街にはびこる悪党によって、愛する家族を奪われた外科医のポール・カージーは、復讐の鬼と化して、悪党たちを処刑していく。1974年にチャールズ・ブロンソン主演で公開された『狼よさらば』が、ブルース・ウィリス主演のアクション大作映画になって帰ってきた!
映画『デス・ウィッシュ』の作品情報
- タイトル
- デス・ウィッシュ
- 原題
- Death Wish
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年10月19日(金)
- 上映時間
- 107分
- ジャンル
- アクション
フィルムノワール - 監督
- イーライ・ロス
- 脚本
- ジョー・カーナハン
- 製作
- ロジャー・バーンバウム
- 製作総指揮
- イロナ・ハーツバーグ
- キャスト
- ブルース・ウィリス
ビンセント・ドノフリオ
エリザベス・シュー
ディーン・ノリス
キンバリー・エリス
カミラ・モローネ
ボー・ナップ - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ショウゲート
映画『デス・ウィッシュ』の作品概要
1974年にチャールズ・ブロンソンが主人公を演じて大ヒットした『狼よさらば(原題:Death Wish)』が、ブルース・ウィリス主演で現代に蘇る!『ホステル』(06)や『グリーン・インフェルノ』(13)、『ノック・ノック』(15)などのホラー映画で知られるイーライ・ロスが、アクション大作の監督に初挑戦。脚本を手がけるのは、『スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい』(06)や『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(10)などで監督・脚本を務めたジョー・カーナハン。
映画『デス・ウィッシュ』の予告動画
映画『デス・ウィッシュ』の登場人物(キャスト)
- ポール・カージー(ブルース・ウィリス)
- シカゴ在住の救急患者を診る外科医。何者かに妻を殺され、心を病んだ娘は昏睡状態に陥る。復讐の鬼と化したポールは、自ら銃を手にして、凶悪な犯罪者を次々と処刑していく。
映画『デス・ウィッシュ』のあらすじ(ネタバレなし)
犯罪都市シカゴ。救急患者専門の外科医をしているポール・カージーは、犯罪者に襲われた被害者の生死と毎日向き合っている。そんなポールにとって、愛する妻と娘の存在が、唯一の救いだった。ところが、ポールの留守中に強盗が自宅へ押し入り、妻は殺され、娘は昏睡状態に陥ってしまう。それでも、ポールは外科医を続けていたが、被害者だけでなく、凶悪な犯罪者の命も救っている自分の仕事に疑問を持つ。さらに、あまりに犯罪が多すぎるため、警察の捜査も一向に進まず、ポールは苛立ちを募らせていく。
この不条理な状況が我慢できなくなったポールは、自ら銃を手にして、街へ出る。そして、善良な市民を襲う悪党を、次々と処刑していく。謎の処刑人の存在は、悪党たちを震え上がらせ、市民を喜ばせる。街の救世主となったポールは、世論に煽られるように、復讐劇を加速させていくのだが…。
映画『デス・ウィッシュ』の感想・評価
ブルース・ウィリスのガンアクション
数え切れないほどのアクション映画に出演して、多くのヒット作を生み出してきたブルース・ウィリスも、今年で63歳。しかし、ブルース・ウィリスは40代から今のスキンヘッドを通しているので、あまり加齢を感じさせない。むしろ、どんどんいい男になっており、その人気も全く衰えることがない。
そんなブルース・ウィリスにとって、本作は『RED リターンズ』(13)以来、5年ぶりの本格アクション大作映画への出演となる。物語の内容的に、『ダイ・ハード』シリーズのような激しい肉体派のアクションは期待できないが、ド派手なガンアクションは堪能できる。「銃の撃ち方がかっこいい」というのは、アクションスターにとって、とても大事な要素だ。模造品の拳銃やマシンガンを、いかにも本物っぽくぶっ放すのは、やったことはないけれど、かなり難しいのではないだろうか。その点、百戦錬磨のブルース・ウィリスならば、32口径だろうとマシンガンだろうと自由自在に操ってくれる。ブルース・ウィリスが見せる熟練のガンアクションは、本作の大きな見どころになる。
アメリカ社会の変化
この作品の原作となる小説は、1972年に出版されている。チャールズ・ブロンソン主演の『狼よさらば』は、1974年公開の作品なので、原作と時代背景が同じだ。当時のニューヨークでは、一般市民が銃などの武器を持って自警するという感覚が薄かったようで、主人公の行動は市民や警察に新鮮な驚きを与えている。主人公も、出張先のツーソンで「みんなが銃を持つことは、犯罪の抑止になる」と教えられ、「そういう考え方もあるのか」と衝撃を受ける。そして、1人自警団として、犯罪者を射殺していく。
今回の『デス・ウィッシュ』は、74年版と同じ小説を原作としているが、現代のアメリカを舞台にしているので、原作とは時代が異なる。監督のイーライ・ロスと脚本を担当したジョー・カーナハンは、スマホやSNSといった最新のツールを物語に盛り込み、時代の変化をわかりやすく描写している。現代のアメリカがすっかり銃社会になってしまっている点も、74年版との大きな違いだ。一般市民の銃の所持や使用が珍しくなくなった現代のアメリカで、主人公はどんな復讐劇を見せてくれるのか。その描き方に注目したい。
スカッとする復讐劇
その昔、日本では「仇討ち」という名の私刑が法律的に許されている時代があった。現代では決して許されないことではあるが、大切な家族を不条理に殺された人が、犯人を自分の手で殺してやりたいと思っても、なんら不思議ではない。むしろ日本人は、赤穂浪士の仇討ちを題材とした『忠臣蔵』が愛され続けていることからもわかるように、「大義に殉じた復讐」を称賛する傾向にある。闇の殺し屋が悪党を次々と始末していく「必殺仕事人」シリーズも、日本人は大好きだ。
本作の主人公は、強盗に最愛の妻を殺され、娘はショックのあまり植物状態になってしまう。しかし、なかなか犯人が逮捕されず、主人公は犯罪者全般を憎むようになっていく。そして、「悪党は皆殺しにしてやる」という発想で、自ら囮になって悪党をおびき寄せ、問答無用で処刑してしまう。野蛮な感情なのかもしれないが、好き放題に暴力を振るい、善良な市民を傷つけてきた悪党が退治されるのは、見ていてスカッとする。フィクションだからこそ許される復讐劇なのだから、ここは思う存分スカッとして欲しい。
映画『デス・ウィッシュ』の公開前に見ておきたい映画
狼よさらば
ニューヨークの大手設計会社で都市設計の仕事をしているポール・カージー(チャールズ・ブロンソン)は、愛する妻のジョアンナ(ホープ・ラング)と幸せに暮らしていた。ところが、ポールの留守中に3人組の強盗が自宅マンションへ押し入り、ジョアンナは殺され、帰省していた娘のキャロルも凌辱される。キャロルは事件のショックで心を病み、廃人同然になってしまう。犯罪が多すぎるため、警察の捜査は遅々として進まず、ポールは怒りを募らせる。そんな時、出張で訪れたツーソンで銃を贈られたポールは、夜な夜な街へ繰り出し、自らの手で犯罪者を射殺していく。
1972年にブライアン・ガーフィールドが発表した小説『狼よさらば(原題:Death Wish)』を、チャールズ・ブロンソン主演で映画化した作品。チャールズ・ブロンソンが復讐の鬼と化した愛妻家のサラリーマンを好演し、映画は大ヒットして、本作は全部で5作品も続く人気シリーズになった。世論は主人公の自警行為を好意的に見ているが、連続殺人事件であることに変わりはないので、ニューヨーク市警は必死で謎の処刑人を捜す。その結末がとにかく“粋”で、鑑賞後は爽快な気分を味わえる。1970年代当時の世相がよく反映された内容なので、現代版との違いを探してみるのも面白い。
詳細 狼よさらば
ダイ・ハード
クリスマス。別居中の妻ホリー(ボニー・ベデリア)と子供たちに会うため、ロサンゼルスを訪れたニューヨーク市警のジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は、ホリーが重役を務めている日系企業のクリスマス・パーティに招かれる。そこへ、ハンス・グルーバー(アラン・リックマン)の率いる強盗グループが押し入ってきて、ホリーたち社員は人質にされる。たまたま別室にいたマクレーンは難を逃れ、ビル内を移動しながら、人質救出のために孤軍奮闘する。
ブルース・ウィリス主演のアクション映画で、世界中で爆発的なヒットを記録して、作品はシリーズ化された。本作はブルース・ウィリスの出世作あり、彼は『ダイ・ハード』シリーズの成功により、世界的なスター俳優としての地位を確立する。
主人公のジョン・マクレーンは、何度も危機的状況に追い込まれ、その度にギリギリでピンチを切り抜けていく。「もはやこれまでか…」という状況でも、マクレーンは不屈の精神で戦い続ける。まさに「ダイ・ハード」というタイトル通り、マクレーンはなかなか死なない男なのだ。アクションは本格的だが、脚本と演出が軽快なので、作品全体の印象は明るい。アクション映画としても、娯楽映画としても、その完成度は高い。
詳細 ダイ・ハード
RED レッド
元CIAの凄腕秘密工作員だったフランク・モーゼス(ブルース・ウィリス)は、現役を引退して、退屈な年金生活を送っていた。ところが、謎の武装集団に命を狙われ、年金の電話相談員のサラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)を道連れに、逃亡を余儀なくされる。フランクは、元同僚のジョー(モーガン・フリーマン)やマービン(ジョン・マルコビッチ)やビクトリア(ヘレン・ミレン)に協力を求め、自分の命を狙う黒幕を探し始める。
2010年公開のアクション映画で、ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレンといった大物スターの共演が話題となった。「RED」とは「Retired Extremely Dangerous」の略で、日本語に訳すと「引退した超危険人物」という意味になる。フランクたちは確かに“超危険人物”であり、その行動は破天荒そのもの。それがとても痛快で、ほどよく笑える娯楽アクション映画に仕上がっている。この作品は興行的にも成功して、続編『RED リターンズ』(13)の製作に繋がった。
詳細 RED レッド
映画『デス・ウィッシュ』の評判・口コミ・レビュー
「#デス・ウィッシュ」感想。達人が弱者を演じる系映画は、やっぱり面白い。「オール・ユー〜」のトムと同じく、殺しの素人がブルース・ウィリスに「戻る」姿がカタルシス!
テンポも良く、重すぎず、イーライ・ロスらしいハード演出もあってバランス◎。
ラストバトルがカッコいいんだなこれが! pic.twitter.com/rsRPzYTY19— ( ´ㅅ`)SYO_CINEMA(´ㅅ` ) (@SyoCinema) 2018年10月20日
【デス・ウィッシュ】鑑賞
犯罪が日常茶飯事なシカゴにて事件に巻き込まれた家族。
優しかった医師が憎しみから悪と戦う処刑人に。突っ込みどころが多かったですが、よくある”ただリベンジして終了”な映画ではない点は👍
医師独特の拷問方法など、なかなか見応えある渋いリベンジ映画で面白い。 pic.twitter.com/fpxwKlqB8f
— BILLY’S-MOVIE(グレイテストショーマン部:CEO)通知不具合発生中😭 (@BILLYsMOVIE) 2018年10月20日
『デス・ウィッシュ』鑑賞。妻を殺され娘を傷つけられた主人公が、自らを癒すために自警団活動にいそしむビジランテ・セラピー映画だった。何もできず眠れず、電車に乗って時をやり過ごすしかない姿がなんとも染みたのです。ボーリング玉の”悪魔のピタゴラスイッチ”には笑ってしまった。 pic.twitter.com/3nIe8j9dse
— かさご (@Wander8823) 2018年10月20日
最後は『デス・ウィッシュ』
続く復讐モノ、久々に幕に映るウィリスの眼光は老いて尚鋭くどんな方法を使ってお仕事するのかと思ったら、只の外科医なのでひたすら泥臭いやり方で着実に追い詰めていく…感じでした
イーライ・ロス監督らしいキツいジョークで笑いつつ、しっかり楽しませてもらいました pic.twitter.com/IC9VXi2EqJ— ゆざる (@yuzaru1024) 2018年10月20日
イーライ・ロス監督『デス・ウィッシュ』。思った以上にストレートな復讐アクションだった。とはいえブルース・ウィリスが最初から、カタギではない感満載なので、復讐者への変貌も違和感なし!イーライ・ロスですから、街のダニどもの死に方は『ホステル』並みとか容赦なし!普通に楽しめた。
— 沙藤昌(埴輪) (@haniwasato) 2018年10月20日
映画『デス・ウィッシュ』のまとめ
74年版の『狼よさらば』は、チャールズ・ブロンソンが主演なこともあり、淡々とした印象の渋い作品になっている。主人公が使う銃も32口径の拳銃のみで、ガンアクションもあくまで淡白。ところが、現代版の『デス・ウィッシュ』では、一般市民のはずのブルース・ウィリスがマシンガンをぶっ放し、2丁拳銃で悪党と戦っている。一体、何がどうなって、そんなことになったのか?74年版の『狼よさらば』からは想像もつかないド派手な展開であり、これは気になって仕方がない。そう思った人は、とにかく劇場へ行こう!
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