「インターステラー」「ダンケルク」など様々な作品で評価されてきた、クリストファー・ノーラン監督による最新作。死を恐れなかった男が組織に見出され、世界大戦を阻止するため暗躍することになるストーリー。
映画『TENET テネット』の作品情報
- タイトル
- TENET テネット
- 原題
- Tenet
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2020年9月18日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- アクション
- 監督
- クリストファー・ノーラン
- 脚本
- クリストファー・ノーラン
- 製作
- エマ・トーマス
クリストファー・ノーラン - 製作総指揮
- トーマス・ヘイスリップ
- キャスト
- ジョン・デビッド・ワシントン
ロバート・パティンソン
エリザベス・デビッキ
ディンプル・カパディア
アーロン・テイラー=ジョンソン
クレマンス・ポエジー
マイケル・ケイン
ケネス・ブラナー - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ワーナー・ブラザース映画
映画『TENET テネット』の作品概要
クリストファー・ノーラン監督による「想像を超える世界」を描いた最新作。常に観客の先を歩いて創造力を発揮してきた彼が本作で披露するのは、時間が巻き戻るかのような奇妙な世界だ。主演を果たしたのはジョン・デビッド・ワシントン。「ブラック・クランズマン」の主演を務めるなど、今とくに勢いのある俳優の一人だ。その他実力派俳優や、ノーラン作品でよく見る面々もしっかりと顔を揃えており、気合の入ったキャスト陣になっている。
映画『TENET テネット』の予告動画
映画『TENET テネット』の登場人物(キャスト)
- 主人公 / 名もなき男(ジョン・デビッド・ワシントン)
- 一度死んだという扱いになり、世界を救う任務についた男。死を恐れず奮闘する。
- 謎の男(ロバート・パティンソン)
- 主人公と共に任務につくことになる。
- 謎の女(エリザベス・デビッキ)
- 世界の破滅を止めたいと言う女。主人公の任務について詳しく知っているようだ。
映画『TENET テネット』のあらすじ(ネタバレなし)
危険な任務に果敢に挑んで仲間を救ったことで、特別な人間だとされ選ばれた主人公・名もなき男。謎の組織からテストに合格したと言われ、「死後の世界」での活躍を期待されることになる。彼に与えられた使命は、第三次世界大戦を防ぐこと。核戦争がましに思える程の最悪の未来を避けるため、必要となる言葉を教えられる。その言葉は「TENET(テネット)」。この言葉がすべてに通じ、彼が生還するための鍵にもなるらしい。
今までの世界から解き放たれ、新しい感覚の世界に飛び込むことになった主人公は相棒とともに、時間と空間を超えた信じられない戦いへと飲み込まれてゆく。
映画『TENET テネット』の感想・評価
IMAXで見たい超美麗映像
映像の完成度にこだわるクリストファー・ノーラン監督は、本作の撮影においてIMAXカメラを使用し世界7カ国での撮影を行った。前作「ダンケルク」(2017)にてアカデミー音響賞、編集賞などを獲得したほか、「インターステラー」(2014)では視覚効果賞を受賞している。彼による作品の独特な世界観の構築には、まず没入させるための映像と音が重要となっているのだ。
本作の予告映像で公開された、まるで時間や空間を操るかのような異様なシーンはまさに、彼の得意とする映像と音の迫力を最も発揮させるものになっていることだろう。また激しいアクションシーンにおいても、それらの要素は観客の興奮を底上げしてくれるに違いない。
「TENET」というキーワード
本作で鍵となる「TENET(テネット」という言葉は、ジョン・デビッド・ワシントン演じる主人公が生還するために、とても重要になるものらしい。タイトルロゴでの表記では後ろ二つの「E」「T」が上下逆さまにされている。ポスターに映るワシントンも真ん中から上下が逆になっており、この対称性が鍵なのかもしれない。
言葉の意味としては、信奉される「教義」や「信条」をあらわす言葉である。ノーラン監督の「史上最も野心的な映画」「異なるジャンルをまたぐ映画」などという発言から予想すれば、我々の考える「教義」や「信条」を「逆転」させるという意味を持ってくるのかもしれない。あれこれ想像を膨らませられそうな言葉である。
主演俳優ジョン・デビッド・ワシントン
本作の主演のジョン・デビッド・ワシントンは、俳優のデンゼル・ワシントンの息子である。アメフト選手として活躍していたものの、引退して俳優になった。俳優としてアメフトを扱ったドラマに出演していたこともある。
俳優としてのキャリアはまだまだ浅いものの、スパイク・リー監督の話題作「ブラック・クランズマン」(2018)では主人公に抜擢された。スパイク・リー監督は過去にデンゼル主演の映画も監督しており、親子で彼の作品と深い関わりがあることになる。「ブラック・クランズマン」ではアダム・ドライバーとともに差別に立ち向かい、潜入捜査をする黒人刑事役を演じている。これからの活躍に期待したい俳優の一人である。
映画『TENET テネット』の公開前に見ておきたい映画
インセプション
アカデミー賞を4部門受賞した、映像技術において画期的なクリストファー・ノーラン代表作のひとつ。他人の夢に入り込む犯罪者をレオナルド・ディカプリオが演じる。夢の中の映像化にチャレンジした本作は、まさに現実では起こりえない驚異のシーンが連続して訪れる、ノーラン監督の本領発揮といった内容になっている。
ルールが決まっており、夢の中で死ぬと現実に放り出される、といったゲーム的な要素もあり、斬新なノーラン監督の感性を強く感じることができる。彼の作品を愛するファンたちからも長く評価されてきており、まさにこの作品は「最もクリストファー・ノーランらしい」映画になっていると言っていいだろう。
詳細 インセプション
ダンケルク
最小限の説明に抑え、映像体験そのものに比重を置いたクリストファー・ノーラン最新作。史実を元にしており、ノーラン自身が作り上げた世界を描く作品でない一方で、非常に感覚的な映画に仕上がっている。先ほどの「インターステラー」が最もノーランらしいとすると、この作品は「最もクリストファー・ノーランらしくない」と言ってもいいかもしれない。ダンケルクにおいて取り残された兵士たちが帰還するための作戦を描いている。
本作は、公開当時日本で1館しか上映できない「次世代レーザーIMAX」での上映が行われた。常に兵士たちの目線で危機が迫り、爆撃を身に浴びるリアリティ溢れる映像体験を提供してくれた映画である。本作でも、そのリアリティを作り出した彼の技術が存分に発揮されていることだろう。
詳細 ダンケルク
ブラック・クランズマン
本作主演のジョン・デビッド・ワシントンが主演を務めた2018年の作品。黒人監督スパイク・リーの作品で、黒人差別をテーマとして取り扱っている。スパイク・リー監督は本作がアカデミー作品賞を逃したことについて苦言を呈し、黒人の立場向上について発信を続けている。
白人至上主義集団であるKKK(クー・クラックス・クラン)に黒人刑事が白人のふりをして潜入する、というフィクションのようなストーリーだが、なんと実話を元にした話である。ワシントン演じる主人公・ロンは黒人のためKKKに潜入できず、実際の潜入を白人である同僚のフリップ(アダム・ドライバー)が行うことになる。二人は協力し、連携しながら捜査をしてゆく。
詳細 ブラック・クランズマン
映画『TENET テネット』の評判・口コミ・レビュー
『TENET テネット』鑑賞。史上最大のミッションを描いたクリストファー・ノーラン監督作品。世界の見方が変わるほどの衝撃。映画館を出た後、時の過ぎゆくままに街中を進む人や車の動きがいつもとはどこか違って見えた。『ダンケルク』以上に焦燥感を駆り立てる音楽が耳にこびりついて離れない。 pic.twitter.com/fMDk2t7nSu
— だよしぃ (@purity_hair) September 18, 2020
「TENET/テネット」
満を辞しての鑑賞。
これまで過去のノーラン作品で特に理解に困る事は無かったが今作は確実に今までで一番難解かつ複雑。正直いって6割程度しか理解できてないのでまだ本作に対して評価する事も難しい。しかしこれまでに類を見ない未知の映像体験だったと言う事は間違いないだろう pic.twitter.com/2R6A4Qz84Y— KojiDooon (@kojidooon) September 19, 2020
TENET テネット
第三次世界大戦に伴う人類滅亡の危機に立ち向かう男を描く。時間の順行と逆行が同時に共存する混沌とした世界を異次元の映像に重厚感溢れる音楽、そしてノーラン印の神業的発想で魅せる。また、過去と現在が交わる深遠な人間模様も見応えあり。とにかく映画館映えする珠玉の超絶傑作。 pic.twitter.com/4Qst2ry1bF
— ムービードープ (@browsing_movie) September 18, 2020
『TENET テネット』
想像を絶する奇妙な世界。
この映画の構造、その細部まで煮詰められた世界設定にまずやられてしまう。視覚的説得力、重厚感に満ちた音響、無限の想像力、これこそが『映画』と感じさせる超大作がまた1つ誕生した。間違いなく、今年を代表する映画館で観るべき一本。大傑作。 pic.twitter.com/KAqtyVUbRQ— ムービーメン (@Sid_movie) September 17, 2020
『TENET テネット』
私の頭では、正直、途中から話の意味がわからなくなり(笑)目の前に起こっている物凄いカオスに身を任すのみ。ノーランだから映画的に至福なショットは多いものの、時間の逆行という題材自体にカタルシスを感じづらかった。IMAXが良かったのはズンズンと来るサントラの重低音ですね pic.twitter.com/fUSbnQ7Ze7
— 続・池袋らぶせくしー (@RUsrjkCwbF354K8) September 19, 2020
「TENET テネット」
物理学にエンタメ性を最大限まで持たせた誰も見たことのない”時”の映像革命。
わからなくても体感で”面白い”ことがわかる。しかし、頭で考えれば考えるほど面白い。反芻してこの映画は進化する。観ているときだけが映画じゃない。観たあとに脳内に広がる世界こそ、この映画の真髄。 pic.twitter.com/wrMy6YLnpf— 脳内シークレット (@SecretSpacer) September 21, 2020
映画『TENET テネット』のまとめ
クリストファー・ノーラン監督といえば、どの新作も次々と話題になってヒットを飛ばし、昨今のアカデミー賞では最早常連である。こだわり抜いた映像と音響、独特の世界観とストーリーで今度はどんな興奮を与えてくれるのか、楽しみに待つファンも多いはずだ。自分の住んでいる世界の常識が変わるほどの衝撃を受けるのは怖くもあるが、興味深く楽しい部分でもある。この作品もまた期待を裏切らず、私たちのそんな感覚をくすぐってくれることだろう。
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