シカゴはエイリアンに侵略された。アメリカ政府は「統治者」と呼ばれるエイリアンに制圧され、市民達は行動を監視されることになった。統治者に従う者もいる中、反発する者はレジスタンスを作って立ち上がった。
映画『囚われた国家』の作品情報
- タイトル
- 囚われた国家
- 原題
- Captive State
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2020年4月3日(金)
- 上映時間
- 109分
- ジャンル
- SF
サスペンス - 監督
- ルパート・ワイアット
- 脚本
- エリカ・ビーニー
ルパート・ワイアット - 製作
- デビッド・クロケット
ルパート・ワイアット - 製作総指揮
- ジェフ・スコール
ジョナサン・キング
ロン・シュミット
アダム・サイモン - キャスト
- ジョン・グッドマン
ベラ・ファーミガ
アシュトン・サンダース
ジョナサン・メジャース
コルソン・ベイカー - 製作国
- アメリカ
- 配給
- キノフィルムズ
映画『囚われた国家』の作品概要
映画『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(11)で一躍有名になったルパート・ワイアット監督作品。妻で脚本家のエリカ・ビーニーと共に脚本も手掛けている。地球外生命体(エイリアン)に侵略されたシカゴが物語の舞台になっており、自由を求めて奮闘する人達とエイリアンに従属する人達の姿が描かれている。名バイプレーヤーのジョン・グッドマンを始め、ベラ・ファーミガ、アシュトン・サンダースなど実力派俳優が一堂に会した。
映画『囚われた国家』の予告動画
映画『囚われた国家』の登場人物(キャスト)
- ウィリアム・マリガン(ジョン・グッドマン)
- シカゴ警察特捜司令官。ガブリエルを監視しており、レジスタンスを率いていたラファエルの行方を追っている。
- ジェーン・ドゥー(ベラ・ファーミガ)
- 娼館を営んでいる。マリガンの知り合い。一般市民で、日常を監視される立場にある。
- ガブリエル・ドラモンド(アシュトン・サンダース)
- 一般市民。消息不明の兄・ラファエルの行方を捜している。
映画『囚われた国家』のあらすじ(ネタバレなし)
シカゴは地球外生命体(エイリアン)によって侵略された。ドラモンド一家はシカゴからの脱出を図るが、見つかってしまい両親が殺されてしまう。2人の子供は見逃され、生き残った。
それから9年後。アメリカ政府は「統治者」と呼ばれるエイリアンに制圧され、服従をしていた。街は荒廃し、人々は圧政に苦しんでいた。市民達は「統治者」に従う者と、レジスタンスを立ち上げて反抗する者に分かれた。ラファエルはレジスタンスを率いていたが、消息不明になっていた。ガブリエルは一般市民として生活しながら、兄のラファエルの行方を探した。
シカゴ警察は「統治者」の管理下に置かれていた。シカゴ警察特捜司令官のウィリアム・マリガンは、レジスタンスの活動に危機感を抱いていた。ガブリエルの監視を行いながら、ラファエルの行方を追った。
映画『囚われた国家』の感想・評価
エイリアンに支配された国
エイリアンに侵略された2027年のシカゴが物語の舞台になっている。アメリカ政府やシカゴ警察は「統治者」と呼ばれるエイリアンの支配下にあり、正常に機能しなくなった。市民達は圧政を敷かれ、貧富の差は拡大し街は荒廃して酷い有様になっていた。エイリアンに従属する者が出る中、自由を取り戻すためにレジスタンス「フェニックス」が立ち上がった。
レジスタンス「フェニックス」を率いていたラファエルが数年前に消息不明になる。レジスタンスは一度解散するものの、再び集結してエイリアンへの攻撃の機会を伺っていた。ガブリエルは一般市民として活動しながら、兄であるラファエルの行方を探した。レジスタンスはエイリアンに勝利することができるのか、ラファエルは一体どこに行ってしまったのか、ドキドキハラハラする展開が待っている。
ルパート・ワイアット監督最新作
監督・製作を担当したのは、イギリス出身のルパート・ワイアット。妻で脚本家のエリカ・ビーニーと共に脚本も手掛けている。ルパート・ワイアットは2011年に『猿の惑星: 創世記』の監督に大抜擢され、ハリウッド映画界に進出した。2014年には映画『熱い賭け』(1974)のリメイク作品『ザ・ギャンブラー 熱い賭け』の監督を務めた。本作の撮影は物語の舞台にもなったシカゴ市内で主に行われた。街の荒廃した様子がリアルに描かれている。
そして、作曲家のロブ・サイモンセンが音楽を手掛けている。今までに日本でも話題になった映画『THE UPSIDE 最強のふたり』(17)や映画『あしたは最高のはじまり』(16)などを手掛けた実力者である。
実力派俳優が集結!
ガブリエルを監視しながら、レジスタンスを率いていたラファエルの行方を追うシカゴ警察特捜司令官のウィリアム・マリガン役を務めたのは、俳優のジョン・グッドマン。映画『10 クローバーフィールド・レーン』(16)や映画『クーパー家の晩餐会』(15)などに出演しており、シリアスな役からコミカルな役まで幅広いキャラクターを演じ分けることができる人物である。主演を務めることは少ないものの、名バイプレーヤーとして活躍している。
一般市民として暮らしながら、兄のラファエルを探す青年・ガブリエルを演じたのは、俳優のアシュトン・サンダース。映画『ムーンライト』(16)で主人公の少年時代を演じ、一躍有名になった。
その他に、「ロサンゼルス映画批評家協会・最優秀女優賞」を受賞し「アカデミー賞・助演女優賞」にノミネートされたことがあるベラ・ファーミガや、映画だけでなくテレビや舞台など幅広いジャンルで活躍しているアラン・ラックなどが出演している。
映画『囚われた国家』の公開前に見ておきたい映画
猿の惑星 創世記(ジェネシス)
ルパート・ワイアット監督の代表作。映画『猿の惑星』(1968)の前日譚となる物語で、新たなシリーズのリブート作品。遺伝子操作によって高い知能を持ったサル達と人間との戦いが描かれている。主演を務めたのは、アメリカ出身の俳優ジェームズ・フランコ。『スパイダーマン』シリーズで主人公の親友であるハリー・オズボーンを演じて一躍有名になった人物である。
大手製薬会社のジェネシス社はアルツハイマーのための治療薬を開発するため、サルに遺伝子治療を施した。その結果、脳を蘇らせる細胞が生まれた。ジェネシス社に勤務するウィルは幹部に結果を報告するが、その際に妊娠していたサルが暴れて騒動になってしまう。研究結果は認められず、サルは射殺された。ウィルは射殺されたサルから生まれた子供・シーザーを引き取った。遺伝子治療の影響を受けたシーザーは、高い知能を持っていた。
10 クローバーフィールド・レーン
ジョン・グッドマンの代表作で、シェルターを支配しているハワードを演じた。「第43回サターン賞・助演男優賞」を受賞している。ダン・トラクテンバーグの初長編映画監督作品。映画監督・脚本家として活躍しているJ・J・エイブラムスが、プロデューサーとして作品に携わっている。
ミシェルは婚約者と口論になり、家を飛び出した。車に乗って移動している途中で事故に遭い、意識を失ってしまう。目を覚ましたミシェルは、地下室に閉じ込められていた。ミシェルを部屋に閉じ込めたのはハワードという男で、「ミシェルのことを助けたのだ」と口にした。しかも、世界は何者かの襲撃を受け、外にいる人は死亡していると言うのだ。ミシェルはハワードの話を信じることができず、困惑する。
オブリビオン
SF作品。スカヴと呼ばれるエイリアンの侵略に遭った未来の地球が物語の舞台になっており、予想外の事実が隠された物語となっている。トム・クルーズは主役を務め、地球に残って監視を続けるジャック・ハーパーを演じた。ジョセフ・コシンスキーが監督・脚本・原作・製作を担当している。
60年前、地球はエイリアンに侵略され、全壊した。人類は地球を離れ、土星の衛星タイタンの元へと旅立った。ジャック・ハーパーとヴィクトリアは地球に残り、エイリアンを撃退していた。そんなある日、墜落した宇宙船を発見する。中にはジュリアという女性が乗っていた。ジュリアはなぜかジャックの名前を知っていた。ジャックもジュリアに見覚えがあり、困惑する。
詳細 オブリビオン
映画『囚われた国家』の評判・口コミ・レビュー
『囚われた国家』
勝手にエンタメ寄りな作品とイメージしてたけど本編は硬派な構成で個人的には好みの作風。組織(レジスタンス)自体の行動を強調してる印象で緊張感高い。だからといってキャラ描写が足りない訳じゃなく、物語が進むにつれ徐々に人物に色がついていく感じがニクい。良い映画だった! pic.twitter.com/Lz9RqLHoJl— 地獄 (@TiBlc) 2020年4月3日
ノーマークだった『囚われた国家』がすこぶる面白い!『影の軍隊』を丸ごとディストピアSFでやっちゃうなんていい度胸してる。低予算で地味ながら見応え十分、特にレジスタンス達の連絡方や淡々と段取りをして実行に向かう件はグイグイ引き込まれた。SFらしさは少量だが国家の欺瞞を撃つ気概は満タンだ pic.twitter.com/xetTHU03oP
— メガネ犬 (@Megane_624) 2020年4月4日
『囚われた国家』鑑賞。今時珍しい激シブSFレジスタンス映画。異星人に侵略されている設定なのだが、絵作りや編集は『アルジェの戦い』や『影の軍隊』を意識していて、そこにSFであるが故の普遍性が発生するクレバーさ。
— マクガイヤー@次回ニコ生4/6(月) (@AngusMacgyer) 2020年4月4日
映画『囚われた国家』見終わり。基調は異星人テクノロジーによる個人監視と密告、秘密警察による極めて抑圧的な政治で、それに対抗するのは自爆テロ組織しかないという閉塞的なやな感じの映画。サスペンスフルで、組織的なレジスタンス活動にはの見事さと、どんでん返しもあって最終的には面白かった。 pic.twitter.com/asVzmyUVXJ
— 傍見 頼路 (@yorimichi) 2020年4月4日
囚われた国家観た。
エイリアンに地球が統治されたSFディストピアで地下レジスタンスが警察の監視の目を逃れて情報や物資をやり取りするパートがメインのお話でした。
スパイ映画でよくある秘密の符号や巧妙に隠されたメモのやり取りみたいなのが好きな人は楽しめる作品ですね。ドンパチは少なめ— ライラ (@Raira_YH) 2020年4月4日
映画『囚われた国家』のまとめ
エイリアンに侵略され、陥落してしまったシカゴが物語の舞台になっている。ポスターにも書かれている通り、市民達はエイリアンに従うのか抗うのか究極の選択を迫られる。シカゴはエイリアンの管理下に置かれており、違反者は地球外へと追放されることになる。自由を求めた人達はレジスタンスを結成して反撃の機会を伺っているが、リーダーのラファエルが消息不明になるなど様々な問題が立ちはだかる。市民達の未来は一体どうなってしまうのか、手に汗握る展開が待っている。
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