宮本浩は文具メーカー「マルキタ」の営業マンとして働いていた。不器用だが人一倍正義感の強い男である宮本は、中野靖子という女性と出会い恋に落ちる。2人は幸せな日々を送っていたが、ある事件をきっかけに関係に亀裂が入ってしまう。
映画『宮本から君へ』の作品情報
- タイトル
- 宮本から君へ
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年9月27日(金)
- 上映時間
- 129分
- ジャンル
- ラブストーリー
ヒューマンドラマ - 監督
- 真利子哲也
- 脚本
- 真利子哲也
港岳彦 - 製作
- 佐藤順子
- 製作総指揮
- 河村光庸
岡本東郎 - キャスト
- 池松壮亮
蒼井優
井浦新
一ノ瀬ワタル
柄本時生
星田英利
古舘寛治
ピエール瀧 - 製作国
- 日本
- 配給
- スターサンズ
KADOKAWA
映画『宮本から君へ』の作品概要
2018年にドラマ化もされた新井英樹原作の青年漫画を元に制作された作品。ドラマ版で主人公の宮本浩を演じた池松壮亮と、ドラマ版の脚本・演出を担当した真利子哲也監督が再びタッグを組んだ。ヒロインを演じたのは、女優の蒼井優。池松とは映画『斬、』(18)に引き続いての共演となった。宮本は不器用ながらも正義感が強い男で、ヒロインの中野靖子との恋愛を軸に困難に立ち向かう様子が描かれている。ロックバンド「エレファントカシマシ」のボーカル・宮本浩次が主題歌を担当した。
映画『宮本から君へ』の予告動画
映画『宮本から君へ』の登場人物(キャスト)
- 宮本浩(池松壮亮)
- 文具メーカー「マルキタ」の営業マン。笑顔が作るのが苦手で、不器用な性格。正義感が人一倍強く、熱い男。
- 中野靖子(蒼井優)
- 自立した女性。宮本の先輩の仕事仲間。宮本と出会い、付き合うようになる。男勝りな性格。
- 風間裕二(井浦新)
- 中野靖子の元彼。小説家志望。女性関係にだらしない遊び人。ヒモ気質。
- 真淵拓馬(一ノ瀬ワタル)
- 文具メーカー「マルキタ」の営業先である泉谷建設の部長の息子。現役ラグビー選手。怪力の持ち主。
映画『宮本から君へ』のあらすじ(ネタバレなし)
宮本浩は文具メーカー「マルキタ」の営業マンとして働いていた。だが、笑顔を作るのが苦手で不器用な性格だったため、上手く仕事に馴染めずにいた。そんな彼の良いところは、人一倍正義感が強いところだった。
ある日、宮本は先輩の神保の仕事仲間である中野靖子と出会い、恋に落ちる。靖子の家に元彼の裕二がやって来るが、宮本は「この女は俺が守る」と宣言して靖子を守った。2人は幸せな日々を送った。しかし、営業先との飲み会の席で、事件が起きる。
靖子が営業先の部長の息子であり、大学ラグビーの花形選手である真淵拓馬に襲われてしまう。宮本は泥酔していて靖子の危機に気づかなかった。靖子は守ってくれなかった宮本に失望し、2人の関係に亀裂が生まれてしまう。
映画『宮本から君へ』の感想・評価
熱い作品
本作は新井英樹原作の青年漫画を元に制作されている。主人公の宮本浩は不器用ながらも必死に社会を生きようと頑張っており、「暑苦しい男は嫌いだ」と読者からバッシングを受けたことがあった。それほどまでに強烈な熱量を持った、他にはない唯一無二の作品となっている。ちなみに、宮本浩は新井が好きなロックバンド「エレファントカシマシ」のボーカル宮本浩次から名付けられている。
漫画『宮本から君へ』は原作者の新井自身の実体験が生かされている。新井も漫画家としてデビューする前に文具メーカーの営業マンとして働いた。新井は2018年に実写映画化された『愛しのアイリーン』の原作者としても有名である。そして、漫画『宮本から君へ』では、「第38回小学館漫画賞・青年一般部門」を受賞している。
連続ドラマ化から実写映画化へ
2018年、『宮本から君へ』はテレビ東京系列で連続ドラマとして放送された。ドラマ版でも主人公の宮本を池松が演じており、真利子哲也監督が脚本と演出を担当している。今回映画化するに当たり、池松と真利子監督が再びタッグを組むことになった。ドラマ版では宮本がサラリーマンとして頑張る日々にスポットが当てられていたため、映画版ではまた一味違う『宮本から君へ』が楽しめる。
ドラマ版では、エレファントカシマシがオープニング曲を担当していた。映画版では、ボーカルの宮本浩次が主題歌を担当している。主題歌の『Do you remember?』は映画のために書き下ろされた楽曲である。ギターにパンク・ロックバンド「Hi-STANDARD」のギター&コーラスを担当している横山健を迎えた、豪華な曲に仕上がっている。映画の熱量に負けない、宮本の力強い歌声は圧巻である。
池松壮亮×蒼井優
不器用で熱い男・宮本浩を演じたのは、若手俳優の中でも高い演技力に定評がある池松壮亮。ハリウッド映画『ラストサムライ』(03)で映画出演デビューを果たして以降、『紙の月』(14)や『万引き家族』(18)など様々な話題作に出演している。
そして、ヒロインの中野靖子を演じたのは、女優だけでなく声優、ナレーターなどマルチな活躍をみせる蒼井優。池松と蒼井は映画『斬、』(18)に引き続いての共演となった。『斬、』とはまた一味違う、池松と蒼井の関係性と演技に注目してもらいたい。
物語の重要な役どころとなる中野靖子の元彼・風間裕二を井浦新が、中野を襲う真淵拓馬を一之瀬ワタルがそれぞれ演じた。一之瀬は真淵を演じるに当たり、体重を30kg以上増量している。ストーリーに飲み込まれていない、俳優達の熱い演技を感じて欲しい。
映画『宮本から君へ』の公開前に見ておきたい映画
ラストサムライ
池松壮亮の映画初出演作。日本を舞台にしたハリウッド映画で、渡辺謙、真田広之、小雪など日本の俳優が多数出演している。主演を務めたのはトム・クルーズで、アメリカの士官ネイサン・オールグレン大尉を演じている。池松はネイサン・オールグレンと交流を深める少年、飛源を演じた。
ネイサン・オールグレン大尉は戦争で女性達を殺したことを悔い、生きる気力を失くしていた。そんなある日、大佐に日本の大臣・大村松江を紹介される。ネイサンは陸軍の訓練指揮官として、日本を訪れることになった。そこでは、天皇制に反対する一派の存在や近代武器の扱いに不得手な日本の兵士達など、問題は山のようにあった。しかし、天皇制に反対する勝元盛次と出会ったことで武士道を理解し、自分の在り方について見つめ直すことになる。
詳細 ラスト サムライ
斬、
池松壮亮×蒼井優が共演している作品。塚本晋也が監督・脚本・出演・撮影・編集・製作を務めている。塚本監督にとって本作が初めての時代劇となった。池松が演じた浪人・都筑杢之進を通して、「生と死」について描かれた作品。蒼井は都筑杢之進と思いを通わせる女性・ゆうを演じた。「第75回ヴェネツィア国際映画祭・コンペティション部門」や「第54回トロント国際映画祭・マスターズ部門」など海外の映画祭に出品されており、高い評価を受けた。
江戸時代末期。浪人の都筑杢之進は農村で手伝いをしながら、隣人のゆうと思いを通わせ平和に暮らしていた。そんなある日、剣の達人の澤村が現れ、京都の動乱への参戦に誘われる。都筑杢之進はゆうの心配を他所に、澤村と共に行くことを決めた。しかしそんな時、浪人集団が村にやって来る。都筑杢之進は浪人と対話し、そっとしておけば手出ししてくるような奴らではないと知る。だが、村人達は怖がってしまい、澤村に退治を依頼した。それは、復讐の連鎖の始まりだった。
詳細 斬、
ディストラクション・ベイビーズ
真利子哲也の商業映画デビュー作。監督を務め、喜安浩平と共に脚本を共同執筆している。愛媛県松山市が物語の舞台になっており、喧嘩に明け暮れる若者・芦原泰良の姿が描かれている。主演を務めたのは柳楽優弥で、菅田将暉や小松菜奈といった今話題の俳優達が共演している。
芦原泰良は道行く人に突然殴りかかり、やられてもしつこく食い下がるような狂気を孕んだ男だった。そんな泰良が、ある日突然消息を絶つ。弟の将太は、兄を心配した。その頃、泰良は松山市の繁華街で喧嘩に明け暮れていた。高校生の裕也は喧嘩をする泰良を目撃し、彼の強さと狂気に憧れを抱く。裕也は喧嘩をする泰良の姿をSNS上にアップした。そして、次第に自分も女性に対して暴力を振るうようになる。
映画『宮本から君へ』の評判・口コミ・レビュー
『宮本から君へ』
愛する人のため!なんて恰好良さには程遠く大口に追い付こうと血も汗も涙も垂らし咆哮する。愛か独り善がりか理屈が及ぶ隙間なんて1ミリも無い宮本の愚直の極み、けれど何も変えれない無様にそれでも掻き乱され寄り掛かりたくなる。尋常でなく抉られたけど確かに受け取った!最高や! pic.twitter.com/eg5Y6Ci2iw— コーディー (@_co_dy) 2019年9月27日
「宮本から君へ」全身全霊の演技がこれ程までに魂を震わし心が沸騰するのか、終始歯を食いしばって疲れが凄まじいのだけど今年の邦画でこれを超えてくる作品はなさそう、自分の中の漲る何かの行き場がないからとりあえず落ち着く為にシャドーボクシングします、今から観る人この作品に負けんじゃねえぞ pic.twitter.com/mHOq9eq5bv
— おゆろ (@Uro__is) 2019年9月29日
映画「宮本から君へ」
大好きな作品だ!この池松壮亮の熱量と鬱陶しいぐらいの活力、真っ直ぐすぎて、全然曲げないその強さ、人間賛歌映画として完璧でした!
理不尽なぐらいな不幸を最高なぐらい薔薇色に変えてしまう彼の勇ましさは、ドラマより映画の方が好き、断然好き!#池松壮亮#宮本から君へ pic.twitter.com/6phKTcSD3J— 映画のある人生が必要なんです (@sutatyan) 2019年9月28日
【宮本から君へ】
ドラマ版で夢中になった宮本
映画版はお仕事成分少なめ?冒頭からこの熱量??
でも心配無用、あっという間に宮本や靖子に引込まれ共にあちこち揺動かされる
終盤は涙ボロボロ
鼻水も流れ血だらけ傷だらけでもやっぱり宮本はカッコイイ&全身全霊で立向う靖子もよかった!
最高でした🌹 pic.twitter.com/ltG2baKOIK— かりん (@hutarigakesofa) 2019年9月27日
真利子哲也の「宮本から君へ」は125分ずっと拳を握りっぱなしになる程に熱かった。なんと素晴らしいエピローグか。なんつってもバカみたいな熱量の池松壮亮の凄さ!他の役者で撮り直しなんて不可能と思える程のピエール瀧の存在感はやはり唯一無二。最後に大音量で流れる宮本浩次も最高。 pic.twitter.com/CnnV7BHuns
— Akihico Tolimarl (@AkimalTolihico) 2019年9月27日
映画『宮本から君へ』のまとめ
主人公の宮本浩は圧倒的な存在感と熱量を感じられる男で、暑苦しいと感じる人もいるかもしれない。しかし、彼の不器用ながらも必死に生きる様子は、勇気をもらうことができる。池松壮亮はそんな宮本を体当たりで演じている。宮本浩次が歌う主題歌の『Do you remember?』は男らしさを感じられる力強い楽曲になっており、胸に訴えかけてくるものがある。映画にこれほど合う楽曲はないと思えるほど、素晴らしい主題歌である。
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