ニューヨーク映画批評家協会賞の概要
ニューヨーク映画批評家協会賞とは、ニューヨーク映画批評家協会が設立した賞のことである。賞の発表が12月、授賞式が1月に開催されることから、アカデミー賞の受賞を予想する上でも意識する人が多い。
ニューヨーク映画批評家協会は日刊紙、週刊新聞、雑誌、およびオンラインなどで映画の批評を行う会員で構成されている。そのため、他の賞が商業的・政治的側面を意識されやすいのに対し、芸術性や社会性を持った作品が選出されやすい。さらに、作品賞や監督賞のように個人で表彰されるだけでなく、映画への貢献が認められる団体に対しても表彰される場合があるのが大きな特色である。
ニューヨーク映画批評家協会賞の歴史・沿革
ニューヨーク映画批評家協会賞は1935年に設立された賞で、最初は日刊紙に掲載している11人~38人の批評家のみで投票が行われていた。しかし、1962年に新聞業界のストライキが起こり、賞の選出が行えなくなってしまう。そのことが大きなきっかけとなり、全国的な雑誌に執筆している批評家も会員に加わることになった。
他の批評家賞協会賞の中でも歴史は古く、映画賞の中でも重要な位置にあると言える。ノンフィクション映画賞やアニメ映画賞など、受賞部門は少しずつ増加している。宮崎駿監督の『ハウルの動く城』(04)も「第71回ニューヨーク映画批評家協会賞・アニメ映画賞」を受賞している。
ニューヨーク映画批評家協会賞の歴代受賞作一覧
作品賞
開催回 | 開催年度 | 受賞作品 |
---|---|---|
第89回 | 2023年 | キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン |
第88回 | 2022年 | TAR/ター |
第87回 | 2021年 | ドライブ・マイ・カー |
第86回 | 2020年 | ファースト・カウ |
第85回 | 2019年 | アイリッシュマン |
第84回 | 2018年 | ROMA/ローマ |
第83回 | 2017年 | レディ・バード |
第82回 | 2016年 | ラ・ラ・ランド |
第81回 | 2015年 | キャロル |
第80回 | 2014年 | 6才のボクが、大人になるまで。 |
第79回 | 2013年 | アメリカン・ハッスル |
第78回 | 2012年 | ゼロ・ダーク・サーティ |
第77回 | 2011年 | アーティスト |
第76回 | 2010年 | ソーシャル・ネットワーク |
第75回 | 2009年 | ハート・ロッカー |
第74回 | 2008年 | ミルク |
第73回 | 2007年 | ノーカントリー |
第72回 | 2006年 | ユナイテッド93 |
第71回 | 2005年 | ブロークバック・マウンテン |
第70回 | 2004年 | サイドウェイ |
第69回 | 2003年 | ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 |
第68回 | 2002年 | エデンより彼方に |
第67回 | 2001年 | マルホランド・ドライブ |
第66回 | 2000年 | トラフィック(2000) |
第65回 | 1999年 | トプシー・ターヴィー |
第64回 | 1998年 | プライベート・ライアン |
第63回 | 1997年 | L.A.コンフィデンシャル |
第62回 | 1996年 | ファーゴ |
第61回 | 1995年 | リービング・ラスベガス |
第60回 | 1994年 | クイズ・ショウ |
第59回 | 1993年 | シンドラーのリスト |
第58回 | 1992年 | ザ・プレイヤー |
第57回 | 1991年 | 羊たちの沈黙 |
第56回 | 1990年 | グッドフェローズ |
第55回 | 1989年 | マイ・レフトフット |
第54回 | 1988年 | 偶然の旅行者 |
第53回 | 1987年 | ブロードキャスト・ニュース |
第52回 | 1986年 | ハンナとその姉妹 |
第51回 | 1985年 | 女と男の名誉 |
第50回 | 1984年 | インドへの道 |
第49回 | 1983年 | 愛と追憶の日々 |
第48回 | 1982年 | ガンジー |
第47回 | 1981年 | レッズ |
第46回 | 1980年 | 普通の人々 |
第45回 | 1979年 | クレイマー、クレイマー |
第44回 | 1978年 | ディア・ハンター |
第43回 | 1977年 | アニー・ホール |
第42回 | 1976年 | 大統領の陰謀 |
第41回 | 1975年 | ナッシュビル |
第40回 | 1974年 | フェリーニのアマルコルド |
第39回 | 1973年 | 映画に愛をこめて アメリカの夜 |
第38回 | 1972年 | 叫びとささやき |
第37回 | 1971年 | 時計じかけのオレンジ |
第36回 | 1970年 | ファイブ・イージー・ピーセス |
第35回 | 1969年 | Z |
第34回 | 1968年 | 冬のライオン |
第33回 | 1967年 | 夜の大捜査線 |
第32回 | 1966年 | わが命つきるとも(1966) |
第31回 | 1965年 | ダーリング |
第30回 | 1964年 | マイ・フェア・レディ |
第29回 | 1963年 | トム・ジョーンズの華麗な冒険 |
第28回 | 1962年 | 受賞作発表なし |
第27回 | 1961年 | ウエスト・サイド物語 |
第26回 | 1960年 | アパートの鍵貸します |
第26回 | 1960年 | 息子と恋人 |
第25回 | 1959年 | ベン・ハー(1959) |
第24回 | 1958年 | 手錠のまゝの脱獄 |
第23回 | 1957年 | 戦場にかける橋 |
第22回 | 1956年 | 80日間世界一周 |
第21回 | 1955年 | マーティ |
第20回 | 1954年 | 波止場 |
第19回 | 1953年 | 地上(ここ)より永遠に |
第18回 | 1952年 | 真昼の決闘 |
第17回 | 1951年 | 欲望という名の電車 |
第16回 | 1950年 | イヴの総て |
第15回 | 1949年 | オール・ザ・キングスメン(1949) |
第14回 | 1948年 | 黄金 |
第13回 | 1947年 | 紳士協定 |
第12回 | 1946年 | 我等の生涯の最良の年 |
第11回 | 1945年 | 失われた週末 |
第10回 | 1944年 | 我が道を往く |
第9回 | 1943年 | ラインの監視 |
第8回 | 1942年 | 軍旗の下に |
第7回 | 1941年 | 市民ケーン |
第6回 | 1940年 | 怒りの葡萄 |
第5回 | 1939年 | 嵐が丘(1939) |
第4回 | 1938年 | 城砦 |
第3回 | 1937年 | ゾラの生涯 |
第2回 | 1936年 | オペラハット |
第1回 | 1935年 | 男の敵 |