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映画『惡の華』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

押見修造原作の大人気コミック『悪の華』を、伊藤健太郎と玉城ティナ主演で実写映画化。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の岡田磨里が脚本を手掛け、メガホンは『片腕マシンガール』の井口昇が担当する、絶望の思春期暗黒物語。

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映画『惡の華』の作品情報

惡の華

タイトル
悪の華
原題
なし
製作年
2019年
日本公開日
2019年9月27日(金)
上映時間
不明
ジャンル
青春
監督
井口昇
脚本
岡田磨里
製作
松井智
板東浩二
小西啓介
小畑良治
新井重人
製作総指揮
不明
キャスト
伊藤健太郎
玉城ティナ
秋田汐梨
飯豊まりえ
北川美穂
佐久本宝
田中偉登
松本若菜
製作国
日本
配給
ファントム・フィルム

映画『惡の華』の作品概要

スイートプールサイド』や『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』など数々の作品が映画化されている話題の漫画家・押見修造の代表作『悪の華』が、今秋ついに実写映画化。2009年に連載が始まると、人気は留まるところを知らず2013年にテレビアニメ化、2016年に舞台化を果たす。現在でも根強い人気がある今作の主人公春日高男を演じるのは、2014年に俳優デビューを果たした伊藤健太郎。春日を支配する問題児・仲村佐和は元モデルで女優の玉城ティナ。『チワワちゃん』や『地獄少女』など、一癖も二癖もある映画に出演し、着実に実力を伸ばしている玉城の演じる仲村は、原作同様異質ながらもどこか魅惑的で魅力的な存在に仕上がった。

映画『惡の華』の予告動画

映画『惡の華』の登場人物(キャスト)

春日高男(伊藤健太郎)
田舎っぽい地方都市に住む、内気な中学2年生。クラスメイトの佐伯奈々子に淡い恋心を抱いている。ボードレールが愛読書。
仲村佐和(玉城ティナ)
春日と同じ中学校でクラスメイトの女の子。春日がクラスメイトの女子の体操着を盗む現場を目撃する。
佐伯奈々子(飯豊まりえ)
クラスのマドンナ的存在の女子中学生。体操着が盗まれたことで更に注目を浴びることになる。春日と徐々に惹かれあう。

映画『惡の華』のあらすじ(ネタバレなし)

どこか自分の日常はつまらないと感じており、しかしそれを壊す勇気もなく悶々とした気持ちを抱えながら毎日を過ごす中学2年生の春日高男。内気な性格のため友人もおらず、楽しみはフランスの詩人ボードレールが書いた「悪の華」を読むことくらい。

そんな高男でも、思春期まっただ中の男子中学生らしく、クラスのマドンナ的存在の佐伯奈々子に目を奪われる。授業を受けていても、ついつい奈々子のことを目で追ってしまう高男は、ある日誰もいないクラスで奈々子の体操着を衝動的に盗んでしまう。

咄嗟にやってしまったことに罪悪感を覚え、体操着も返そうと思うが時すでに遅くクラス中に体操着泥棒の噂が広まってしまい、事態を収めることは不可能となってしまった。更に、高男の頭を悩ませるのはクラス一変わり者で問題児の仲村佐和の存在。なんと、高男が奈々子の体操着を盗んだ現場をよりにもよって佐和に見られてしまっていた!

「見ちゃった」とあどけない表情で高男に迫る佐和。この日から、高男は佐和と主従関係を結ぶ羽目になってしまった。こうして、高男の極々普通だった日常は終わりをつげ、佐和との「超変態狂騒曲」が幕を上げることとなる。

映画『惡の華』の感想・評価

中学編とファン待望の「高校編」の実写化

悪の華は、大きく分けて「中学編」と「高校編」に分けられる。これまでメディア化してきた『悪の華』は、どれも「中学編」までで、今回実写映画化にあたって、初めて「高校編」が登場する。

人生の中でとても濃密で、自分自身と向き合う大切な思春期という時期を経て、大人になってく子供たち。周りの目を気にしながらも、どこか廻りと違った自分でいたいと願い、理想と現実のギャップの中で揺れ動く中、他者から与えられる絶対的な支配と絶望が、ある種の心地よさをもたらしてくれる。

中学編では、高男の窃盗事件から物語が始まり、佐和との主従関係に戸惑う高男が描かれている。高校編に入ると物語は一気に動き出し、佐和と高男だけでなくいろいろな人たちの内面が見て取れ、更に面白さを増していく。

これまで中学編までであったアニメ化や舞台化に、高校編を待ちわびていたファンはとても多い。監督の井口昇氏も『悪の華』の大ファンなことから、映画の完成度は高く原作者・押見修造氏からも絶賛をされている。地獄のような悪夢のような、それでいて官能的で刺激的な時間をたっぷり2時間、観客は堪能することだろう。

話題沸騰中の伊藤健太郎と玉城ティナ

今回、主人公の春日高男を演じるのは、現在最も注目を集めている若手俳優のひとりである伊藤健太郎である。彼は、ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』で俳優デビューを果たして以来、多くのテレビドラマに出演し人気を高めてきた。2017年の『デメキン』で映画初主演を飾ると、怒涛の勢いで次々と主要な映画に出演し、2019年第42階日本アカデミー賞新人俳優賞・話題賞・俳優部門賞を受賞する。今回の『悪の華』のような内気で物静かな少年を演じることもあれば、ツッパリ不良役などユニークな役もこなすことで知られ、今後も多くの活躍を期待されている。

一方、伊藤健太郎と肩を並べて映画を盛り上げる玉城ティナも、これまでモデルとして多くの活躍をしてきた女性である。2013年に「ミスiD」でグランプリを獲得したり、「ViVi」の最年少専属モデルとなったり、数々の偉業を果たしている。2018年にモデル業から卒業すると、同年公開の『わたしに××しなさい!』で映画初主演を果たす。その後出演した映画は、『オオカミ少女と黒王子』『貞子VS伽椰子』『PとJK』『ういらぶ。』『チワワちゃん』など人気コメディー作品、青春作品、ホラー作品と多岐に渡る。『悪の華』の佐和役では、思春期特有の独特の個性を見せながらも、どこか少女っぽい部分も垣間見える難しい役を見事に演じきっている。

映画『惡の華』の公開前に見ておきたい映画

映画『惡の華』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『惡の華』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

デメキン

2017年に公開された青春映画で、お笑いコンビ「バッドボーイズ」の佐田正樹が自らの半生を綴った自伝小説が元になっている。佐田は“デメキン”と呼ばれ、いじめられていた過去があり、そこから福岡で最大の勢力を誇る暴走族の総長に上り詰めている。

伊藤健太郎は、その佐田正樹の役を演じ、赤髪のツッパった学生を荒々しく演じている。映画の内容自体は、青春映画らしく不良仲間たちと笑いあいケンカしあい、抱き合い泣き合いと忙しく進んでいく。流血シーンや物騒なシーンも多いため、好みが分かれる映画であるが、「青春」や「熱血」や「熱意」などの言葉がぴったりの映画である。

世間からははみ出していると思われがちな不良少年たちは、自分たちの信念に基づき正直に素直に生きていく。そして、「天下統一」という大それた夢を叶えるために、仲間が集い無茶だと言われながらも挑戦し続け、走り続ける。

暴力的な内容になるため、手放しで歓迎できない人もいるだろうが、こうした映画を見ていると、思春期に誰もが持っていたはずの「熱意」を思い出させてくれそうである。

詳細 デメキン

わたしに××しなさい!

玉城ティナが初主演を飾った2018年公開の青春ラブストーリー。原作は遠山えまによる漫画で、なかよしで2009年から2015年前で連載され、ドラマCDやテレビドラマにまでなった人気作品である。

目つきが悪く、愛想も悪く、口も悪いヒロイン氷室雪菜。クラスメイトからは絶対零度の雪女と呼ばれ怖がられ避けられているが、実は女子高生に人気のケータイ小説作家でもある。ファンから、小説の内容に「ラブが足りない」と指摘されたことから、恋愛とは何かを追及し始める。そして、ひょんなことから知り合った生徒会長で美少年の北見時雨と、疑似恋愛を通して“ラブ”を探っていくことに。

偽物の恋のはずが、雪菜の従弟・晶や時雨の幼馴染・マミの登場で2人の関係はヒートアップしていく。ドS女子雪菜とドS男子時雨の似非恋の行方はどうなるのか、2人の関係がどのように進展していくのか、ドキドキ感が止まらない映画である。

詳細 わたしに××しなさい!

片腕マシンガール

妙な映画を作る監督として知られている井口昇監督。自身は俳優としても活躍しており、これまでに多くの作人に携わっている。井口監督が最初に映画監督を手掛けたのは、2007年公開の『片腕マシンガール』である。この映画は、邦画でありながらアメリカの映画会社が出資しているため洋画として扱われている映画である。

B級スプラッター映画と認識されているが、斬新なカットや表現、コミカルで軽快で快活なシーンが随所に見られ、国内外で人気を博している。日本国内ではお披露目の機会がなかったが、各地のレイトショーで上映され、カルト的な人気を得る。

矢代みなせが主人公の女子高生・日向アミを演じ、弟のユウの復讐のために奔走するが、やくざに捕まり拷問され左腕を失ってしまう。だが、アミは左腕にマシンガンを装着し再び弟の復讐を誓うと襲い掛かってくる敵に立ち向かっていく。

敵が、伝説的な忍者・服部半蔵の子孫であり、やくざの親分の息子という突飛な設定だが、映画内で忍者にまつわるシーンが多く登場することもあり、外国人には特に人気が出ている。

詳細 片腕マシンガール

映画『惡の華』の評判・口コミ・レビュー

映画『惡の華』のまとめ

自身の中に秘められた変態性が垣間見えたとき、表現する言葉も浮かばないほどの恍惚とした感情に揺さぶられる。春日高男が体験するのは、まさにそんな非日常的な昂揚感である。佐和は自分で自分のことを「変態」だと自覚しており、その変態性を主従関係にある高男にも強要していく。高男は佐和のそのパワフルな変態性に当てられ、自分の知らない一面を知るところとなるのだが、撮影中は佐和にぼこぼこにされたとの苦労話を語る。だが、そこには井口監督の作品に対する熱い思いが込められたゆえだということは、言うまでもない。

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