浅田政志は幼い頃からの夢を叶え、写真家になった。家族にコスプレをしてもらい、その姿をまとめた写真集が賞を受賞することになる。喜びに溢れていたとき、東日本大震災が起きる。政志は被災地を訪れ、写真洗浄のボランティアを行う青年に出会う。
映画『浅田家!』の作品情報
- タイトル
- 浅田家!
- 原題
- なし
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2020年10月2日(金)
- 上映時間
- 127分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- 中野量太
- 脚本
- 中野量太
菅野友恵 - 製作
- 市川南
若林雄介 - 製作総指揮
- 山内章弘
臼井央 - キャスト
- 二宮和也
妻夫木聡
黒木華
菅田将暉
風吹ジュン
平田満
渡辺真起子
北村有起哉 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
映画『浅田家!』の作品概要
浅田政志が手掛けた写真集『浅田家』と『アルバムのチカラ』を元に制作されている。東日本大震災の後、被災地で写真洗浄のボランティアを行った実在の人物、写真家の浅田政志の姿が描かれている。アイドルグループ「嵐」のメンバーである二宮和也と俳優の妻夫木聡が共演しており、黒木華、菅田将暉、風吹ジュン、平田満、北村有起哉など実力派俳優が脇を固めた。中野量太がメガホンを取り、菅野友恵と共に脚本を手掛けている。
映画『浅田家!』の予告動画
映画『浅田家!』の登場人物(キャスト)
- 浅田政志(青年:二宮和也 / 少年:岩田龍門)
- 浅田家の次男。写真好きの父の影響で、写真家になる。「家族写真」をテーマに活動している。
- 浅田幸宏(青年:妻夫木聡 / 少年:中川翼)
- 浅田家の長男、政志の兄。既婚者。突飛な行動を起こすことがある政志の良き理解者。
- 小野陽介(菅田将暉)
- 被災地で写真洗浄のボランティアを行う。そこで政志と出会い、交流を深めていく。
映画『浅田家!』のあらすじ(ネタバレなし)
浅田政志は写真好きの父の影響を受けて、幼い頃から写真家になるのが夢だった。大人になった政志は、見事に夢を実現させる。「消防士」「極道」「レーサー」など色々なテーマで家族にコスプレをしてもらい、その姿を写真に収めた。家族は破天荒な政志の発想に振り舞わされながらも、協力的だった。
政志は家族写真を一冊の本にまとめた。タイトルは『浅田家』。その写真集は、「第34回木村伊兵衛写真賞」を受賞した。政志本人だけでなく、家族も賞の受賞を喜んだ。そんな時、東日本大震災が起こる。
政志は被災地を訪れ、悲惨な現状にショックを受ける。そんな時、写真洗浄のボランティアを行う青年・小野陽介に出会う。政志は陽介と共に、写真洗浄を行うようになった。
政志は内海莉子という少女に声を掛けられ、家族写真を撮って欲しいと頼まれる。莉子は震災に遭い、父を失っていた。莉子の願いについて苦悩していたとき、いつも自分を支えていてくれていた父が、病に倒れてしまう。
映画『浅田家!』の感想・評価
実在の写真家、浅田政志
主人公の浅田政志は日本写真映像専門学校研究科を卒業後、株式会社スタジオフォボスでスタジオアシスタントとして働いていた。その後、独立を果たし、写真家として活動を始める。
政志は「家族写真」をテーマに活動を行っている。政志の真骨頂とも言える写真集『浅田家』は「第34回 木村伊兵衛写真賞」を受賞した。この賞は朝日新聞社と朝日新聞出版が主催を務めており、戦前・戦後を通じて活躍した写真家の木村伊兵衛にちなんで創設されたものである。
政志は東日本大震災の被災地を訪れ、写真洗浄のボランティアを行っている。写真洗浄のボランティアは津波によって汚れてしまった写真を回収し、洗って持ち主に返す活動のことだ。政志はボランティアとして活動する傍ら一緒に作業を行った仲間達の姿を写真に収め、写真集『アルバムのチカラ』として一冊の本にまとめた。本作は浅田政志が手掛けた写真集『浅田家』と『アルバムのチカラ』を元に制作された作品である。
俳優として高い実力を誇る二宮和也×妻夫木聡の共演
主人公の浅田政志を演じたのは、アイドルグループ「嵐」のメンバーである二宮和也。映画『硫黄島からの手紙』(06)で主要人物の西郷昇役に大抜擢され、高い演技力が評価された。それ以降も映画『GANTZ』シリーズや映画『検察側の罪人』(18)などの話題作に出演しており、俳優として精力的に活動している。
政志の良き理解者である兄の浅田幸宏を演じたのは、妻夫木聡。映画『家族はつらいよ』シリーズや映画『愚行録』(17)などに出演しており、コミカルな役からシリアスな役まで幅広いキャラクターを演じ分けることができる俳優である。
その他、政志の幼馴染の川上若菜役は女優の黒木華、写真洗浄のボランティアを行う青年・小野陽介役は俳優の菅田将暉、政志の母は女優の風吹ジュン、政志の父は俳優の平田満が務めている。
才能溢れる映画監督・中野量太×脚本家・菅野友恵
本作のメガホンを取ったのは、新進気鋭の映画監督・中野量太。卒業制作で手掛けた作品『バンザイ人生まっ赤っ赤。』(00)で「第一回TAMA NEW WAVE グランプリ」を受賞するなど、活動し始めた当初から既に頭角を現していた。
中野量太と共に本作の脚本を手掛けたのは、菅野友恵。女優の仲里依紗×俳優の中尾明慶が共演したことでも知られている映画『時をかける少女』(10)や、歌手の渋谷すばるが主演を務めた映画『味園ユニバース』(15)の脚本を手掛けたことで有名な人物である。
本作は主人公の浅田政志を通して、「家族」の大切さを改めて感じることができる作品になっている。笑いあり、涙あり、感動ありの物語を、ぜひラストまで見届けて欲しい。
映画『浅田家!』の公開前に見ておきたい映画
湯を沸かすほどの熱い愛
中野量太の商業映画デビュー作で、監督&脚本を担当している。「第40回モントリオール世界映画祭・Focus on World Cinema部門」を始め様々な映画祭に出品されており、国内外問わず大きな注目を集めた。宮沢りえが主演を務めており、余命僅かな女性が家族のために奮闘する姿が描かれている。
幸野双葉は夫の一浩と共に銭湯『幸の湯』を営んでいた。しかし、突然一浩の行方が分からなくなってしまう。残された双葉はパートで働きながら、娘の安澄を育てることにした。ある日、双葉は倒れてしまい、病院で検査を受けることになる。検査の結果、すい臓癌を患っていることが分かった。しかも、他の部分に転移が見られた。余命は僅か2~3か月。双葉はショックを受けながらも、家族のために立ち上がった。
詳細 湯を沸かすほどの熱い愛
硫黄島からの手紙
二宮和也の代表作で、兵士の西郷昇を演じた。クリント・イーストウッドが監督を務め、「第32回ロサンゼルス映画批評家協会賞・最優秀作品賞」を始め様々な賞を受賞している。主人公の栗林忠道は実在の人物で、第二次世界大戦末期に小笠原兵団長を務めていた。彼を演じたのは、海外でも活躍している俳優の渡辺謙。
1944年6月、栗林忠道は硫黄島守備隊を指揮するため、小笠原諸島硫黄島を訪れた。栗林は戦況が悪いことを理解しており、自分の命が助からないことを覚悟していた。ただ、国のため、日本に生まれてきた子供達のために戦うつもりだった。一方、硫黄島守備隊には西郷昇という青年がいた。西郷は妻と共にパン屋を営み平穏な暮らしを送っていたのだが、召集令状が届いたため兵士として任務に就くことになったのだった。
詳細 硫黄島からの手紙
家族はつらいよ
妻夫木聡の代表作で、シリーズを通して出演している。平田家の次男で、ピアノ調教師の平田庄太を演じた。『男はつらいよ』シリーズでお馴染みの山田洋次が監督を務め、平松恵美子と共に脚本を手掛けている。作曲家の久石譲が音楽を手掛けた。熟年夫婦の離婚危機が描かれている。
三世代が暮らす平田家に、予想外の事件が起こった。富子が夫の周造に愛想を尽かし、離婚したいと言い出したのだ。子供達は母を引き止めるため、家族会議を開くことにした。周造は頑固で自分勝手な人間で、富子の気持ちを分かろうとはしなかった。一方、離婚騒動のことを知らない次男の庄太は、恋人の憲子と結婚することを決め、幸せの絶頂にいた。果たして、富子と周造は本当に離婚してしまうのだろうか!?
詳細 家族はつらいよ
映画『浅田家!』の評判・口コミ・レビュー
『浅田家!』映画館にて124本目。
月日を重ね家族には変化が訪れる。写真家・浅田政志の生き様を追い、我々が今後歩むべき道にエールを与えてくれる良作。フリーターから写真家への転身、そこからの成長譚に笑いと涙が溢れる。繊細な演技が光る二宮和也と黒木華、温和な平田満が良い。 #EDDIE映画2020 pic.twitter.com/hJ6bY1SLRr— EDDIE@Kings31-41 (@eddie2yuji) October 4, 2020
『浅田家!』
被写体に寄り添い、理解しようとする浅田氏の写真の温かさ。彼が撮り始めた、一般人の家族写真がどれも素敵で、観ていると自然に涙が出てきます。家族と過ごした幸せな思い出があるから、人は生きていけるのかも知れない。二宮和也の抑えた演技、温かな眼差しがとても良かった pic.twitter.com/T95gJWxeTQ
— 続・池袋らぶせくしー (@RUsrjkCwbF354K8) October 4, 2020
『浅田家!』かなり良かった。『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督の作品。ユニークな浅田家、愛に溢れてる。ほっこり。
写真は思い出を残すだけではなく、今を生きる力になるもの。3.11後に取り組んでいた写真洗浄、写真返却の活動は本当に素晴らしい。手元に残る写真は温かみがあるものだなぁ pic.twitter.com/kEnKkJ3QTb— chiharu (@hachi_ko_hachi) October 4, 2020
291本目『浅田家!』
実話を基に作られた、写真と家族とユーモアが紡ぐ感動作。
監督に惹かれて楽しみにしていた作品。
いっぱい笑っていっぱい泣いて、エンディング含めていい映画観たなと思わせてくれる。
実は世の中にあるであろう沢山の愛や力を感じられて嬉しかった。
最高の余韻も味わえました。 pic.twitter.com/AmYFhtMLJH— せやかて工藤 (@zxun72) October 5, 2020
#浅田家
「最期の一枚を撮るとしたら?」
その問いに、家族の写真を撮ることを見いだした浅田政志さんと、楽しく巻き込まれていった家族たち。
明るい前半から一転、後半は震災で出会った 写真の洗浄ボランティアと、写真によって救われた人々を通して、支えてくれる家族の暖かさに気付かされる。 pic.twitter.com/cIU69LL8qK— (@xx3sss) October 6, 2020
映画『浅田家!』のまとめ
主人公の浅田政志は一風変わった「家族写真」を撮り、写真集『浅田家』として世に送り出した。家族は政志の活動を応援しており、協力的である。写真集『浅田家』が賞を受賞し、これからさらに精力的に活動しようと思っていた矢先、東日本大震災が起こる。写真が泥で汚れていたため、政志は写真洗浄のボランティア活動を行うようになった。政志の活動を通じて、家族の絆や愛、人が写真に向ける思いなどが感じられる心温まる作品になっている。
みんなの感想・レビュー