製の鍵」だった。
フランシス・アナンの長編映画監督デビュー作
メガホンを取ったのは、ロンドン出身のフランシス・アナン。テレビの演出家や短編映画の監督として知られている人物で、本作が長編映画監督デビュー作となった。L・H・アダムスと共に脚本も手掛けている。
主演を務めたのは、世界的な大ヒット映画『ハリー・ポッター』シリーズで有名になったダニエル・ラドクリフ。そして、主人公のティムの友人で一緒に脱獄をしようと奮闘するスティーブンを、Netflixドラマ『パニッシャー』(17)に出演したダニエル・ウェバーが演じた。その他、イアン・ハートやマーク・レナード・ウィンターなど、豪華なキャストが脇を固めている。原作者のティム自身もエキストラとして出演しているため、注目して欲しい。
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』の公開前に見ておきたい映画
ハリー・ポッターと賢者の石
ダニエル・ラドクリフの代表作で、主人公のハリー・ポッターを演じている。J・K・ローリング原作のファンタジー小説を元に制作されている。「第74回アカデミー賞・作曲賞」、「美術賞」、「衣裳デザイン賞」にノミネートされている。日本での興行収入だけで200億円を超えており、世界的に大ヒットを記録した人気作。映画『ハリー・ポッター』シリーズの第一作目。
幼い頃に両親を亡くしたハリー・ポッターは、ダーズリー家に引き取られた。ダーズリー家の人達は、ハリーに厳しく当たった。ハリーは辛い日々を、孤独に耐えていた。そんなある日、ホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可証が届く。ハリーは魔法使いだったのだ。ハリーはホグワーツに入学し、かけがえのない友達に出会う。
バック・ビート
イアン・ハートの代表作。世界的なロックバンド「ビートルズ」の初期メンバー、スチュアート・サトクリフの生涯を描いた作品。イアン・ハートは「ビートルズ」のメンバーであるジョン・レノンを演じた。イアン・ソフトリーがメガホンを取り、マイケル・トーマス、ステイーブン・ワードと共に脚本も手掛けている。
1960年、イギリスの港町リヴァプール。スチュアート・サトクリフは美術学校で出会ったジョン・レノンに、バンドのメンバーにならないかと誘いを受ける。スチュアートはその誘いを受けることを決め、仲間達と共に巡業を行った。なかなか芽が出なかったある日、写真家のアストリッドに出会い恋に落ちる。スチュアートとバンドのメンバーとの間に、徐々に溝が生まれ始める。
詳細 バック・ビート
大脱出
ジャンル:アクション×サスペンス。刑務所が物語の舞台になっており、脱出不可能と言われている監獄から脱獄する様子が描かれている。シルヴェスター・スタローン×アーノルド・シュワルツェネッガーがダブル主演を務めたことで大きな話題を集めた。続編も制作されており、2018年に『大脱出2』、2019年に『大脱出3』がそれぞれ公開されている。
レイ・ブレスリンは実際に脱獄を行い、刑務所の弱点を探す仕事をしていた。ある日、CIAの弁護士ジェシカが訪ねて来て、秘密裏に存在している刑務所から脱獄を試みて欲しいと依頼される。そこは、世界有数の凶悪犯が収監される監獄だった。レイは依頼を受けることを決め、投獄された。そこは360度監視可能な独房で、マスクを着けた看守達が監視を行っていた。脱獄は容易ではなく、絶体絶命のピンチに陥る。そんな時、ロットマイヤーという囚人が協力を名乗り出る。
詳細 大脱出
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』の評判・口コミ・レビュー
『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』。鬼とか死体とか色んな役やりすぎ感あるラドさんだけど、今回は髭メガネの反アパルトヘイトの活動家。木片で鍵を作りまくるというのも凄い。一枚扉を開けたらまた一枚、活動場所を徐々に広げてくのも期待と緊張を持続させる。期待を裏切らない良作でした。 pic.twitter.com/elBcYsx8gs
— 花俟良王(良い王様改め) (@goodkingsama) September 13, 2020
『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』
アパルトヘイト下の南アフリカで、黒人側に立ち収監された白人活動家による驚天動地の実話ベース脱獄劇。
この数年面白い変遷遂げるダニエル・ラドクリフ、本作では目視で鍵を模造できる特殊能力者を熱演。硬派の社会背景と手に汗握る展開が飽きさせない。 pic.twitter.com/NoLWABp9nq
— pherim⚓ (@pherim) September 3, 2020
#プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵
白人でありながら黒人差別に反対し、反逆罪で、最高の警備を誇るプレトリア刑務所に収監されてしまった主人公達が、自由を目指して脱獄する、実話ベースの物語。
正直、B級な笑いのある映画だと思ってたら、手に汗握るし、ずっとドキドキが止まらなかった…! pic.twitter.com/tmqJJl6dai— (@xx3sss) September 21, 2020
映画『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』のまとめ
実話を元に制作された作品で、ダニエル・ラドクリフが演じたティム・ジェンキンは実在の人物である。アパルトヘイト政策が行われていた南アフリカ共和国で、ティムは仲間と共に反体制派として活動を行っていた。その結果、テロリストとして投獄されてしまう。収監されたプレトリア刑務所は最高警備を誇る場所で、壁は高く有刺鉄線が張られていた。監視も厳しく、10枚の「鉄製のドア」を抜けなければ外に出ることはできなかった。脱獄を計画していたティムは、「鉄製のドア」を開けるために「木製の鍵」を作ることを思いつく。手に汗握る脱獄劇と、平等のために戦った青年達の姿が心に刻まれる作品となっている。
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