映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし) | MIHOシネマ

「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

『ライ麦畑でつかまえて』、J・D・サリンジャーの名を知らなくとも、この作品の名は、世界中で知られ伝説とまでも言われている。2019年1月1日に、生誕100周年を迎える小説家J・D・サリンジャー氏の、名作誕生にまつわる真実の物語。

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーの作品情報

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

タイトル
ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー
原題
Rebel in the Rye
製作年
2017年
日本公開日
2019年1月18日(金)
上映時間
109分
ジャンル
ヒューマンドラマ
監督
ダニー・ストロング
脚本
ダニー・ストロング
製作
ブルース・コーエン
ジェイソン・シューマン
ダニー・ストロング
モリー・スミス
サッド・ラッキンビル
トレント・ラッキンビル
製作総指揮
エレン・H・シュワルツ
スコット・ファーガソン
マシュー・サロウェイ
キャスト
ニコラス・ホルト
ケビン・スペイシー
ゾーイ・ドゥイッチ
サラ・ポールソン
ビクター・ガーバー
ホープ・デイビス
製作国
アメリカ
配給
ファントム・フィルム

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーの作品概要

全世界累計6,500万部を突破し、世界中の若者に衝撃を与えたロングベストセラー小説『ライ麦畑でつかまえて』。この小説を生んだJ・D・サリンジャーは、若くして成功を収めたものの、その後隠居生活を送るようになる。2019年1月1日で生誕100周年を迎えるサリンジャー役を『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『マッド・ドライヴ』のニコラス・ホルト、監督は『大統領の執事の涙』で長編映画監督デビューを果たし、『ハンガー・ゲーム』シリーズを手掛けたダニー・ストロング。

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーの予告動画

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーの登場人物(キャスト)

J・D・サリンジャー(ニコラス・ホルト)
『ライ麦畑でつかまえて』の作者。名作を生み、名声を手に入れるが、その生活は謎に包まれている。
ウィット・バーネット(ケビン・スペイシー)
J・D・サリンジャーが通うコロンビア大学、創作学科の大学教授。
ウーナ・オニール(ゾーイ・ドゥイッチ)
J・D・サリンジャーが恋をした女性で、劇作家のユージン・オニールの娘。

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーのあらすじ(ネタバレなし)

1939年、20歳を迎えるJ・D・サリンジャーは、大学の中退を繰り返し、ニューヨークのコロンビア大学の創作学科に編入する。そこで出会った大学教授ウィット・バーネットは、作家志望のJ・D・サリンジャーに短編小説を書くことを進める。

バーネット教授は「ストーリー」の編集者でもあり、「君に生涯を懸けて物語を語る意思はあるか?」と問われ、サリンジャーはバーネットの言葉通り、「若者たち」という小説を書く。そして、出版社に自分の作品を持ち込むが、出版社からはことごとく掲載を断られてしまい、最終的に「ストーリー」での連載を始めることとなった。

作家の第一歩を踏み出したサリンジャーだが、恋愛や社交界での付き合いを始めるも、その後の作品は振るわず、そのまま太平洋戦争が勃発し、徴兵されることに。バーネット教授は、戦地に赴くサリンジャーに、「生きて、物語を書き続けろ」と激励した。

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーの感想・評価

ライ麦畑でつかまえて

17歳の主人公ホールデン・コールフィールドは、去年のクリスマスの出来事を思い出す。プレップスクールを成績不振で退学処分とされ、同じ寮のルームメイトと喧嘩し、ニューヨークで悪いことをして遊ぶも気が晴れず、心許せる妹と話し合い自分はライ麦畑で子供たちをキャッチする人になりたいと話す。そんな、青年の鬱屈した思いをつづる物語。

『ライ麦畑でつかまえて』とは、社会の欺瞞に対して鬱屈した青年のやるせなさや憤りや苦しさを投げかける、青年文学書の代表作である。大人と子供の中間地点で人生について悩み、純真無垢なものを追い求めるホールデンの姿は、時代も国境も関係なく多くの若者を中心に読者の共感を呼ぶ。

日本にも多くのファンがおり、人気作家の村上春樹氏が新たな「ライ麦畑でつかまえて」の訳を発表したことで、更にファンを増したことは言うまでもない。

激動のような人生を歩むサリンジャー

1919年に生を受けたサリンジャーは、作家を目指し大学に入学するも中退を繰り返していた。20歳になったサリンジャーが、ニューヨークのコロンビア大学に編入すると、そこで大学教授をしていた編集者のバーネットと出会い、その出会いがその後の人生を大きく変えることとなる。

バーネットの助言で短編小説を書いたサリンジャーは、多くの出版社に断られ、からくもバーネットが編集担当している「ストーリー」で連載を始める。その後は劇作家の娘と恋に落ち、遅めの青春を謳歌し、社交界入りする。だが、第二次世界大戦が勃発したことで戦争に兵士として駆り出され、そこで味方の8割ほどが犠牲となった戦場を経験したことで、心に大きな闇を抱えてしまう。

戦争から無事生還したが、戦争はサリンジャーの心を蝕み、トラウマや周囲の人々の無理解がサリンジャーを更に傷つける。そんな中で書き上げた、17歳のホールデンの物語『ライ麦畑でつかまえて』が若者を中心に人気を博し、一躍時の人となる。だが、やがてサリンジャーは世間の狂騒から背を向けていく。謎に包まれたサリンジャーの半生の映画化は、誰もが待ち望んでいたことである。

映画化に集まった人々

『ライ麦畑でつかまえて』は、多くの人が読み、共感し、感動を与えた作品である。その作者、J・D・サリンジャーにもまた、多くのファンがおり、隠居生活をしてその実態は謎に包まれているにも関わらず今もなお愛され続けている。

そのサリンジャーの半生の物語に、多くの実力者たちが集まる。主人公の若いころのサリンジャーには『マッド・ドライヴ』で製作総指揮と主演を務めたニコラス・ホルト。『X-MEN』シリーズや『デッド・プール2』、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で知られ、アクション映画だけでなく童話やゾンビコメディなど、多種多様な作品に出演している。

サリンジャーの良き理解者であるバーネット教授は、アカデミー賞を2度受賞しているケビン・スペイシー。『ソーシャル・ネットワーク』『SAFE セイフ』『キャプテン・フィリップス』で製作総指揮を担当し、『ユージュアル・サスペクツ』『アメリカン・ビューティー』で助演男優賞と主演男優賞を受賞した。

監督には、『大統領の執事の涙』で製作総指揮と脚本を手掛け映画長編デビューし、『ハンガー・ゲーム』シリーズでも知られているダニー・ストロングが担当する。美術・衣装担当とも映画界ではその名が知られたディナ・ゴールドマンやデボラ・L・スコットが、20世紀の世界観を忠実に再現する。

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーの公開前に見ておきたい映画

映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

大統領の執事の涙

『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』で監督・脚本を担当しているダニー・ストロングが、長編映画初監督デビュー作品を飾った作品である。ホワイトハウスのバトラーであったセシル・ゲインズの視点で、彼の34年の任期を描いた歴史ドラマ。

最初に登場するのはアイゼンハワー大統領、そしてケネディ大統領、ジョンソン大統領、フォード大統領、カーター大統領、レーガン大統領と歴代の大統領が登場する。全てが白人の大統領であり、黒人であったゲインズは苦労を強いられるが、最後には黒人初の大統領オバマ氏に招待され、再びホワイトハウスバトラーとして、ホワイトハウスの敷居をまたぐ。

彼がバトラーとして生きた34年の間に、ケネディ大統領暗殺事件、ベトナム戦争、キング牧師暗殺事件など、血生臭い事件も多く登場する。激動の時代を、政治の中心にいたゲインズの視点から分かりやすく描き、2006年の『ラストキング・オブ・スコットランド』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したフォレスト・ウィテカーが主演を務める。

詳細 大統領の執事の涙

マッドマックス 怒りのデス・ロード

人生に悩み、苦しみ、目まぐるしく命のやり取りが行われる戦場を生き抜き、トラウマと戦いながら物語を仕上げた青年時代を演じきったニコラス・ホルト。約30年ぶりに新シリーズとして製作・公開され、アカデミー賞12部門ノミネート、6部門受賞と高い評価を得た話題作である。

ニコラス・ホルトが演じる「木の実」という意味の名を持つニュークスは、武装戦闘集団「ウォーボーイズ」の1人で、首の付け根に病変種の瘤があり、その瘤に名前を付けて友人扱いする奇人でもある。

マッドマックスのあらすじは、核兵器を使った大量殺戮戦争が勃発し、地球の環境は汚染されて、生存者たちは物資と資源を武力によって奪い合い、争い合う文明の崩壊した世界。そこで、警察官をしているマックスは精神を病み、暴徒に襲撃されるとニュークスの常備用「血液袋」として拘束されることに。マックスは、ニュークスから逃げ出そうと試行錯誤する。

撮影時、480時間にも及んだ映画は478時間を削られ、その作業は3か月にも及んだという。2015年で最も高評価を得た作品とされたこの映画は、マッドマックスファンには待ちに待った待望作だったに違いない。

詳細 マッドマックス 怒りのデス・ロード

アメリカン・ビューティー

1999年アメリカで公開された、とある家族の物語。第72回アカデミー賞で作品賞を受賞し、主人公のレスター・バーナムを演じていたケビン・スペイシーが主演男優賞を受賞した。ストーリーは、アメリカのある核家族の抱えている闇が、あることをきっかけに露見し崩壊していくもの。

広告代理店に勤めている42歳のバーナムは、郊外に家を持ち、不動産業を営む妻とティーンエイジャーの娘と3人で、幸せに暮らしているかのように見えていた。だが、妻は見栄っ張りで仕事のことばかり考えており、思春期の娘は父親のバーナムが大嫌い。家族の中に居場所のないバーナムは、ある日娘のチアリーディングを見に行ったら、娘の親友のティーンエイジャーに恋をしてしまう。

題名にもなり、劇中でたびたび登場する「アメリカン・ビューティー」とはバラの品種のことで、花言葉は「豊かな家庭の象徴」である。幸せに見えていた家族が崩壊していく様をリアルに描いた作品につけられたこの題名は、アメリカ社会への皮肉が込められているのである。

詳細 アメリカン・ビューティー

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーの評判・口コミ・レビュー

随時更新予定

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーのまとめ

『ライ麦畑でつかまえて』は、発売するや否や爆発的な人気を博し、29週連続でニューヨークタイムズのベストセラーリストに記載された。軽やかな口調とスラング交じりの話し方から若者に支持される一方で、図書館や学校では禁止書籍扱いを受け、保守層からは反道徳的だと批判もされる。それでも未だ根強いファンがおり、発表から何十年経っても衰えることなくファンが増え続けるのは、ティーンエイジャーが大人たちとは違う特別な存在だからではないだろうか。そして、作者であるサリンジャーもまた、人々にとって特別な存在だったのである。

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