映画『クワイエット・プレイス』のあらすじ・感想・評価(ネタバレなし) | MIHOシネマ

「クワイエット・プレイス」のあらすじ・感想・評価(ネタバレなし)

全米で公開されて以来、現在2018年度No.1興行収入を収める今年一番の注目作品。かつて、見た者を恐怖のどん底に陥れた映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を超えているとの評価を受ける新感覚サバイバルホラーが、今秋満を持してついに日本上陸。

クワイエット・プレイスの作品情報

クワイエット・プレイス

タイトル
クワイエット・プレイス
原題
A QUIET PLACE
製作年
2018年
日本公開日
2018年9月28日(金)
上映時間
90分
ジャンル
ホラー
スリラー
ドラマ
監督
ジョン・クラシンスキー
脚本
ブライアン・ウッズ
スコット・ベック
ジョン・クラシンスキー
製作
マイケル・ベイ
アンドリュー・フォーム
ブラッドリー・フラー
製作総指揮
不明
キャスト
エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー
ミリセント・シモンズ
ノア・ジュプ
製作国
アメリカ
配給
東和ピクチャーズ

クワイエット・プレイスの作品概要

プラダを着た悪魔』でゴールデングローブ賞やアカデミー賞を受賞した女優エミリー・ブラントが主演を務める今作は、夫ジョン・クラシンスキーが監督と脚本を手掛け、更に劇中でも夫役としても作品に出演し、夫婦揃っての競演を果たす。夫婦の子供役で登場する聴覚障害役の長女リーガンには、自身も聴覚障害を持つミリセント・シモンズが熱演する。恐怖との戦いだけでなく、家族の絆、父と娘の絆を描いたドラマ仕様のホラー映画。

クワイエット・プレイスの予告動画

クワイエット・プレイスの登場人物(キャスト)

エヴリン・アボット(エミリー・ブラント)
リー・アボットの妻で3人の子供の母、現在は4人目を妊娠中。劇中で末息子を亡くし、夫と共に家族を絶対に守ろうと誓う。
リー・アボット(ジョン・クラシンスキー)
アボット家の家長。エブリンの夫。子供たちをモンスターから守りながら静かに暮らす。
リーガン・アボット(ミリセント・シモンズ)
聴覚障害を持つアボット家の長女。末の弟が死んだのは自分の所為だと責め、父親のリーと和解できずにいる。家族から疎外されているようにも感じている。
マーカス・アボット
アボット家の長男。父親に、リーガンと和解するよう勧める家族思いの少年。

クワイエット・プレイスのあらすじ(ネタバレなし)

滅亡の危機に瀕している世界で、一組の家族が静寂と共に生活をしている。彼らはあらゆる会話を手話で行い、歩く際には足元に砂を撒き、裸足でゆっくりと移動する。決して音を立てず、声を出してはいけない。でなければ、“何か”が彼らを殺しにやってくるから。

アボット家は、混沌と化した世界で家族4人、恐怖と戦いながらもひっそりと暮らす。しかし、生活物資の補給から帰る道すがら、末息子が玩具の音を立ててしまったことで正体不明のモンスターに襲われ、子供を失う。

家族を大きな悲しみが襲うが、声を上げて泣くことも許されない。やがて、弟が死んだのは自分の所為だと責める長女と、家族との溝は深まっていく。そんな生活の中で、家族は絶体絶命のピンチを迎えることとなる。子供を妊娠していた母親の出産。決して音を立ててはいけない中で、母は陣痛の激痛に耐え、産声を上げる子供を必死に守ろうとする。果たして家族は無事新しい命を守り抜くことができるのか、そして襲い来るモンスターからは逃げるしか術はないのか。

沈黙と静寂、そして現しきれない恐怖の中で、1つの家族とモンスターとの熾烈な戦いが繰り広げられる。

クワイエット・プレイスの感想・評価

ホラー映画の中に見える家族愛

今作では、“音”が重要なテーマとなっており、役者たちは通常の演技とは違って表情と仕草だけで感情を表現しなければならない。言葉を発することになれている人にとってはもどかしいことこの上ないだろう。

だがたった1人、長女役のミリセント・シモンズだけは違っている。彼女は設定上もそうだが、自身も聴覚障害を持っている。彼女には“音”と言う概念がない。まさか自分が発する生活音を察して、モンスターが殺害しにやって来るなどとは夢にも思わないだろう。ミリセントには、何が音を発する行動なのか分からないのだから、この状況に慣れるまでに家族共々相当苦労を重ねたのではなかろうか。

そうして何とか生活を保ってきたが、自分の所為で弟が死んでしまったとなれば、言葉で思いを伝え合うことができないミリセントが、疎外感を覚えてしまうのも頷ける。モンスターから逃げ、必死に生きなければならない状況で、家族とのコミュニケーションが上手く取れない少女が劇中でどのような立ち回りを見せるのか気になるところである。父と娘の意思疎通の難しさは万国共通だが、ホラー映画の中で見せる人間模様にぜひ注目したい。

母親がまさかの出産

予告動画では、母親役のエミリー・ブラントが大きなお腹を抱えて地下の浴槽の中で陣痛に耐えるシーンが描かれている。しかし、今作でははっきりと“音を立ててはいけない”と言われている。このシーンが流れた瞬間、「え、出産するの!?」と思った人も多いのではないか。赤ん坊とはまさに、静寂とは真反対に生きている生き物である。そんな赤ん坊を出産すれば、どんな惨劇が起こるか想像に難くない。

エミリー・ブラントが必死に堪えているシーンを見ているだけで、こっちがハラハラドキドキとしてしまい、息を吸うのも忘れてしまう。襲い来る恐怖と戦いながら、叫ばずにはいられない程の激痛である陣痛を、声を殺してやり過ごすなど、沙汰の限りだとさえ感じる。

「なんでこの状況で妊娠した?」と思ってしまうところもないわけではないが、そこはさておき、エミリー・ブラントの妊娠が、たった30秒程度の予告動画で続きが気になってしまう程の設定となっているのは間違いないだろう。

世界を滅亡にまで陥れるクリーチャーの正体とは!?

人間を次々と惨殺し恐怖に陥れるモンスターと言うのは、過去どれだけの映画で描かれてきたか分からないが、どの映画でも言えるのは、ヒットする映画程モンスターが魅力的だと言うことだ。

アボット家が生活している世界では、既に国の政治機能は壊滅しており、軍隊なども崩壊していると推測される。世界には大量の兵器が溢れ返っているが、全く役には立たなかったのだろう。一体、どれほどのモンスターなのだろうか。

こうした人間外生物が登場する映画では、モンスターの生態やその出自についてもぜひ注目したいポイントである。人間自身が創り上げたのか、はたまた地球外からやってきた知的生命体なのか。人間を滅亡させる目的は一体何なのか。恐怖の向こう側からやって来る生物の正体が、今から気になるところである。

クワイエット・プレイスの公開前に見ておきたい映画

映画『クワイエット・プレイス』の公開前に見ておきたい映画をピックアップしています。『クワイエット・プレイス』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

IT/イット “それ”が見えたら終わり。

2017年11月3日に劇場公開されたホラー映画は、公開されるや否や世間の話題を掻っ攫っていった。CMでご覧になった方も多いのではないかと思われるが、このITの見どころは登場する「ピエロ」で間違いない。ピエロと言えば、昔からサーカスの人気者と言うように言われてきたこともあるが、その存在は少しの含みを持たせれば途端に恐怖の対象と早変わりする。

片田舎の平和な町で突然起こる、児童連続失踪事件。自分の弟を失ってから、恐怖に取りつかれる主人公ビル。“それ”は、あらゆる場所のどこにでも潜んでいる。微かな恐怖を感じたとき、ふと視線を感じた経験が誰しもあるだろう。そんなとき、どこかに“それ”はいる。自分の部屋、バスルーム、道路脇の排水溝、そして町のいたるところに・・・

世界最凶と謳われる「ピエロ」が出演する映画『IT/イット “それ”が見えたら終わり。』は、今作のテーマも似ており、計り知れない恐怖の度合いも今作と肩を並べるのではないだろうか。凄まじい恐怖を映画館で体験する前の前座として、『IT』で肩慣らしをしておいても悪くはない。

詳細 IT/イット “それ”が見えたら終わり。

プラダを着た悪魔

エミリー・ブラントがどのような女性なのかを知るならば、おすすめしたいのが映画『プラダを着た悪魔』だ。知らない人を探す方が難しそうな程有名な題名の映画で、エミリーはこの映画でゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞で助演女優賞を受賞している。

主演のアン・ハサウェイとメリル・ストリープの強烈な存在感が印象的な映画だが、アンの演じる主人公アンドレアの先輩役で、メリル・ストリープ扮する冷酷な鬼編集長ミランダのアシスタントとして出演したエミリー。劇中でエミリーは、とにかく忙しそうに動き回っている演技をする。超一流のファッションブランドを取り扱うファッション雑誌の編集長、ミランダのアシスタントともなれば、自ら率先して編集長の悪魔のような要望にも迅速に正確に答えていく人材でなければならない。エミリーはそうして考え、監督から指示されたでもなく自然と劇中のキャラクター「エミリー」を演じたそうである。

映画の中で生き生きと動き回るエミリーを見ていると、彼女の自然な演技に目を奪われる。エミリー自身も2児の母だが、そんな彼女が今作ではどんな妊婦となり出産シーンを迎えるのか、実に楽しみだ。

詳細 プラダを着た悪魔

10 クローバーフィールド・レーン

地球に人外が攻めてきて、人間と戦う映画は数知れないが、記憶に新しいのがこの『10 クローバーフィールド・レーン』だ。2008年に公開された『クローバーフィールド/HAKAISHA』の精神的続編であり、今作のような未知の生命体に地球が侵食されている。

主人公の女性ミシェルは、仕組まれた交通事故に見舞われ地下のシェルターに監禁される。外は地球外生命体に汚染され、出ることはできないと言われるが、ミシェルを閉じ込めた男の言うことは嘘だと感じ、男を倒してシェルターから脱出する。しかし、外に出てみたら本当に地球外生命体と戦う羽目になると言う映画だ。

この映画のポイントは、地球外生命体と対峙する映画でありながら、その映画の大部分が地下室でやり取りされる3人の人間模様である点だ。地球が危機的状況でありながら、監禁犯はミシェルと家族になりたいと手懐けようとする。もう1人の同居人の男もまた、安全に暮らしたいために男に従いミシェルにも良い顔をする。

元々家族でなかった『10 クローバーフィールド・レーン』の男女らと、『クワイエット・プレイス』のアボット家では危険に対しての考え方がまるで違う。対照的とも言えるやり取りが、地球外生命体と戦う映画にして全く違う雰囲気を醸し出している。

詳細 10 クローバーフィールド・レーン

クワイエット・プレイスのレビュー・評判・口コミ(Twitterの反応)

随時更新予定

クワイエット・プレイスのまとめ

海外で既に上映されている作品であるが、鑑賞した人たちは揃って「ポップコーンを食べる音はおろか、息をするのも憚られてしまう程、自分たちも音を出すことに恐怖した」と口にする。役者たちだけでなく、観客まで音を出さないようただ静かに身を固めている様を制作者たちが見たら、それは間違いなく大成功の印だろう。それほどの緊迫感を醸し出す迫力ある作品を手掛けたジョン・クラシンスキーは、監督初挑戦だと言うのだから恐れ入る。ハリウッド映画にしては異例の、これまでにはない静けさが語る恐怖の訪れが、秋まで待ち遠しい。

この記事をシェアする