高校生の「私」は、「何者かになりたい」という夢があった。それから、約10年の月日が流れたが、夢は叶えられていなかった。実家に帰った「私」は、友人と高校時代の皆の憧れの存在だった椎名くんに会いに行くことになる。
映画『ここは退屈迎えに来て』の作品情報
- タイトル
- ここは退屈迎えに来て
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年10月19日(金)
- 上映時間
- 98分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- 廣木隆一
- 脚本
- 櫻井智也
- 製作
- 斉藤剛
高橋章
瀬井哲也
佐野真之
宮前泰志
板倉均
佐竹一美
宇田川寧
田口雄介
杉山剛 - 製作総指揮
- 金吉唯彦
- キャスト
- 橋本愛
門脇麦
成田凌
渡辺大知
岸井ゆきの
内田理央
柳ゆり菜
瀧内公美 - 製作国
- 日本
- 配給
- KADOKAWA
映画『ここは退屈迎えに来て』の作品概要
山内マリコのデビュー作である、連作小説集『ここは退屈迎えに来て』を元に作られた作品。2018年と2019年の大河ドラマに出演することが決まっている橋本愛が、主演を務めている。成田凌が演じる高校の人気者だった男性を中心に、「青春のその後」を描いた群像劇。若い世代を中心に人気を集めているフジファブリックが、主題歌とサウンドトラックを担当しており映画に花を添えている。また、マキタスポーツや村上淳など、個性的だが確かな演技力を兼ね備えている俳優達が脇を固めている。
映画『ここは退屈迎えに来て』の予告動画
映画『ここは退屈迎えに来て』の登場人物(キャスト)
- 私(橋本愛)
- 高校生の頃、「何者かになりたい」という夢を持っていた。東京で暮らしていたが、約10年ぶりに実家に戻る。フリーライターの仕事をしている。高校生の頃、椎名くんに憧れていた。
- あたし(門脇麦)
- 高校生の頃、椎名くんと付き合っていた。大人になった、今も椎名くんのことが忘れられない。フリーター。
- 椎名くん(成田凌)
- あたしの元彼。高校時代、人気者で皆の憧れの存在だった。
- 遠藤(亀田侑樹)
- 「あたし」の高校の同級生。「あたし」のことが好き。
映画『ここは退屈迎えに来て』のあらすじ(ネタバレなし)
高校生の「私」は、「何者かになりたい」という夢があった。それから、約10年の月日が流れたが、夢は叶えられていなかった。大人になった「私」は、フリーライターの仕事をしていた。ある日、「私」は実家に戻ることにした。そこで、友人のサツキと再会し、かつて憧れていた椎名に会いに行くことになった。高校時代、椎名は人気者で皆の憧れの的だった。
22歳の「あたし」は、元彼の椎名のことが忘れられずにいた。高校卒業後、椎名が大阪に引っ越してしまい、そこから連絡が取れなくなってしまったのだ。「あたし」は椎名がいない寂しさを、同級生の遠藤と体を繋げることで紛らわせていた。そんな遠藤は、「あたし」のことが好きだった。
「青春」の後にあるものとは一体何なのだろうか。皆自分の居場所や、一緒にいる相手を模索していた。
映画『ここは退屈迎えに来て』の感想・評価
原作者・山内マリコ
山内マリコ原作の連作小説集『ここは退屈迎えに来て』を元に作られた作品。山内にとってこの作品がデビュー作となった。この小説集の中には、「第7回R-18文学賞・読者賞」を受賞した短編小説『十六歳はセックスの齢』が含まれている。『ここは退屈迎えに来て』は加藤ミリヤなど芸能人のファンも多く、支持されている作品である。
山内自身も大阪芸術大学芸術学部・映像学科を卒業後、映画の「私」と同じようにライターの仕事をしていたことがある。山内は25歳のときにライターの仕事を辞め、執筆活動を始めた。他に有名な山内著書の本は、蒼井優主演で映画化された『アズミ・ハルコは行方不明』(16)がある。映画の『アズミ・ハルコは行方不明』は、「第29回東京国際映画祭・コンペティション部門」にノミネートされている。
橋本愛×門脇麦×成田凌
主演を演じたのは、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で主人公の親友役を演じて話題を集めた橋本愛。橋本は若手女優ながら演技の実力は周囲にも認められており、2018年の大河ドラマ『西郷どん』と2019年の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』に出演することが決まっている。
この映画のもう1人の主人公と言っても過言ではない「あたし」を演じたのは、『闇金ウシジマくん Part2』(14)で応援するホストをナンバーワンにするため、体を売る女性を演じて話題になった門脇麦。門脇は『二重生活』(15)で論文のために隣人を尾行する女性を演じたり、『止められるか、俺たちを』(18)で映画製作に没頭する女性を演じたりと、他にはない難しい役どころを見事に演じ切っている。
高校時代皆の憧れの的だった人物を演じたのは、ファッション雑誌『MEN’S NON-NO』で専属モデルを務めている成田凌。成田は映画やドラマの他に声優やナレーターなど、幅広い活躍を行っている人物である。
廣木隆一監督
廣木隆一監督は『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17)や『余命1ヶ月の花嫁』(09)など感動できる作品を手掛けたり、『PとJK』(17)や『オオカミ少女と黒王子』(16)などのラブコメ作品を手掛けたり、幅広いジャンルの映画を制作することで有名な人物である。
廣木隆一監督は映画だけではなく、様々な場で活躍している。ジャニーズのアイドルグループKinKi Kidsの『まだ涙にならない悲しみが』という楽曲のPVを制作したり、又吉直樹原作の小説『火花』のドラマ監督を担当したりしている。また、不倫と同性愛をテーマにした『火星のカノン』(01)や、みうらじゅんの自伝的青春小説を元に作られている『色即ぜねれいしょん』(08)に出演しており、俳優経験もある。
映画『ここは退屈迎えに来て』の公開前に見ておきたい映画
アナザー Another
橋本愛が俳優の山﨑賢人と共に主演を務めた作品。綾辻行人原作の小説『Another』を元に作られている。原作は累計発行部数65万部を超えるヒット作で、2013年には続編となる『Another エピソードS』が出版されている。さらに、2014年からは2作品の続編となる、『Another 2001』が連載されている。映画の他に漫画化・アニメ化もされている。橋本は映画が公開された年に、「第36回日本アカデミー賞・優秀新人俳優賞」を受賞している。
新たな恐怖が始まろうとしていた。1998年、榊原恒一は父の仕事の都合で、祖父母の下で暮らすことになった。転校したクラスの生徒達はどこかおかしく、榊原は違和感を持つ。1人の女子生徒をいないものとして扱っていたのだ。それは「触れてはいけないもの」だった。
詳細 アナザー Another
二重生活
門脇麦の単独初主演作品。小池真理子原作の小説『二重生活』を元に作られている。監督を務めたのは、TBS系列のドキュメンタリー番組『情熱大陸』でコンセプトワークに携わっていた岸善幸。本作品は海外の映画祭でも上映され、「第16回ニューヨーク・アジア映画祭・審査員特別賞」を受賞している。
24歳の珠は、哲学の修士論文について模索していた。そんなある日、大学の教授である篠原から、理由のない尾行を勧められる。対象者は無作為に選ぶことになり、珠は妻子ある隣人を尾行することにした。尾行のときに注意しなければならないのは、対象者と接触しないことだった。そんな珠には同棲中の恋人・卓也がいた。だが、珠は尾行に熱中するあまり、卓也を疎かにしてしまう。
詳細 二重生活
PとJK
廣木隆一監督の代表作。三次マキ原作の漫画『PとJK』を元に作られた作品。漫画は「第41回講談社漫画賞少女部門」を受賞しており、累計発行部数420万部を超える大ヒット作である。ジャニーズのアイドルグループKAT-TUNに所属する亀梨和也が主演を務め、土屋太鳳がヒロインを演じた。
仕事に真面目な警察官・佐賀野功太と、ピュアな女子高生・本谷歌子が出会い恋に落ちた。2人は一緒にいるため、結婚することを決める。それから、周囲に内緒の結婚生活が始まった。2人はそれでも一緒にいられることに幸せを感じていたが、歌子が子供で功太が大人であるため、少しずつ気持ちがすれ違ってしまう。歌子と功太の恋は、果たしてどうなってしまうのか。
詳細 PとJK
映画『ここは退屈迎えに来て』の評判・口コミ・レビュー
『ここは退屈迎えに来て』って複雑なようでけっこう明快な答えを終盤でズバリと出してくれてる、爽やかに胸すくラストがとても鮮やかな物語なんですよね。ほんとに頑張って、上映中あきらめずにきちんと頭ん中を整理しつつ鑑賞してほしいです、めっちゃ好きです
— たにぐちたかお🍳精力善用 自他共栄 (@ROCKinTamagic) 2018年10月20日
ここは退屈迎えに来て
原作未読。東京から帰郷した27歳の女性が、居場所を見いだそうとする姿を追う。門脇麦さん以外の若手俳優さん達は顔なじみが無く、人物多いし現代と過去(高校時代)が交錯するしで、この人誰だっけ?となって頭がグルグル。長回しなカメラワークが多く、ちょっと退屈になるかも。— とんこ🍀 (@1_eiganoheya) 2018年10月20日
昨日公開の『ここは退屈迎えに来て』を観てきた。正直岸井ゆきのさん目当てで劇場に足を運んだことは否めないけれど、不思議に惹かれる映画だった。自分と同時期に「地方」に生まれ育った若者たちの、2004年~2013年の物語。機会があればもう一度観たい。#ここは退屈迎えに来て
— 横田省六 (@yokota_6) 2018年10月20日
『ここは退屈迎えに来て』・・★★★★★、心がヒリヒリ胃がキリキリする。私は一体何を焦り、何に怯え、何を恐れているのだろう?何が解らないかが分からないと云う得体の知れないジメジメ感が襲ってくるのは、きっと同族嫌悪だと思う。退屈なら迎えを待つな・・自分で進め。分ちゃいるけどなんとやら pic.twitter.com/YAr8V7xXOD
— デブータ (@debuuuta) 2018年10月20日
「ここは退屈迎えに来て」。橋本愛も門脇麦も相変わらずいい。が、話散らし過ぎて、しかもまとめる気がないもんだから、よくある、地方都市が如何に退屈かという話と、あまり変わらなくなってしまった気もする。 #eiga
— メモ8 (@nagao_memo8) 2018年10月20日
映画『ここは退屈迎えに来て』のまとめ
高校時代の「青春」まっただ中ではなく、「青春のその後」である大人になった登場人物達の姿にスポットが当てられている。大人になった彼らは、青春中の未来へ希望を抱いていたときのキラキラした感じはなくなり、皆現実を受け止めてどう生きるべきか模索している。そこがおもしろいなと感じた。皆の人気者がいたり、結婚に憧れている人がいたり、夢を諦めた人がいたり、様々な立場の人が登場するため、誰かに感情移入しながら楽しめる作品だと思う。
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