箱入り娘の榛原華子は、結婚することで幸せになれると思っていた。しかし、20代後半で恋人に振られてしまう。焦った華子は、お見合いを通じて弁護士の青木幸一郎と出会い、結婚することを決める。
映画『あのこは貴族』の作品情報
- タイトル
- あのこは貴族
- 原題
- なし
- 製作年
- 2021年
- 日本公開日
- 2021年2月26日（金）
- 上映時間
- 124分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- 岨手由貴子
- 脚本
- 岨手由貴子
- 製作
- 西ヶ谷寿一
西川朝子
宮本綾 - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 門脇麦
水原希子
高良健吾
石橋静河
山下リオ
佐戸井けん太
篠原ゆき子
石橋けい - 製作国
- 日本
- 配給
- 東京テアトル、バンダイナムコアーツ
映画『あのこは貴族』の作品概要
デビュー作の連作小説集『ここは退屈迎えに来て』で一躍有名になった、山内マリコ原作の小説を元に制作された作品。お嬢様の榛原華子×自立した女性・時岡美紀、立場の違う二人が出会い自分の人生に苦悩する姿が描かれている。実力派女優として人気の門脇麦を始め、水原希子、高良健吾、石橋静河、山下リオら豪華なキャストが出演している。新進気鋭の女性監督として業界内でも一目置かれている岨手由貴子が、監督＆脚本を担当した。
映画『あのこは貴族』の予告動画
映画『あのこは貴族』の登場人物（キャスト）
- 榛原華子（門脇麦）
- 東京出身。箱入り娘。何不自由ない生活を送る。結婚することで幸せになれると思っていたため、恋人に振られたことに焦りを感じる。
- 時岡美紀（水原希子）
- 富山出身。青木幸一郎の大学の同級生。幸一郎と体の関係を持っている。学費が足りず、夜の世界で働いていた。自立した女性。
- 青木幸一郎（高良健吾）
- 弁護士。ハンサムで、家柄が良い。榛原華子と出会い、結婚することを決める。
映画『あのこは貴族』のあらすじ（ネタバレなし）
榛原華子は東京出身のお嬢様で、裕福な暮らしを送っていた。結婚することで幸せになれると思っていたが、付き合っていた恋人から振られてしまう。焦った華子は、お見合いをすることにした。お見合いの相手は、華子よりも遥に家柄が良い弁護士の青木幸一郎。華子と幸一郎の結婚は、トントン拍子に決まった。
富山出身の時岡美紀は自由になることを夢見て、大学に進学し上京した。だが、父が職を失ったため、学費を払うことができなくなってしまう。美紀は自分で学費を稼ごうと、夜の世界で働き始めた。
美紀は大学を退学することになった。夜の世界で働いていたとき、大学の同級生だった幸一郎と再会を果たす。二人は体の関係を持ち、ずるずると付き合いを続けた。
華子と美紀は幸一郎の存在を通じて出会った。二人は自分とは真逆な相手の存在に刺激を受け、自分の人生について思いを巡らせた。
映画『あのこは貴族』の感想・評価
大人の女性の心に響く作品
主人公の榛原華子は東京出身のお嬢様。開業医の家庭に生まれ、何不自由ない生活を送ってきた。結婚することで幸せなれると思っていた彼女だったが、20代後半で恋人に振られてしまう。焦った華子はお見合いをした。そして、出会った青木幸一郎と、結婚することを決める。
もう一人の主人公は、富山出身の時岡美紀。努力家な美紀は有名大学に合格するが、学費を払うことができなくなってしまう。自立で学費を用意するため、夜の世界で働き始めた。だが、結局大学は中退することになってしまう。
美紀と幸一郎は大学の同級生だった。華子、美紀は幸一郎の存在を通じて、出会うことになる。そして、家柄も境遇も全く正反対の二人は、相手の考えや人生に刺激を受ける。恋愛、結婚、仕事、将来について苦悩する華子と美紀の姿は、多くの女性の共感を呼ぶはずである。
デビュー作から話題の人気小説家・山内マリコ
本作は出版社「集英社」から刊行された、山内マリコ原作の人気小説を元に制作されている。山内マリコは連作小説集『ここは退屈迎えに来て』でデビューを果たした。その中に含まれている短編『十六歳はセックスの齢』は、「第7回R-18文学賞・読者賞」を受賞しており高く評価された。連作小説集『ここは退屈迎えに来て』は小説家デビュー作ながらも大きな注目を集めており、2018年10月19日に女優・橋本愛主演で映画が公開されている。
出版社「幻冬舎」により刊行された小説『アズミ・ハルコは行方不明』も、2016年12月3日に映画が公開された。主演を務めたのは女優の蒼井優。複雑な人間関係が描かれたラブサスペンスなのだが、現代を生きる女性の心がリアルに描かれており、多くの人に愛される作品となった。
高い演技力を誇る門脇麦×水原希子の共演
東京出身の箱入り娘・榛原華子役は、女優の門脇麦。映画『止められるか、俺たちを』（18）で「第61回ブルーリボン賞主演女優賞」を受賞するなど、高い演技力に定評がある人物である。2020年1月19日から放送されているNHK大河ドラマ『麒麟がくる』にも出演しており、オリジナルキャラクターの駒を演じて大きな話題を集めた。
富山出身の自立した女性・時岡美紀役は、女優の水原希子。ファッション雑誌『Seventeen』や美容雑誌『MAQUIA』などで専属モデルをしていた経歴を持つ。美しい美貌と飾らない人柄から、女性からの支持が厚い。映画『ノルウェイの森』（09）で女優デビューを果たして以降、映画『進撃の巨人』（15）や映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』（17）などの話題作に出演してきた。
映画『あのこは貴族』の公開前に見ておきたい映画
グッド・ストライプス
岨手由貴子の長編商業映画監督デビュー作。岨手由貴子が執筆したオリジナル脚本を元に制作されている。女優・菊池亜希子と俳優・中島歩がダブル主演を務めた。妊娠をきっかけに結婚を決めたマンネリカップルの姿が描かれた大人のラブストーリー映画。シンガーソングライター・大橋トリオの楽曲『めくるめく僕らの出会い』が主題歌に起用された。
萬谷緑は優柔不断な青年・南澤真生と、4年間交際していた。趣味も性格も正反対の二人は最近交際が上手くいっていないことを自覚しており、お互いに別れることを考えていた。そんなある日、緑の妊娠が発覚する。緑と真生は生まれてくる赤ちゃんのために、結婚することを決めた。それからお互いの家族や友人と交流を持つようになり、今まで気にしてこなかった相手の「ルーツ」を知ることになる。
詳細 グッド・ストライプス
ここは退屈迎えに来て
山内マリコ原作の連作小説集を元に制作された作品。門脇麦が主要人物の一人である「あたし」役で出演している。その他、橋本愛、成田凌、渡辺大知、岸井ゆきのなど、人気の若手俳優＆女優達が多数出演している。映画『ママレード・ボーイ』（18）を始めとした大ヒット恋愛映画を多数手掛けていることでも有名な、廣木隆一が監督を務めた。
「私」は高校卒業後に上京するが、そこでの生活は想像していたようなキラキラしたものではなかった。10年後、「私」は実家に戻り、フリーライターとして働いていた。高校の同級生・サツキと再会を果たし、憧れの存在だった椎名に会いに行くことになる。一方、「あたし」は元カレの椎名を忘れることができずにいた。高校の同級生だった遠藤と関係を持ちながら、気持ちを紛らわせていた。
詳細 ここは退屈迎えに来て
奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
水原希子がヒロインの天海あかり役で出演している。主演を務めたのは、実力派俳優の妻夫木聡。渋谷直角原作の漫画を元に制作された作品。映画『モテキ』（11）で「第35回日本アカデミー賞話題賞・優秀作品部門」を受賞した大根仁が、監督＆脚本を担当した。興行収入4億円のヒットを記録した。
雑誌編集者のコーロキ・ユウジは、幼い頃からシンガーソングライターの奥田民生に憧れを抱いていた。ある日、ユウジは超美人ファッションプレスのあかりと出会い、一目惚れをする。ユウジは思い切って告白し、あかりと交際を始める。幸せな日々を送るが、先輩編集者の吉住に「手強い相手だ」と忠告されたことが頭を離れなかった。実は、あかりは出会った男を全員狂わせてしまう、魔性の女だった。
詳細 奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
映画『あのこは貴族』の評判・口コミ・レビュー
『あのこは貴族』
「人は皆、自分の階層の景色しか見る事は出来ない」その事を否定するのではなく受け止め、それによって起こる分断に対抗する唯一と思われる方法をこの映画は提示してみせる
「世界とは他者である」の可視化、ディテールの緻密さ、わかち合える関係への成長…今年暫定ベスト#背骨映画 pic.twitter.com/JDN9nP6I1x— ☠️背◢⁴⁶骨☠️ (@1192seborn) February 27, 2021
『あのこは貴族』鑑賞。原作未読。初岨手由貴子。日本映画に新しい風が吹いた。階層社会をやや誇張して描き女性の生きづらさものかと思いきや、彼女たちの存在のほうに世界を引き寄せ解体してレッテルから解放し前へ進む。『はちどり』のように小さくても急がない丁寧なドラマが生む奇跡。素晴らしい。 pic.twitter.com/MCEGV05iKq
— Taul (@TaulNcCar) February 27, 2021
【あのこは貴族】
お坊ちゃま幸一郎の全てを諦観した感じ。力強い女友達。華子の所作の滑らかさ。美紀の横顔の美しさ。違う階層を生きている二人が出会った時ふんわりとバディに見えた。
冒頭からラストまでエピソード一粒一粒が面白い。しみじみといい作品、大好きです。 pic.twitter.com/cmAUxTjI2f— かりん (@hutarigakesofa) February 27, 2021
｢あのこは貴族｣
富裕層と貧困層、女性同士の対立や分断を煽るのではなく、共存していく。結婚至上主義を否定する新時代的な価値観の提示。新しい指標になりそう。流動的な風景描写も見惚れる。雨の使い方も秀逸。搾取されてる人物同士が連帯する二人乗りのショットも感動的。 pic.twitter.com/ADjllDIYIz— カビリアの深夜 (@okamidori0425) February 27, 2021
『あのこは貴族』
めちゃめちゃ良かった…！東京のお嬢様と地方出身者って主演2人の配役が逆じゃない？と思ったけど全然そんなことなかった。門脇麦が絶対良いのは分かっていたけど、水原希子があんなに最高だったとは。あの自由を纏う眩しさに彼女も彼も僕らも惹かれてしまうんだ#あのこは貴族 pic.twitter.com/9Bb1dBG1bA— ｵｶﾞﾜﾍｳﾞﾝﾘｰ (@k_ogaga) February 27, 2021
映画『あのこは貴族』のまとめ
山内マリコ原作の小説を元に制作された作品。門脇麦、水原希子、高良健吾、石橋静河、山下リオなど豪華なキャストが集結した。東京出身のお嬢様・榛原華子と地方出身の自立した女性・時岡美紀。境遇が全く異なる二人が出会ったことで、お互いに自分の人生について見つめ直す姿が描かれている。仕事や恋愛など様々なことで悩みを抱える現代の女性に「幸せに生きる」ことは一体どういうことなのか、静かに問いかける物語になっている。
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