インディペンデント・スピリット賞の概要
インディペンデント・スピリット賞とは、NPO団体「Film Independent」が開催している優れたインディペンデント系映画(自主映画)に与えられる賞のことである。「上映時間が70分以上の作品」、「製作費が2000万ドル以下」、「1週間以上商業公開された映画、もしくは指定の映画祭で公開された作品」が選考対象になっている。
文字通り、インディペンデント系映画に与えられる賞というのが一番の特色と言える。ハリウッドのメジャースタジオで制作された作品とは異なる独自性溢れる作品と、新人監督や新人俳優が発掘されやすいという面白みがある。
インディペンデント・スピリット賞の歴史・沿革
1980年代に独立系映画制作者を育成・支援する目的でNPO団体「Film Independent」が設立され、「インディペンデント・スピリット賞」が誕生した。授賞式は毎年アカデミー賞の前日に開催されており、日本でも映画専門チャンネル「ムービープラス」で公開されている。
1985年に行われた第1回目では、『トラブル・イン・マインド』(1985)で日本人の栗田豊通が撮影賞を受賞している。始めは「作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞、撮影賞」しかなかったが、現在では50万ドル以下の制作費で制作された映画に与えられる「ジョン・カサヴェテス賞」や「新人脚本賞」など多種多様な賞がある。
インディペンデント・スピリット賞の歴代受賞作一覧
作品賞
開催回 | 開催年度 | 受賞作品 |
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第39回 | 2023年 | パスト ライブス 再会 |
第38回 | 2022年 | エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス |
第37回 | 2021年 | ロスト・ドーター |
第36回 | 2020年 | ノマドランド |
第35回 | 2019年 | フェアウェル |
第34回 | 2018年 | ビール・ストリートの恋人たち |
第33回 | 2017年 | ゲット・アウト |
第32回 | 2016年 | ムーンライト |
第31回 | 2015年 | スポットライト 世紀のスクープ |
第30回 | 2014年 | バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) |
第29回 | 2013年 | それでも夜は明ける |
第28回 | 2012年 | 世界にひとつのプレイブック |
第27回 | 2011年 | アーティスト |
第26回 | 2010年 | ブラック・スワン |
第25回 | 2009年 | プレシャス |
第24回 | 2008年 | レスラー |
第23回 | 2007年 | JUNO ジュノ |
第22回 | 2006年 | リトル・ミス・サンシャイン |
第21回 | 2005年 | ブロークバック・マウンテン |
第20回 | 2004年 | サイドウェイ |
第19回 | 2003年 | ロスト・イン・トランスレーション |
第18回 | 2002年 | エデンより彼方に |
第17回 | 2001年 | メメント |
第16回 | 2000年 | グリーン・デスティニー |
第15回 | 1999年 | ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ! |
第14回 | 1998年 | ゴッド・アンド・モンスター |
第13回 | 1997年 | The Apostle |
第12回 | 1996年 | ファーゴ |
第11回 | 1995年 | リービング・ラスベガス |
第10回 | 1994年 | パルプ・フィクション |
第9回 | 1993年 | ショート・カッツ |
第8回 | 1992年 | ザ・プレイヤー |
第7回 | 1991年 | ランブリング・ローズ |
第6回 | 1990年 | グリフターズ 詐欺師たち |
第5回 | 1989年 | セックスと嘘とビデオテープ |
第4回 | 1988年 | 落ちこぼれの天使たち |
第3回 | 1987年 | リバース・エッジ |
第2回 | 1986年 | プラトーン |
第1回 | 1985年 | アフター・アワーズ |