荒川青は下北沢にある古着屋で店員として働いていた。休日は古本屋やライブ会場を訪れ、代わり映えのない日々を送っていた。そんなある日、美術大学の学生である高橋町子から、自主制作映画への出演を打診される。
映画『街の上で』の作品情報
- タイトル
- 街の上で
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2021年4月9日(金)
- 上映時間
- 130分
- ジャンル
- ラブストーリー
ヒューマンドラマ - 監督
- 今泉力哉
- 脚本
- 今泉力哉
大橋裕之 - 製作
- 遠藤日登思
K・K・リバース
坂本麻衣
髭野純
諸田創 - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 若葉竜也
穂志もえか
古川琴音
萩原みのり
中田青渚
村上由規乃
遠藤雄斗
上のしおり - 製作国
- 日本
- 配給
- 「街の上で」 フィルムパートナーズ
映画『街の上で』の作品概要
映画『愛がなんだ』(19)を手掛けた今泉力哉監督作品。漫画家の大橋裕之と共同で脚本を執筆したオリジナルストーリー。「ファッションの街」や「演劇の街」として知られている下北沢でオールロケが行われている。映画『葛城事件』(16)での演技が高く評価された実力派俳優の若葉竜也が映画初主演を務めており、人気俳優の成田凌が友情出演している。男女二人組バンド「ラッキーオールドサン」の書き下ろし楽曲が主題歌に起用された。
映画『街の上で』の予告動画
映画『街の上で』の登場人物(キャスト)
- 荒川青(若葉竜也)
- 下北沢にある古着屋で働く店員。休日は一人でブラブラしている。別れた元カノに未練がある。
- 高橋町子(萩原みのり)
- 美術大学の学生。自主制作映画を撮っている。荒川青に映画の出演を打診する。
映画『街の上で』のあらすじ(ネタバレなし)
荒川青は下北沢にある古着屋で、店員として働いていた。休日は、特定の友達とつるむことはなく、古本屋やライブ会場へと一人で足を運んでいた。恋人はいたが、浮気され振られてしまった。しかし、青は未だに元カノへの思いを捨てきれずにいた。
ある日、青は古着屋を訪れた高橋町子という名の女性から、自主制作映画への出演を打診される。町子は美術大学の学生で、映画を撮っていた。青は行きつけの飲み屋に行き、常連客に相談した。すると、町子に思いを寄せられているのではないかと言われる。
青は代わり映えのしない毎日を送っていた。自主制作映画に出演することは、彼にとってある意味冒険だった。悩んだ末、青は自主制作映画に出演することを決める。
映画『街の上で』の感想・評価
若葉竜也映画初主演
下北沢にある古着屋で働く青年・荒川青役を務めたのは、本作が映画初主演となる俳優の若葉竜也。演技力の高さに定評がある人物で、映画『葛城事件』(16)では無差別殺人事件を起こす青年役を務め「第8回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞」を受賞している。その他、草彅剛が主演を務めた映画『台風家族』(19)や、辻村深月原作の小説を元に制作された映画『朝が来る』(20)などの話題作に出演している。
主人公の元恋人・川瀬雪役は、女優の穂志もえか。歌手の「JUJU」の楽曲『東京』のMVに出演している。古書店の店員・田辺冬子役は、女優の古川琴音。映画『十二人の死にたい子どもたち』(19)に出演し、一躍有名になる。美術大学の学生・高橋町子役は、女優の萩原みのり。2021年1月29日に公開された映画『花束みたいな恋をした』に出演している。そして、人気俳優の成田凌が、友情出演している。
監督・今泉力哉×漫画家・大橋裕之 脚本を共同執筆
本作の監督を務めたのは、今泉力哉。代表作として、「第26回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門」に出品された映画『サッドティー』(13)、「第29回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門」に出品された映画『退屈な日々にさようならを』(16)、「第31回東京国際映画祭コンペティション部門」に出品された映画『愛がなんだ』(19)などがある。
脚本は今泉力哉監督と大橋裕之が共同で執筆している。本作はオリジナル脚本によって制作された映画である。大橋裕之は俳優、漫画家として活躍している人物である。代表作として、『シティライツ』や『太郎は水になりたかった』などの作品がある。
また、撮影・岩永洋、録音・根本飛鳥など、今泉力哉監督と一緒に仕事をしたことがあるスタッフが集結している。
男女二人組バンド「ラッキーオールドサン」書き下ろし主題歌!
主題歌を担当したのは、男女二人組バンド「ラッキーオールドサン」。2014年12月17日にミニアルバム『I’m so sorry, mom』を発売し、デビューを果たす。本作の主題歌に起用された『街の人』は、映画のために書き下ろされた楽曲である。どこか哀愁を感じる繊細な二人の歌声と、シンプルだが力強いメロディーが印象的な楽曲になっている。
音楽を手掛けたのは、シンガーソングライターとしても活躍している入江陽。作家としての顔も併せ持ち、ファッション雑誌『装苑』や月刊音楽雑誌『ミュージック・マガジン』で連載を担当している。そして、西村晋也監督の『Sweet Sickness』(13)や瀬々敬久監督の映画『最低。』(17)などの作品で、映画音楽を手掛けている。
映画『街の上で』の公開前に見ておきたい映画
愛がなんだ
今泉力哉が監督&脚本を担当した作品。角田光代原作の恋愛小説を元に制作されている。4ピースバンド「Homecomings」の楽曲『Cakes』が主題歌に起用された。マモルという名の青年に出会い、彼に一途に思いを寄せるようになるアラサー女性の片思いが描かれている。女優の岸井ゆきのが主人公のテルコを演じ、俳優の成田凌がマモルを演じた。
28歳のテルコは飲み会の席でマモルに出会い、一目で恋に落ちる。都合の良いように扱われても、会社がクビになりそうになっても、相談した友達に冷めた目で見られても、気にならないくらい彼に恋をしていた。だが、マモルはテルコを恋人にはしなかった。テルコの知らない間にすみれという名の女性に出会い、彼女に思いを寄せていた。
詳細 愛がなんだ
葛城事件
若葉竜也が無差別殺人事件を起こす、葛城家の次男・稔役で出演している。赤堀雅秋が作&演出を手掛けた同名舞台を元に制作した作品。赤堀雅秋自身が監督&脚本を担当している。俳優の三浦友和、女優の南果歩、田中麗奈らが出演している。葛城家の父・清を軸に、重厚な人間ドラマが描かれている。
葛城家の次男・稔は無差別殺人事件を起こし、逮捕された。そして、裁判の結果、死刑が求刑される。葛城家の父・清は高圧的な暴君で、自分の言うことが絶対だった。妻の伸子は清のせいで精神を病んでいき、長男の保は清に対して極端に委縮していた。一方、星野順子は「死刑制度」に反対しており、稔と獄中結婚することを決める。清は順子の考えを理解することができず、暴言を吐いた。
詳細 葛城事件
そんな彼なら捨てちゃえば?
ジャンル:ラブストーリー(恋愛群青劇)。グレッグ・ベーレントとリズ・タシーロ原作の単行本『そんな彼ならすてちゃえば』及び単行本『恋愛修行 最高のパートナーと結婚するための恋愛心得』を元に制作された作品。日本でも人気のジェニファー・アニストン、ベン・アフレック、スカーレット・ヨハンソン、ジェニファー・コネリーら豪華なキャストが集結している。
ベスには同棲して7年目になる恋人がいた。結婚することを夢見ていたが、恋人のニールはあまり乗り気ではなかった。悩んだ結果、ベスはニールと別れることを決める。一方、ジジは恋愛に積極的だったが、男心が分からず上手くいかなかった。そんな時、出会ったバーテンダーのアレックスに、話を聞いてもらうようになる。ジジはアレックスに惹かれていくが?
映画『街の上で』の評判・口コミ・レビュー
#街の上で
目まぐるしく変わる世の中で存在や繋がりは何より尊くてその街の上で懸命に生きる人々が本当に愛おしい。客観的に観ると何気ない日常の何気ない会話の「間」が何より心地良くて。掛け替えのない幸せってこう言う事だなぁを思い出させてくれた。何度でも観たい作品。#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/1IlJ30ghS9— こじこじ (@kojikojio0318) April 11, 2021
「街の上で」
諦めきれない人々。東京下北沢を舞台に垣間見る人間模様。切り取った日常に、劇的に準備された演出はない。それでも、例えるなら穏やかな午後を過ごすような…ずっと眺めていたい不思議な魅力がそこにあった。ぼんやりするのも悪くはないかなとか。緩やかな心地よさに浸る良作。 pic.twitter.com/ChCCvRrdXG— さえ (@nn_icdi) April 11, 2021
『街の上で』空間の作り方が上手い、間が長いシーンが多々あり映画を観ているというよりリアルの日常を切り取った会話劇で、自然体と違和感の絶妙なバランスで綱渡りしてると終盤のユーモアの応酬で持ってかれて監督にやられた感じ、演者みんな魅力的だし何より主演の若葉竜也が素晴らしすぎたな… pic.twitter.com/NqSxFExTxr
— おゆろ (@Uro__is) April 10, 2021
『街の上で』鑑賞。
年間ベスト10ひと枠確定。青とイハの会話劇を皮切りに、街の序盤の物語や会話中の物語が一気に動き出して面白い!
微妙な空気の間の取り方も妙にリアルで可愛らしい。
一晩の会話劇をここまで楽しませるトリガーにする監督の力量に脱帽です…。
#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/FhS9VfoZix— 洋タルト (@XXVmdvAbBdghi0T) April 11, 2021
『街の上で』
何も変わらぬまま通り過ぎてく人や会話、けれど変化と呼べるほど大層なものでなくても誰かを想い笑顔になったり悲しくなったりムキになったり、瞬間瞬間に存在を感じるだけで心は幾らか潤う。他愛もない人生が少し晴れそうな、物語の端役ぐらいにはなれそうな予感の詰まったw素敵な映画だ pic.twitter.com/eLHLDUiP80— コーディー (@_co_dy) April 10, 2021
映画『街の上で』のまとめ
「文化の街」として愛されている下北沢でオールロケが行われており、風情のある街並みが楽しめる。主人公の荒川青は古着屋で働き、古本屋やライブに通うという代わり映えのない日々を送っていた。自主制作映画の出演を打診されるという非日常が彼の身に降りかかったとき、どのような化学変化が起こるのか、ぜひ映画を見て確かめてみて欲しい。映画の雰囲気にぴったり合う、男女二人組バンド「ラッキーオールドサン」の書き下ろし主題歌も注目である。
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