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映画『リヴァプール、最後の恋』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

第71回イギリスアカデミー賞で主演女優賞・主演男優賞・脚色賞にノミネートされた2017年の話題作が、ついに日本で封を切る。1950年代にハリウッドで活躍したオスカー女優・グロリア・グレアムの輝かしい女優人生を、実話に基づき美しき恋物語にして描く。

映画『リヴァプール、最後の恋』の作品情報

リヴァプール、最後の恋

タイトル
リヴァプール、最後の恋
原題
Film Stars Don’t Die in Liverpool
製作年
2017年
日本公開日
2019年3月30日(土)
上映時間
105分
ジャンル
ラブストーリー
ヒューマンドラマ
監督
ポール・マクギガン
脚本
マット・グリーンハルシュ
製作
バーバラ・ブロッコリ
コリン・ベインズ
製作総指揮
スチュアート・フォード
ジギー・カマサ
ポール・マクギガン
マイケル・G・ウィルソン
キャスト
アネット・ベニング
ジェイミー・ベル
ジュリー・ウォルターズ
ヴァネッサ・レッドグレイヴ
製作国
アメリカ
配給
キノフィルムズ

映画『リヴァプール、最後の恋』の作品概要

1950年代にハリウッド映画界に颯爽と現れ、一大旋風を巻き起こした名女優・グロリア・グレアム。自由奔放で亡くなる最期まで女性らしく、女優らしく生き抜いた美しきオスカー女優。彼女のかつての恋人で、年の差もキャリアの差も越える恋をしたピーター・ターナーが1987年に発表したグロリア・グレアムの回顧録を実写映像化。グロリアの役には、4度のアカデミー賞ノミネート歴を持つ名女優・アネット・ベニング。相手役の若手舞台俳優ピーター・ターナーを、ジェイミー・ベルが好演する。

映画『リヴァプール、最後の恋』の予告動画

映画『リヴァプール、最後の恋』の登場人物(キャスト)

グロリア・グレアム(アネット・ベニング)
ハリウッドを代表するオスカー女優。だが、現在は落ち目でニューヨークから離れ、1人リヴァプールにやって来る。
ピーター・ターナー(ジェイミー・ベル)
リヴァプール在住の売れない舞台俳優。グロリア・グレアムとアパートの部屋が隣になったことで交流が始まる。

映画『リヴァプール、最後の恋』のあらすじ(ネタバレなし)

1980年代のアメリカ・リヴァプール。アパートに住む売れない舞台役者のピーター・ターナーは、ある日自分よりも年上だが、シャキシャキとした女性に話しかけられる。彼女は自分の隣の部屋にやって来たのだと言う。

どこかで見たことがあるような気がする彼女は、なんとオスカー女優のグロリア・グレアムであった。2人は自然とお互いのことを語り、女優・舞台俳優の苦労を分かち合う。そして時に踊り、笑い合い、一緒に出掛け、映画を見るようになる。次第に恋をしていくのだった。

美しく輝く毎日、ピーターとグロリアはニューヨークに一緒に行き、生活するようになる。だがそんなある日、ピーターはグロリアがホテルで倒れたとの知らせを受ける。突然のことで戸惑いながらも、グロリアから再びリヴァプールに戻りたいから連れて行ってと懇願され、ピーターはグロリアをリヴァプールに連れていく。

彼女の身に何が起きたのか、グロリアは決して口を開こうとはしなかった。グロリアを愛しているが故に、彼女に寄り添い、彼女の意図を汲み、彼女を女優であらせ続けるピーター。2人の愛を確かめるべく、ピーターは舞台上でグロリアに愛の調べを紡ぐのだった。

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映画『リヴァプール、最後の恋』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『リヴァプール、最後の恋』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『リヴァプール、最後の恋』の感想・評価

女優でありながらも、1人の女性として恋に生きたグロリア

まずは、この映画を見るにあたって、ハリウッドで輝かしく活躍していた名女優・グロリア・グレアムがどんな人物であったのかを知る必要がある。

グロリアは、幼い頃から女優の母親の影響を受けて、舞台に立ち、観客を楽しませていた。そして、1946年『素晴らしき哉、人生!』で映画デビューを飾ると、多くの高評価を得る。その後、1947年『十字砲火』でアカデミー賞ノミネート、1952年『悪人と美女』で助演女優賞を受賞する。

今回の『リヴァプール、最後の恋』では、1980年代の物語で、この頃のグロリア・グレアムは、あまり活躍が見られず落ち目だと言われていた。しかし実は、彼女の体はがんに侵されていた。1981年に、ニューヨークの自宅で57歳という若さで死去し、余りの若さに世に惜しまれた人物でもある。

プライベートでは、4度の結婚歴があり実子や義理の子供たちなどに恵まれた。映画に登場しているピーター・ターナーとは、結婚をしなかったようだが、最期まで寄り添う程信頼し合っていた仲のようである。

恋に生きた女優の生涯を演じる名俳優たち

今回の映画に欠かせないテーマは、なんと言っても『名女優の恋物語』である。そして、その名女優を誰が演じるのか、というところが観客たちにとってはとても気になる点である。グロリア役に名が挙がったのは、4度のアカデミー賞にノミネートされた経歴を持つアネット・ベニングである。

彼女は、アカデミー賞常連女優でありながらも、未だ受賞がなく「アカデミー賞を受賞していない名優」として知られている1人である。今作の出演に関しては、1987年にピーター・ターナーが回顧録を発表して以来、ずっと待ち望んでいた役だと語る。実力は申し分なく、脚本の出来以上にアネッサの卓越した演技力が見どころとなっている映画となった。

更に、グロリアの母親役のジーン・グレアムにはアカデミー賞・エミー賞・トニー賞・ゴールデン・グローブ賞などの輝かしい賞を多数受賞した映画スター・ヴァネッサ・レッドグレイヴの名が挙がっている。

ミッション:インポッシブル』や『ディープ・インパクト』、『カーズ2』などアクション映画からアニメーション映画の声優までを多彩にこなし、『英雄の証明』や『大統領執事の涙』などのドラマ映画にも数多く出演している。ヴァネッサの大女優さながらの演技は、ハリウッド映画スター・グロリア・グレアムの母親に相応しい。

映画『リヴァプール、最後の恋』の公開前に見ておきたい映画

映画『リヴァプール、最後の恋』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『リヴァプール、最後の恋』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

悪人と美女

『悪人と美女』は、1952年に公開された、ハリウッドの内幕を描いたドラマ映画である。『リヴァプール、最後の恋』の主人公・グロリア・グレアムが初めてアカデミー賞助演女優賞に輝いた作品で、その他にも脚本・撮影など5部門の受賞に至った。

この年代当時、ハリウッド内幕映画作品はいくつか製作されていたが、その中のジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督の『イヴの総て』と並ぶほどの傑作だと言われていた。

物語は、野心家の映画プロデューサー・ジョナサン・シールズ(カーク・ダグラス)のエゴイズムに翻弄される、3人の映画人の回想を交えたドラマ映画。問題のグロリア・グレアムは、その中の1人ディック・パウエル演じるシナリオライターのジェームズ・リー・バートロウの妻ローズマリーを演じた。

ジョナサンは、シナリオライターの仕事を小説家のジェームズに与え、妻のローズマリーは仕事の邪魔になると判断し、人気男優に預ける。しかし、シナリオが完成した矢先、ローズマリーと人気男優は飛行機事故で亡くなってしまうのだった。仕事のために生活を壊されたジェームズではあったが、ジョナサンとの仕事がきっかけでピューリッツァ賞を受賞し、ハリウッドきっての脚本家となった。

仕事に熱中する夫を心配しながらも、邪魔はできないと身を引いた妻ローズマリー。しかし、それがきっかけでローズマリーは二度と夫の元へ戻ることはできなくなってしまう。彼女の美しい愛情が、演技に如実に表れた作品である。

詳細 悪人と美女

アメリカン・ビューティー

第72回アカデミー賞で作品賞を受賞した、娘の同級生に恋をする中年男性のラブストーリー。1999年当時のアメリカ社会の抱えている闇が描かれた、社会風刺作品としても知られている。『リヴァプール、最後の恋』の主演アネット・ベニングが、主人公の中年男性バーナム氏の妻役で登場しており、イギリスアカデミー賞では主演女優賞を受賞した。

ミセス・バーナムは、自身が経営する不動産会社の成功のことばかりを考えており、夫のことや家庭のことは二の次。典型的な仕事人間で、娘はそんなお母さんの影響を受けて、人に雇われている父親のことを嫌っている。

物語は、ある日父親のバーナム氏が、娘のチアリーディングを見に行った先で、娘の友人である少女アンジェラに一目惚れをしてしまうところから動き出す。このことがきっかけで、バーナム氏がこれまで築いてきた、危うい均衡の上に成り立つ「家庭」は緩やかに崩壊を始め、バーナム氏とバーナム氏を取り巻く家族や友人たちの本音が目まぐるしく飛び交っていくストーリー。テーマこそとんでもないが、アネットや他のキャストがコミカルに演じていることによって、映画の内容は微笑ましく、笑いながら鑑賞することができる。

詳細 アメリカン・ビューティー

リトル・ダンサー

およそ2,000人規模のオーディションから主演に抜擢され、イギリスアカデミー賞では主演男優、英国インディペンデント映画賞では新人俳優賞を受賞した、ジェイミー・ベルの代表作。

この作品は、『めぐりあう時間たち』や、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』などの監督で知られているスティーブン・ダルドリーの長編映画初監督作品でもある。ダルドリー監督は、これまでの映画が全てアカデミー賞作品賞、もしくは監督賞にノミネートされるほどの名監督で知られている。

演出家として活躍していたダルドリーは、映画の中に舞台表現を取り入れ、当時女性がするものとされていたバレエに少年が夢中になり、プロのバレエダンサーを目指すまでの過程を描く青春ドラマ映画を完成させた。

ジェイミー・ベルは、この映画の出演により数々の賞を受賞したことで、イギリスだけでなくハリウッドでも活躍するようになり、その後『キング・コング』、『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』、『ファンタスティック・フォー』などの対策に出演する。

詳細 リトル・ダンサー

映画『リヴァプール、最後の恋』の評判・口コミ・レビュー

映画『リヴァプール、最後の恋』のまとめ

芸能人の私生活や、恋愛模様などいわゆるエンタメ情報は、国や性別を問わず一般の人たちの娯楽の1つとなっている。大女優グロリア・グレアムの恋模様となれば、ファンにはもちろん絶頂期の彼女を知っている人なら誰もが気になる内容である。予告編では、大女優グロリアの無邪気な姿や、美しい笑顔、年齢相応の大人のやり取りなど、忠実に再現されたリアルな姿が印象的だ。また、エルビス・コステロが手掛けた主題歌が、2人の愛の強さや気高さと相まって物語をより美しく仕上げてくれている。

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