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映画『影踏み』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

「ノビカベ」の異名を持つ泥棒の真壁修一は、県議会職員の家に忍び込んだ。そこで、放火殺人未遂を目撃する。真壁は駆けつけた警察に逮捕されるが、放火殺人未遂はなかったことになっていた。出所後、真壁は放火殺人未遂事件についての調査を開始した。

映画『影踏み』の作品情報

影踏み

タイトル
影踏み
原題
なし
製作年
2019年
日本公開日
2019年11月15日(金)
上映時間
112分
ジャンル
ミステリー
サスペンス
監督
篠原哲雄
脚本
菅野友恵
製作
松岡周作
製作総指揮
千村良二
岡本東郎
キャスト
山崎まさよし
尾野真千子
北村匠海
中村ゆり
竹原ピストル
中尾明慶
藤野涼子
下條アトム
製作国
日本
配給
東京テアトル

映画『影踏み』の作品概要

横山秀夫原作の短編連作形式の推理小説を元に制作された作品。シンガーソングライターの山崎まさよしが主演・劇中音楽・主題歌を担当している。「ノビ師」と呼ばれる泥棒が、放火殺人未遂を目撃したことから物語が始まる。尾野真千子、北村匠海、中村ゆりなど、現在第一線で活躍している人気俳優が共演している。映画『花戦さ』で「第41回日本アカデミー賞・優秀監督賞」を受賞した篠原哲雄がメガホンを取り、映画『時をかける少女』(10)の脚本を執筆した菅野友恵が脚本を手がけた。

映画『影踏み』の予告動画

映画『影踏み』の登場人物(キャスト)

真壁修一(山崎まさよし)
「ノビ師」と呼ばれる泥棒。その中でも腕が良く、警察から「ノビカベ」というあだ名が付けられている。稲村家に忍び込んだ際、放火殺人未遂を目撃する。ある秘密を抱えており、自責の念に駆られている。
安西久子(尾野真千子)
真壁の恋人。真壁のことを心配しており、事件の調査を止めようとしている。
啓二(北村匠海)
真壁のことを「修兄」と呼び、慕っている。若い青年。ある秘密を抱えている。
稲村葉子(中村ゆり)
県議会職員の妻。夫を火で殺害しようとした。ヤクザや警察など、怪しげな人物と繋がりがある。

映画『影踏み』のあらすじ(ネタバレなし)

「ノビ師」とは、深夜に寝静まった民家を狙い、現金を盗み出す忍び込みのプロのことである。ある日、ノビ師の真壁修一は、県議会職員である稲村家に忍び込んだ。そこで、放火殺人未遂を目撃してしまう。真壁は駆けつけた警察に逮捕された。だが、放火殺人未遂の真相は闇へと葬られ、起きていないことになった。

出所した真壁は事件の調査を開始し、稲村の妻である葉子を探すことにした。あの夜、葉子は確かに夫を殺そうとしていた。葉子の周囲には、刑事やヤクザなど怪しげな人物の存在があった。

真壁は事件を調査している過程で、20年前のある事件について思いを巡らせることになる。真壁はその事件のことを未だに引き摺っており、自分のことが許せずにいた。放火殺人未遂の真相とは?真壁が抱えている秘密とは一体!?

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映画『影踏み』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『影踏み』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『影踏み』の感想・評価

山崎まさよし、14年ぶりの主演作品

主人公の「ノビカベ」こと「ノビ師」の真壁修一を演じたのは、シンガーソングライターの山崎まさよし。2005年に公開されたラブストーリー映画『8月のクリスマス』以来、約14年ぶりの主演作品になった。前作の平凡な青年とはまた一味違い、本作では心に闇を抱える泥棒の男を演じている。

山崎は主演を務めただけではなく、劇中音楽と主題歌も担当している。劇中音楽は、山崎自身が何度もラッシュ映像を見て制作しており、終盤では「天使」をイメージした楽曲が起用されている。(ちなみに、ラッシュ映像とは映像の試写のことである)。主題歌は哀愁溢れるバラード曲で、思わず涙ぐんでしまいそうになるほど気持ちが揺さぶられる素晴らしい楽曲になっている。真壁を演じた山崎だからこそ生まれた、作品にピッタリ合った音楽にも注目してもらいたい。

ダークヒーローの活躍

横山秀夫原作の短編連作形式の推理小説を元に制作された作品。横山秀夫は映画化された『半落ち』や『64(ロクヨン)』の原作者として知られており、「第128回直木三十五賞」の候補にノミネートされたり「第10回本屋大賞・第2位」を獲得したりと輝かしい経歴の持ち主である。

本作で描かれている主人公・真壁修一は、「ノビ師」として犯罪に手を染めている。そんな彼が、偶然目撃した放火殺人未遂事件を解決しようと奮闘する。真壁が「ノビ師」になったことも放火殺人未遂事件を追うことになったことも、20年前に起きたある事件が関係している。ダークヒーローとも言える真壁が事件の真相を解明することができるのか、ドキドキハラハラする展開が待っている。

篠原哲雄×山崎まさよし

篠原哲雄監督は山崎まさよしが主演を務めた映画『月とキャベツ』(1996)で一躍有名になり、2017年に公開された映画『花戦さ』で「第41回日本アカデミー賞・優秀監督賞」を受賞している。篠原監督と山崎が23年ぶりにタッグを組んだ本作は、ダークな雰囲気が印象的なクライム・サスペンス映画となっている。山崎の哀愁漂う雰囲気が真壁修一という役に嵌っており、彼の新たな代表作となることは間違いない。映画『月とキャベツ』の山崎の演技が好きだという方にも、見てもらいたい作品である。

北村匠海、尾野真千子、滝藤賢一、鶴見辰吾など、俳優として確かな地位を確立している実力派俳優が脇を固めている。特に、物語のキーとなる稲村葉子役の中村ゆりの演技に注目して欲しい。

映画『影踏み』の公開前に見ておきたい映画

映画『影踏み』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『影踏み』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

8月のクリスマス

山崎まさよしが主演を務めた作品。1998年に制作された韓国映画『八月のクリスマス』のリメイク作で、青年と臨時教員の悲恋が描かれている。山崎は写真館を営む主人公の鈴木寿俊を演じ、関めぐみが小学校の臨時教員であるヒロインの高橋由紀子を演じた。山崎は主題歌も担当しており、通算20枚目のシングルとして『8月のクリスマス』を発売した。

鈴木寿俊は父から継いだ写真館を経営し、細々と暮らしていた。そんなある日、医師から余命が僅かであることを宣告される。鈴木はショックを受けるが、家族や友人に打ち明けることはできなかった。そんな彼の前に、小学校の臨時教師である高橋由紀子が客としてやって来る。鈴木と高橋は交流を深め、仲良くなっていった。鈴木は高橋への思いと、長く生きられない事実に苦悩する。

詳細 8月のクリスマス

探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

尾野真千子の代表作。東直己原作の推理小説『ススキノ探偵シリーズ』の5作目となる『探偵はひとりぼっち』を元に制作された。2011年に劇場版の1作目となる『探偵はBARにいる』が公開されており、本作は劇場版2作目として公開された。尾野は美人ヴァイオリニストとして活躍しているヒロインの河島弓子を演じている。

探偵の「俺」の友人であるマサコが、全国のマジック大会で優勝した。喜んだのも束の間、その2日後マサコが遺体となって発見される。俺は相棒の高田と捜査を進めた。その結果、大物政治家が事件に絡んでいるとの情報を得る。俺と高田は大物政治家の身辺を調べるが、捜査は難航し命も狙われることになる。そんな時、ヴァイオリニストの河島弓子が依頼人としてやって来る。

詳細 探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

花戦さ

篠原哲雄監督の代表作。鬼塚忠原作の小説『花いくさ』を元に制作された。花で町衆だけでなく権力者達を魅了した男・池坊専好の活躍を描いた作品。主人公の池坊専好を演じたのは、狂言師として活躍している野村萬斎。市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市といった豪華な俳優陣が共演しており、有名な大臣や茶人を演じている。

戦国時代末期。花僧の池坊専好はけったいな男で、権力に興味はなく口下手な人物だった。しかし、花を愛し町衆を大切にする、心根の優しい人物だった。ある日、息子を失った権力者の豊臣秀吉が暴君と化し、茶頭の千利休に自害を命じる。池坊は友人の千利休を救うため、「花」を使って勝負に出ることにした。果たして、池坊達の運命は!?

詳細 花戦さ

映画『影踏み』の評判・口コミ・レビュー

映画『影踏み』のまとめ

山崎まさよしが14年ぶりに主演を務めた本作は、横山秀夫原作の小説を元に制作されている。山崎自身、刊行されている全作品を読むほど横山作品の大ファンである。「ノビ師」という犯罪者が活躍する本作は、警察や探偵が活躍する作品とは一味違い、よりダークな雰囲気が感じられるクライム・サスペンス映画となっている。真壁と恋人の関係や、20年前のある事件のこと、葉子と周囲の怪しげな関係など、複雑な人間模様が描かれているのも魅力の1つ。20年前に真壁の身に何が起こったのか、放火殺人未遂事件の真相とは何なのか推理しながら見て欲しい。

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