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映画『ゴールデン・リバー』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

1851年ゴールドラッシュ時代。伝説の殺し屋として名を馳せているシスターズ兄弟は、政府からの密命を受け連絡係の男と共にある人物を追うことになった。その人物は、黄金を探す方法を知る化学者だった。

映画『ゴールデン・リバー』の作品情報

ゴールデン・リバー

タイトル
ゴールデン・リバー
原題
The Sisters Brothers
製作年
2018年
日本公開日
2019年7月5日(金)
上映時間
120分
ジャンル
サスペンス
西部劇
監督
ジャック・オーディアール
脚本
ジャック・オーディアール
トーマス・ビデガン
製作
パスカル・コーシュトゥー
グレゴワール・ソルワ
ミヒェル・メルクト
マイケル・デ・ルカ
アリソン・ディッキー
ジョン・C・ライリー
製作総指揮
ミーガン・エリソン
チェルシー・バーナード
サミー・シャー
キャスト
ジョン・C・ライリー
ホアキン・フェニックス
ジェイク・ギレンホール
リズ・アーメッド
レベッカ・ルート
アリソン・トルマン
ルトガー・ハウアー
キャロル・ケイン
製作国
アメリカ・フランス・ルーマニア・スペイン合作
配給
ギャガ

映画『ゴールデン・リバー』の作品概要

パトリック・デウィット原作の小説『シスターズ・ブラザーズ』を元に制作された作品で、1851年のゴールドラッシュ時代が物語の舞台になっている。殺し屋として活躍するシスターズ兄弟、連絡係の男、黄金を探す方法を知る化学者の4人が出会ったことから巻き起こる友情と疑惑を描いたウェスタン・サスペンス映画。フランスの巨匠ジャック・オーディアールが監督を務め、ハリウッドで活躍する個性派俳優のジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッドが共演している。

映画『ゴールデン・リバー』の予告動画

映画『ゴールデン・リバー』の登場人物(キャスト)

イーライ・シスターズ(ジョン・C・ライリー)
無骨で優しい人物。弟のチャーリーと共に、最強の殺し屋として悪事に手を染めている。
チャーリー・シスターズ(ホアキン・フェニックス)
イーライの弟。挑戦的な性格。度胸があり、危険な人物。裏社会でトップに立つ野望を抱いている。
ジョン・モリス(ジェイク・ギレンホール)
連絡係としてシスターズ兄弟と行動を共にする。ハーマンの話を聞き、彼に傾倒していく。
ハーマン・カーミット・ウォーム(リズ・アーメッド)
黄金を探す方法を知る化学者。政府の依頼を受けたシスターズ兄弟に命を狙われる。

映画『ゴールデン・リバー』のあらすじ(ネタバレなし)

1851年ゴールドラッシュ時代。無骨で優しい兄のイーライ・シスターズと好戦的な弟のチャーリー・シスターズは、誰もが恐れる伝説の殺し屋兄弟だった。シスターズ兄弟は政府からの秘密の依頼を受け、連絡係のジョン・モリスと共にある男を追っていた。その男は黄金を探す方法を知る化学者、ハーマン・カーミット・ウォームだった。

ハーマンは金儲けのためではなく、暴力に支配されない社会にするために黄金を利用しようとしていた。ジョンはハーマンの考えに魅せられ、傾倒していく。シスターズ達を裏切り、ハーマン側についた。シスターズ達は黄金を手に入れるため、ハーマン達と手を組むことにした。

シスターズ達4人は友情を育むようになる。だが、それは長くは続かなかった。黄金を巡り、4人の関係に亀裂が走った。チャーリーは父を殺した過去があり、イーライでさえ危険だと感じる男だった。果たして、4人の運命の行く末とは?

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映画『ゴールデン・リバー』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『ゴールデン・リバー』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『ゴールデン・リバー』の感想・評価

パトリック・デウィット原作小説『シスターズ・ブラザーズ』

映画の元になっているのは、「スティーヴン・リーコック・ユーモア賞」や「オレゴン文学賞」など数々の賞を受賞しているパトリック・デウィット原作の小説『シスターズ・ブラザーズ』である。パトリック・デウィットはカナダ・バンクーバー出身の作家で、カナダで最も権威があると言われている総督文学賞を始めとした4冠を制覇している才能溢れる人物である。

イーライ・シスターズ役のジョン・C・ライリーが原作の小説に惚れ込み、妻でプロデューサーのアリソン・ディッキーと共に映画化権を獲得した。原作版と映画版では設定やストーリーが若干異なっている。その中でも大きく異なる点は、連絡係のジョン・モリスと化学者のハーマン・カーミット・ウォームである。映画版ではジョン達の存在が原作よりも肉付けされており、シスターズ兄弟の運命が大きく変わる存在として重要な位置にある。

監督達がこだわり抜いた作品

ジャック・オーディアールはフランスで映画監督・脚本家として活躍している人物である。1994年に『天使が隣で眠る夜』で映画監督デビューを果たし、2009年に公開された『預言者』で「第62回カンヌ国際映画祭・審査員特別グランプリ」に輝いた。

ジャック・オーディアール監督にとって、本作が初めてのウエスタン作品となった。また、他人が企画した作品を手がけるのも本作が初めてである。ジョン・C・ライリーに勧められて原作小説を読み、本作の監督を務めることになった。

ジャック・オーディアールは撮影監督のブノワ・デビエと手を組み撮影に挑んだ。ブノワ・デビエは作品の世界観を壊さないようにするため、35ミリのフィルムで撮影を行っている。また、4度もアカデミー賞に輝いたことがあるミレーナ・カノネロが衣装を担当しており、ゴールドラッシュ時代の雰囲気を再現している。

ハリウッドで活躍する4人の個性派俳優達の共演

無骨で優しい兄のイーライ・シスターズを演じたのは、映画、舞台、アニメの吹き替えとマルチな才能を見せるジョン・C・ライリー。フィリップ・シーモア・ホフマンと行った2人舞台『True West』は、トニー賞にノミネートされている。

好戦的な弟のチャーリー・シスターズを演じたのは、子役から活躍してきたホアキン・フェニックス。ホアキン・フェニックスは『グラディエーター』(00)で主人公の宿敵であるローマ皇帝のコモドゥスを演じ、高い評価を受けて一躍有名になった。

連絡係のジョン・モリスを演じたのはジェイク・ギレンホール。ジェイク・ギレンホールは男性同士の恋愛を描いた『ブロークバック・マウンテン』(05)の演技が高く評価され、「英国アカデミー賞・助演男優賞」を受賞している。

化学者のハーマン・カーミット・ウォームを演じたのは、俳優だけでなくラッパーとしても活躍するリズ・アーメッド。リズ・アーメッドは2016年に公開されたアメリカの犯罪ドラマ『ザ・ナイト・オブ』での演技が高く評価されており、アジア系男性として初めて「エミー賞・主演男優賞(リミテッドシリーズ・テレビ映画部門)」を受賞している。

映画『ゴールデン・リバー』の公開前に見ておきたい映画

映画『ゴールデン・リバー』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『ゴールデン・リバー』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

預言者

ジャック・オーディアール監督の代表作。「第62回カンヌ国際映画祭・コンペティション部門」で上映され、「審査員特別グランプリ」を受賞した作品。その他にも「英国アカデミー賞・外国語映画賞」や「セザール賞・作品賞」など数々の賞を受賞&ノミネートされており、高い評価を受けている。主役を務めたタハール・ラヒムは厳しいテストの末に同役を獲得した。そして、俳優としての地位を確かなものにした。

19歳のマリクは6年の刑期を言い渡され、刑務所に収監された。そこは人種間の対立が激しく、正義が失われた場所だった。マリクはマフィアのボスであるセザールに目をつけられ、レイェブを殺すよう指示される。犯行を行いたくなかったが、刑務所で生きていくためには拒否する道は残されていなかった。

詳細 預言者

シュガー・ラッシュ

ジョン・C・ライリーが主人公であるレック・イット・ラルフの吹き替えを担当している。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作の作品で、2018年には続編となる『シュガー・ラッシュ:オンライン』が公開された。アーケードゲームの世界が物語の舞台になっている。

ゲームの中には人間の知らない不思議な世界があった。ゲーム『フィックス・イット・フェリックス』の悪役キャラクターであるラルフは、ビルを壊し続けることに嫌気が差していた。本当は周囲に怖がられることなく一緒に遊びたかったので、皆から好かれているヒーローを羨ましく思っていた。ある日、ラルフはレースゲーム『シュガー・ラッシュ』の世界に迷い込んでしまう。そこで、1人ぼっちの少女・ヴァネロペに出会った。

詳細 シュガー・ラッシュ

グラディエーター

ホアキン・フェニックスの代表作。リドリー・スコットが監督を務め、デビッド・フランゾーニ、ジョン・ローガン、ウィリアム・ニコルソンが脚本を担当した作品。帝政ローマ時代中期が物語の舞台となっており、皇帝アウレリウスと皇太子コモドゥスの確執に巻き込まれたローマ軍将軍マキシマス・デシマス・メレディウスの姿が描かれている。

老いた皇帝アウレリウスは、帝位継承について考えていた。皇子コモドゥスは正義感を持たず、野心や策謀に溢れた男であった。アウレリウスはコモドゥスではなく、平民出身の将軍マキシマスに目をつけた。マキシマスは優秀でありながらも、勇敢かつ無欲な男であった。しかし、このアウレリウスの考えが、後にマキシマスを苦しめコモドゥスを暴走させることに繋がってしまう。

詳細 グラディエーター

映画『ゴールデン・リバー』の評判・口コミ・レビュー

映画『ゴールデン・リバー』のまとめ

ゴールドラッシュ時代を舞台に、黄金によって繋がった友情と人間の欲望が描かれた作品。「第75回ベネチア国際映画祭・銀獅子賞(最優秀監督賞)」を受賞しており、批評家からも高い評価を受けている。兄弟で殺し屋をしているが、優しい兄と好戦的な弟という性格が正反対の2人。そして、平和な社会を望んでいる化学者と彼に魅せられた連絡係。性格や生い立ちが異なる4人が出会ったことでどんな化学反応を見せるのか、黄金を手に入れたことでどんな作用を生み出すのかが気になる作品となっている。

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みんなの感想・レビュー

  1. yun より:

    50年代から60年代頃の西部劇なら滅多に描いてこなかっただろう家族愛、兄弟愛というものき深く入り込んだ現代の西部劇である。原題にもなっているシスターズ兄弟の、殺し屋であるのに最後は1番安心できる母の元へ帰るという職業柄とのギャップにほっこりした。

    1850年代のゴールドラッシュの時代背景も相まって、金という欲に取り憑かれた人間たちが最終的にたどり着くのは?というある意味教訓的なテーマ性があるのも興味深い。思わぬ展開になっていくので良い意味で期待を裏切ってくれる作品だった。