4歳のくんちゃんに妹ができた。くんちゃんは妹の誕生を喜ぶが、両親が妹にかかりっきりなのが嫌だった。くんちゃんが妹のミライのことを疎ましく感じ始めたとき、未来から学生姿のミライがやって来る。
映画『未来のミライ』の作品情報
- タイトル
- 未来のミライ
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年7月20日(金)
- 上映時間
- 98分
- ジャンル
- アニメ、ファンタジー、ヒューマンドラマ
- 監督
- 細田守
- 脚本
- 細田守
- 製作
- 齋藤優一郎
伊藤卓哉
足立雄一
川村元気 - 製作総指揮
- 高橋望
池田大悟
伊藤整
櫛山慶
町田有也
笠原周造 - キャスト
- 上白石萌歌
黒木華
星野源
麻生久美子
吉原光夫
宮崎美子
役所広司
福山雅治 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
映画『未来のミライ』の作品概要
細田守監督にとって、長編オリジナル作品の5作目となる作品。アヌシー国際アニメーション映画祭2018の長編部門コンペティションに選出されている。また、カンヌ国際映画祭・監督週間でも正式上映作品として選出され、入場規制がかかるほど人気を得ている。主役のくんちゃんは、「東宝シンデレラオーディション」でグランプリを受賞した上白石萌歌が務める。くんちゃんの妹役のミライちゃん役は、細田作品の常連でもある黒木華が担当する。他にも、歌手や俳優としても有名な星野源や福山雅治などが出演している。
映画『未来のミライ』の予告動画
映画『未来のミライ』の登場人物(キャスト)
- くんちゃん(上白石萌歌)
- 4歳の男の子。甘えん坊。初めは妹の誕生を喜んでいた。だが、次第に両親が妹の世話にかかりきりになり、妹のことが嫌いになってしまう。
- ミライちゃん(黒木華)
- くんちゃんの妹。未来からくんちゃんの前に現れる。くんちゃんと一緒に、空間を越えた時間旅行の旅に出る。
- 謎の男(吉原光夫)
- 昔王子だった男。
- 青年(福山雅治)
- くんちゃんの曾祖父。乗馬が得意。バイクを乗りこなしている。
映画『未来のミライ』のあらすじ(ネタバレなし)
4歳の男の子くんちゃんに、ミライという名の妹ができた。くんちゃんは妹の誕生を喜んだ。しかし、まだまだ甘えん坊のくんちゃんは、両親が妹につきっきりになることに寂しさを感じるようになる。くんちゃんはミライちゃんのことが嫌いになっていった。そんな時、くんちゃんの目の前に、未来からやって来たミライちゃんが現れる。
くんちゃんは未来から来たミライちゃんに導かれ、小さな庭を飛び出して時を超えた旅に出発した。そこで、父の面影を宿した青年や、幼い頃のお母さんと出会う。くんちゃんは見たこともない世界にはしゃぎ、初めての経験に感動した。くんちゃんは時間も空間も超えた旅を経験し、家族の愛情を感じ取っていくことになる。どうして、ミライちゃんは未来からやって来たのだろうか?
映画『未来のミライ』の感想・評価
細田守監督作品
『おおかみこどもの雨と雪』(12)や『バケモノの子』(15)など、数々のヒット作品を手掛けている。東映アニメーションで働きスタジオジブリに出向経験があるなど、アニメ制作に長く携わっている。作風としては、定点観測というコンセプトを崩さないために、「同ポジション」を多用している。つまり、視点を崩さないために、同じカットを多用している。
ジャンルとしてSFやファンタジーの傾向が強いが、それだけに収まらないところが細田監督の人気の理由の1つだと思う。登場人物達の成長や心理描写がきちんと描かれており、小さなお子さんから大人までじっくり楽しめる作品になっている。そして、いつの間にか登場人物の1人に自分を重ね合わせ、見ている人を引き込むような作品作りがなされている。
4歳の兄と成長した妹
普通に生活していればまず、妹が兄の年齢を追い越すことはあり得ない。だが、この映画ではそれが現実として起こっている。両親を妹に取られて寂しい思いをしているくんちゃんが、自分よりも大人な妹にどういった態度を取るのか。冷たい態度を取るのか、それとも甘えるのか。4歳の男の子がどう動くのか、ぜひ映画を見て確かめたいところだと思う。
くんちゃんは初め、家にやって来た赤ちゃんのミライちゃんに感動し、妹の誕生を喜んでいた。しかし、大好きな両親が妹ばかりに時間を割き、自分のことを構ってくれなくなる。くんちゃんはきっと妹のことが大好きなのだと思うが、拗ねて上手に妹と接することができなくなってしまう。そんな時、大きくなった妹と出会う。旅を通して絆を深めていくのだが、それは大きいミライちゃんだけではなく、赤ちゃんのミライちゃんに対しての気持ちの変化にも繋がっていく。
空間を越えた時間旅行
ただ大きくなった妹が来るだけではなく、一緒に時間や空間を越えて旅をするところが斬新だと思う。くんちゃんにとっても成長したミライにとっても、自分の知らない両親に会えるというのはワクワクする出来事なのではないだろうか。くんちゃんと同じ年齢ぐらいのお母さんが、一緒にはしゃぎまわって悪戯をする姿は、とてもほっこりできる場面になっている。
今の時代ではできないことを、過去に遡ったからこそできるというのはたくさんあると思う。くんちゃんが青年時代の曾祖父と遊んでいる場面は、まさにそれを表している。曾祖父と一緒に乗馬をしたりバイクに乗ったり、怖がりながらも必死に耐えているくんちゃんが印象的だ。そこに、時間旅行を通して、甘えただったくんちゃんが成長している部分が描かれていると思う。
映画『未来のミライ』の公開前に見ておきたい映画
おおかみこどもの雨と雪
見たことがない人でも題名は必ず耳にしたことがあると言えるほど、細田守監督の代表的な作品。『未来のミライ』では「兄妹」がテーマになっているが、こちらは「親子」がテーマになっている。だが、親子だけではなく姉弟を通して家族の在り方が描かれているため、『未来のミライ』にも通じるところがあると思う。
物語は母である花が、ニホンオオカミの末裔である「おおかみおとこ」と恋に落ちるところから始まる。2人の間に「雪」と「雨」という名の子供が誕生した。一家は幸せに暮らしていたが、ある日悲劇が起こる。おおかみおとこが亡くなってしまったのだ。「雪」と「雨」はオオカミに変身できる血を受け継いでおり、人間の花は子育てに苦労することになる。
人間の花と、オオカミに変身できる子供達。初めはどうやって育てればいいのか分からず涙に暮れることが多かった花が、子供達を守るために頑張る姿からは感動と勇気をもらえる。「母は強し」という言葉を体現している人物だと思う。
詳細 おおかみこどもの雨と雪
セーラー服と機関銃
細田監督が好きだと公言している、映画監督・相米慎二の作品。主演は薬師丸ひろ子が務めた。『セーラー服と機関銃』(81)は赤川次郎原作の小説で、相米監督が自ら企画し、47億円の興行収入を収めた。薬師丸ひろ子の出演は、プロデューサーの伊地智啓に頼まれ、脚本を渡して直接交渉を行っている。また、映画で薬師丸が着ている制服は、薬師丸が本当に学校に着て行っている制服である。それは、相米監督が気に入り、採用を決めている。
相米監督は撮影現場ではとても厳しく、自分が納得するまで何回でも撮り直すため、帰りたいと泣き出す女優までいたほどである。しかし、相米監督作品に出演した斉藤由貴が、「相米との出会いは自分を見直すターニングポイントになった」と言うほど監督として素晴らしい人物でもある。
詳細 セーラー服と機関銃
火垂るの墓
「兄妹」をテーマにした作品。野坂昭如の短編小説が原作である。制作はスタジオジブリが行い、監督・脚本は高畑勲が務めている。本作ではアニメ声優があまり使われておらず、女優や子役が多数起用されているのが特徴である。日本カトリック映画大賞やブルーリボン特別賞など、数々の賞を受賞している。
太平洋戦争末期の日本。14歳の兄の清太と4歳の妹の節子は、母を失った後、親戚の家を頼ることになった。しかし、戦争が進むにつれ生活が苦しくなり、親戚と喧嘩するようになってしまう。清太は節子を連れて家を出るが、飢えを凌げるほど食べ物を集めることはできなかった。清太は節子のために盗みを行い、2人は身を寄せ合いながら必死に毎日を生きようとした。
詳細 火垂るの墓
映画『未来のミライ』の評判・口コミ・レビュー
未来のミライ鑑賞。酷評されるほど悪くなかったと思うのは私が既婚で2歳0歳の子供2人いるからだろう。高校生カップルがデートで見る映画ではないでし小学生が見てワクワクする映画でもない。なんであの両親、長男に向き合わないのか。長男最後に自己完結しちゃったがあの自己完結の仕方はマズイやつだ
— りっつ@長男2歳&次男4ヶ月 (@ritsu_momo) 2018年8月2日
未来のミライ。
んー何だろうなぁー。
面白い演出は多かったんだけど、少し退屈だった。
結果的に何が言いたいかって部分が弱い気がする。
あと今作の主人公が子供って事もあって劇場に小さい子多かったけど、意味わかるのかなと思った。— てろふるっ! (@fuly_tilo) 2018年8月2日
未来のミライ観てきました。ハウジング好きな方にもおすすめなかんじ、評判のあまり良くなさとは裏腹に、しっかり面白かったし細田みがあって良かったです。サマーウォーズ観たくなった笑😃ひいじいじ最高!
— くつしたねこ@魔女ニィナ (@0oommoo0) 2018年8月2日
『未来のミライ』
面白くて笑って観たけどね
昨日、映画評論家なる方の批評⁈読んでなんだかな〜って思った
職業柄、あんな風に書かなきゃいけないんだろうけど、この方、4歳児の子育てをどこまで理想化してるんだろうなぁって。
いや、子供ってあれぐらいで問題児じゃないよ?
あれが、子供なんだよね— non@ヤマト2202前を向いていこう (@spacenon2202) 2018年8月2日
『未来のミライ』観終わった。前評判が良くなくて少し心配だったんだが、良い意味で裏切られた。「子供の成長はそのままストーリー成り足り得る」と細田守は言いたいんだろうし、そう思わせる説得力があった。例えるならひろしの回想を長編で表現したような作品だったなhttps://t.co/MvrO3eCm9L
— 二岡せきぬ (@kyojakupanda) 2018年8月2日
映画『未来のミライ』のまとめ
4歳の男の子が妹に両親を取られたような気持ちになり、ちょっと拗ねてしまう日常と、時間旅行という非日常を掛け合わせるところが面白い。くんちゃんはきっと悪いお兄ちゃんではなくて、妹の誕生を喜べる優しいお兄ちゃんなのだと思う。4歳の男の子が寂しいと言う言葉を言えない気持ちは、きっと兄妹や小さい子供がいない人にも理解できることなのではないだろうか。そんな、くんちゃんとちょっと大きくなった妹が、旅を通してどうやって仲良くなっていくのか、また現実の妹との接し方がどう変わっていくのか、自分の目で見て、色々感じたい作品である。
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