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映画『はじまりのうた』あらすじとネタバレ感想

映画『はじまりのうた』の概要:前作『ONCE ダブリンの街角で』でデビューを飾ったジョン・カーニー監督による長編2作目。大都会ニューヨークで心に傷を負った男女2人の出会いを音楽と共に綴る。主演にマーク・ラファロとキーラ・ナイトレイのトップ・スター。華やかなポップ・ミュージックに彩られた音楽映画の傑作。本作にてMAROON5の看板、アダム・レヴィーンが俳優デビューを果たす。

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映画『はじまりのうた』 作品情報

はじまりのうた

  • 製作年:2013年
  • 上映時間:104分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:ジョン・カーニー
  • キャスト:キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ、ヘイリー・スタインフェルド、アダム・レビーン etc

映画『はじまりのうた』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

映画『はじまりのうた』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『はじまりのうた』のあらすじを紹介します。

ニューヨーク、ロウアー・イーストサイドにあるライブハウス。多くのミュージシャンがここで、毎晩音楽を奏でている。今夜も冴えない男スティーブ(ジェームズ・コーデン)がギターを弾きながら歌っている。ライブハウスの片隅に、不機嫌そうな女性グレタ(キーラ・ナイトレイ)はソファに座りながら、彼の歌う姿を見つめている。ジェームズが歌い終わると、突然バーの客にグレタを紹介し始めた。ステージに立つように促す彼に対し、彼女はやはり不機嫌そうな表情をする。彼女の歌が聞きたいよねと、スティーブが観客に問いかける。無理矢理ステージに立たせ、彼女に1曲プレイするように誘う。歌うのを嫌がりながらも、グレタは渋々ギターを持って、歌い始める。誰も彼女の弾き語りなんて聞いていない。歌い終わると、今まで気付かなかったが、服装が乱れた1人の男性ダン(マーク・ラファロ)が満面の笑みで拍手を送っていた。誰も聞いていない彼女の歌を・・・。

その日の朝。ある小汚いアパートの一室で目を覚ました男。彼は、バーで唯一拍手を送っていたダン。だらしない服装で、自慢の車に乗って、颯爽とニューヨークの街を走る。道中、大音量でロックミュージックを流す彼は、今は落ちぶれたが有名な音楽プロデューサー。自分で立ち上げたレーベル会社の社長。そんな彼が毎朝、車中で日課にしていることは、新人発掘のデモテープを聞くことだった。乱雑なダンは、才能のないデモテープは車の窓から放り投げる彼。敏腕プロデューサーだが、最近はヒットを飛ばせてない。いつも会議に遅れる彼は、解雇を言い渡された。その上、現在別居中。最愛の娘バイオレット(ヘイリー・スタインフェルド)とうまくコミュニケーションが取れてない。ダンにとって、人生最悪の日だった。

そのまた数ヶ月前、グレタも恋人デイブ(アダム・レヴィーン)と共に大都会ニューヨークに移り住んでいた。ミュージシャンのデイブが、映画音楽で成功し、その同伴でグレタも一緒に付いて来たのだ。ニューヨークで暮らし始めた頃の2人の関係は良好だったが、ある晩デイブの浮気が発覚。挙句に、その女性が彼のライブツアーに同伴することも分かった。ショックを受けて、怒ったグレタは家を飛び出してしまった。傷心のまま彼女は、ストリートミュージシャンをしているスティーブに会いに行く。彼はその晩、あるライブハウスで披露するということで、嫌々彼女も同伴することに。その店が、ストーリーの冒頭に出てきたロウアー・イーストサイドにあるライブハウスだった。単なる偶然か、必然か。まったく違う人生を歩んでいた心に傷を負った2人の大人が、音楽を通して出会った。彼女のパフォーマンスに感銘を受けたダンは、彼女の曲をプロデュースすると申し出た。半分、気乗りの無かったグレタは、彼の提案を承諾。ただ、彼らにはスタジオもバックバンドもいなかった。ダンは、バンド仲間を集め、こう切り出した。レコーディングスタジオは、ニューヨークだ。かくして、彼らは無事レコーディングを成功させるのか?無謀とも言えるチャレンジが始まった。

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映画『はじまりのうた』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『はじまりのうた』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ミュージカル映画と音楽映画の違い

近年、音楽映画が多く制作、公開されている。音楽映画とは、ミュージカル映画とはまた別のジャンルだ。ミュージカル映画は登場人物が物語の中の必要な場面で歌ったり、踊ったりするのが、基本だ。ミュージカル映画の起源は、100年前にも遡る。最初に注目されたのは、第2回アカデミー賞(1929年度)にて作品賞を受賞した世界で初めてのミュージカル映画『ブロードウェイ・メロディ』当時、興行的にも、批評的にも成功を収めたビッグタイトル。制作会社のメトロ・ルドウィン・メイヤー(MGM)にとっても、初めてのミュージカルだった。この作品の成功を皮切りに、多くのミュージカル映画が制作されたが、どれも域を出ない凡作ばかりだった。その時代をミュージカル映画の石器時代と呼ばれている。その原因に制作側の経験不足がある。だが、『ブロードウェイ・メロディ』に次ぐヒットを飛ばしたのは、何と言っても第9回アカデミー賞にて作品賞と主演女優賞を受賞した『巨星ジーグフェルド』が挙げられる。本作はブロードウェイの立役者、興行主のジーグフェルドと彼の妻、彼のライバルと言った、ブロードウェイでの彼らの葛藤や競争を描く伝記映画。これもまたMGM作品だ。

その後も数多くのミュージカル映画が制作された(この時期がミュージカル映画の第1次黄金期)が、それから数十年が経ち、またも脚浴びるようになる。それが第2次黄金期だ。映画『雨に唄えば』をスタートとし『メリー・ポピンズ』『サウンド・オブ・ミュージック』『ウェスト・サイド物語』が3大ミュージカル映画だろう。これらはアカデミー賞でも話題にのぼった。前者2作品ではミュージカル映画の歌姫とジュリー・アンドリュースを
産み出し、後者1作は新しいミュージカルの概念を確立させた。こうして、ミュージカル映画は近年でも爆発的ヒットを飛ばしいている。ミュージカルは、映画のジャンルにとってなくてはならない存在だ。

話が長くなりましたが、ではミュージカル映画に近しい音楽映画とは、何を定義に産まれたのか?音楽映画とは、ブラスバンドやロックバンドと言った登場人物が楽器を奏でるシーンがあり、映画音楽のスコアとは別に劇中にロックミュージックやポップミュージックと言った往年の懐かしい音楽を起用する映画を示すこともある。映画音楽の起源は、60年代のロックグループ“ビートルズ”主演の『ビートルズがやってくる/ヤァ!ヤァ!ヤァ!』だろう。当時は実験的作品として脚光を浴びたが、単なるアイドル映画としての域を出ないものだった。それが、一線を越えて一つのジャンルとして確立してゆくのは70年代以降のことだ。

従来のミュージカル映画とは一線を画す作品が多く公開され始めたのもこの頃からだ。代表作は『ロッキー・ホラー・ショー』『ザッツ・エンターテイン』『オール・ザット・ジャズ』と言った作品が有名だ。ジャンルはミュージカルだが、今までとはまったく違う新しい手法の作品だ。時代と共に変革していく、映画ジャンル。その変化は、80年代から顕著に顕れ始める。『初体験リッジモンド・ハイ』『フットルース』『フラッシュ・ダンス』と言った普通の青春映画なのだが、あえて映画音楽を使用せず、当時のヒット曲をBGMとして劇中に散りばめた手法は80年代の作品に見られた。過去に、この手法を用いて描かれた作品は、60年代の古き良きアメリカを描いた70年代公開の『アメリカン・グラフィティ』が存在する。

90年代以降には、加速度を増して音楽映画が制作されるようになる。この辺りから、ジャンルも確立され、世間一般にも認知されるようになる。代表作には『天使にラブソングを』シリーズ『ブラス』『陽のあたる教室』『ミュージック・オブ・ハート』と挙げればきりがない程、多量生産されている。00年代以降も同じ勢いのまま制作されている。『パイレーツ・ロック』『スクール・オブ・ロック』『海の上のピアニスト』『ペルシャ猫を誰も知らない』『クレイジーハート』『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』『オーケストラ』『コーラス』『アクロス・ザ・ユニバース』多くの作品を列挙してしまいましたが、これらの作品群を見てひとつ分かることがあります。それは、音楽映画がアメリカのみならず、全世界で制作されているのがよく分かる。『ペルシャ猫』はイラン映画。『オーケストラ』『コーラス』はフランス映画。『海の上のピアニスト』はアメリカが出資しているから、アメリカ映画とも言っていいが、監督がイタリア人だ。他にも『ウォーク・ザ・ライン』は賞レースに参戦し、見事受賞まで果たしている。

近年、ミュージカル映画の大量生産が衰えを見せている。過去にあった、爆発的ミュージカルブームはもうない。数年に一度の割合でヒットする傾向がある。例えば、2002年の『シカゴ』2009年の『マンマ・ミーア』同年の『ハイスクール・ミュージカル』そして、最も記憶に新しい2012年の『レ・ミゼラブル』。今年には『アニー』(リメイク版)と新作『イン・トゥ・ウッヅ』とミュージカル映画は制作されているが、だいたいが数年に1本のペースだ。

それに変わるジャンルが、まさに音楽映画だろう。70年代に公開された異色ミュージカルから少しずつ派生し、近年にはやっとひとつのジャンルとして確立している。昨年にはフラッシュ・モブをモチーフにしたイギリス映画『サンシャイン/歌声が響く街』等、音楽映画の中でも異色作品が多く産まれている。100年近い歴史を誇るミュージカル映画も時代と共に形、姿を変えて来た。次世代に残る音楽映画のこれからの行く末が、今からでも楽しみだ。

映画を彩る劇中音楽

本作で最も華があるのは、なんと言っても街中でのレコーディング風景だろう。エンパイア・ステート・ビルが眺める雑居ビル、地下鉄駅構内、路地裏での演奏など、私たちが知らないニューヨークの“顔”がそこにはある。それらのシーンを飾るのは、監督ジョン・カーニーと作曲家兼音楽プロデューサーのグレッグ・アレキサンダーが作詞、作曲した劇中に流れるオリジナル楽曲だ。特に、キーラ・ナイトレイが歌う数曲は心に残る曲が多い。また彼女の歌声も美しい。キーラが歌う『Tell Me If You Wanna Go Home』『Like A Fool』『Lost Stars』『A Step You Can’t Take Back』『Coming Up Roses』の5曲は完成度が高い。

『A Step You Can’t Take Back』

ダンとグレタが、ライブハウスで初めて会うシーンで使用されている。弾き語りで歌う彼女の姿を見たダンのイメージが膨らみ、ギターだけのシンプルな楽曲が彼の想像の中でアレンジされていく表現は、なかなか面白い。

『Coming Up Roses』

ダンとグレタが街中で行うゲリラレコーディングの企画の一発目。路地裏で遊ぶ子ども達のコーラス、街中の雑音もBGMに加えた重厚な一曲。

『Tell Me If You Wanna Go Home』

ニューヨークを象徴するエンパイア・ステート・ビルが一望できる雑居ビルの屋上でのレコーディング。ある事がきっかけで、不仲だったダンの家族、妻と娘も参加。ダンの妻ミリアムは音楽評論家。娘のバイオレットが弾くベースを中心にバンドが一体化していく様は、映画をより一層盛り上げる大切なシーンだ。

『Like A Fool』

伴奏がピアノだけのとてもシンプルな一曲だが、グレタが別れた恋人デイブに対する想いを赤裸々に綴った歌詞だ。それを、デイブの携帯電話の留守電に残すシーンは、男性にとってどこか肩身が狭くなる。この曲を聞いたデイブは、今までの行いを反省し、グレタとよりを戻そうとするが…。

『Lost Stars』

グレタが初めて作詞、作曲した曲。彼女にとっても、デイブにとっても思い出の一曲。別れてら一度会って、デイブがアレンジした曲を聞いたグレタが別れを言い渡す。後日、元の曲を彼のライブで聴くも、グレタは別れを決意する。この曲は彼らの幸せな日々から別れまでを表した映画にとって大切な一曲。この曲『Lost Stars』は、第87回アカデミー賞にて、主題歌賞にノミネート。受賞は残念ながら、逃してしまうが…。


偶然グレタの弾き語りを聴いたダンが頭の中で、ドラム、ベース、バイオリンなどの音を重ね合わせていくシーンが良かったです。こちらの想像力も膨らみました。
売れるものを作るのか、自分たちの納得のいくものを作るのか。音楽がビジネスになるときには尽きない問題だと思います。

資金はないけれどセンスは確かな二人が、自由な発想でアルバムを制作していく様子はドキュメンタリーのようで楽しかったです。街中でレコーディングという型破りな方法が良いですね。純粋に楽しんで作ったものは人の心に響くのだと改めて感じました。
そして、キーラ・ナイトレイの歌声がとても素敵で驚きました。(女性 40代)


最悪の日に運命的に出会ったダンとグレタ。ダンはプロデューサーとして、グレタのレコーディングを行う。レコーディングと言えば、綺麗なスタジオに籠って行うのが一般的だと思う。でも彼らは、ニューヨークの街をスタジオにしてレコーディングを行う。それが本当に楽しそうで、音楽って良いものだなと純粋に思えた。人々の笑顔や街の景色など、どのシーンを切り取ってもオシャレで素敵だった。嫌なことがあった日に、ぜひとも見て欲しい作品。元気をもらえると思う。(女性 30代)


壁にぶつかったとき、前向きにさせてくれる作品だ。様々な事情を抱えた人たちが音楽を通して、新しい人生の「はじまり」を見つけていく。再生、再起の物語は、彼らの作る音楽のように心が躍るような、ワクワクする気持ちにさせてくれた。また、映画の中にニューヨークの魅力がたくさん詰め込まれていて、裏路地や、地下鉄の駅、公園など、グレタとダンが同じ曲を聴きながらお互いリズムにのって夜のニューヨークをめぐるシーンがとても心地よかった。(女性 20代)

映画『はじまりのうた』 まとめ

ジョン・カーニー監督の長編デビュー作『Once ダブリンの街角で』で描いた世界観をそのまま、ニューヨークに移し替えたような本作。前作と異なるのは、低予算でないためより映像がクリアで、見やすい。前作は低予算なため、画面が暗く、手ぶれが激しい。けれども、音楽を通して語られる二人の男女の関係性は、私たちに毎日を楽しく過ごす元気を与えてくれる魅力で溢れている。

また、映画を彩る楽曲の素晴らしさ。サウンド・トラックにするのは、本当にもったいない。まるで、一枚のスタジオ・アルバムを聞いているような感覚になれる。観終わった後の躍動感。もう一度、劇場に足を運びたくなる映画は、なかなか巡り会えない。あの感動は、スクリーンでしか味わえない。そんな作品だ。ここにまたひとつ、映画史に残る傑作が誕生した事は、言うまでもない。

映画のラストで、グレタとダンが会社を裏切る行為をし、またもダンが会社から解雇されてしまうシ-ンで映画は終わる。その後は描かれていないが、私の勝手な想像ですが、ダンとグレタが新しい会社を設立するであろうと…。

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